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THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST
ヴィジュアル
TYM(タイム)
THE YELLOW MONKEY が作り出したものの集積。存在の具現化。
その曲や、その瞬間ごとに世界にも、獣にも、愛にも、絶望にも、真珠にも、夜にも、猫にも、宝石にも、時間にも、変化していく。
TYM は増殖する、街にも巨大なTYM が現れる、THE YELLOW MONKEY を聴いたひとびとの心の中にも現れる。
そして口癖は、「わたしは、ここにいるわ。」
ミュージックビデオ
今回のMusic Videoでは、新録ベストアルバムのキャラクターである【TYM(タイム)】のナレーションをかねてから吉井和哉がリスペクトする美輪明宏さんが担当。
THE YELLOW MONKEYと美輪明宏さんのコラボレーションが実現。美輪明宏さんコメント
吉井君にあえて楽しかった。でもキャラクターは気味悪かった(笑)。
吉井和哉コメント
改めて美輪さんの声の凄み、艶、説得力に圧倒されました。
再集結しても、またこのような形で尊敬する美輪明宏さんとコラボレーションしていただき、本当に感無量です。このTYM(タイム)というキャラクターはTHE YELLOW MONKEYとファンとの誇るべき楽曲達の『魂』を形にしたような存在です。
その声を美輪さんにやっていただき、僕らもファンもこの上ない喜びです。ぜひご視聴ください。
収録曲
- 悲しきASIAN BOY
- パール
- 太陽が燃えている
- プライマル。
- WELCOME TO MY DOGHOUSE
- 追憶のマーメイド
- BURN
- SPARK
- 楽園
- 真珠色の革命時代~Pearl Light Of Revolution~
- SO YOUNG
- 天国旅行
- SUCK OF LIFE
- 花吹雪
- JAM
- バラ色の日々
ベストアルバム投票企画 最終発表
- バラ色の日々
- JAM
- 花吹雪
- SUCK OF LIFE
- 天国旅行
- SO YOUNG
- 真珠色の革命時代~Pearl Light Of Revolution~
- 楽園
- SPARK
- BURN
- 追憶のマーメイド
- WELCOME TO MY DOGHOUSE
- プライマル。
- 太陽が燃えている
- パール
- 悲しきASIAN BOY
- LOVERS ON BACKSTREET
- Four Seasons
- 聖なる海とサンシャイン
- Love Communication
- 球根
- Father
- 空の青と本当の気持ち
- MOONLIGHT DRIVE
- This is For You
- NAI
- カナリヤ
- LOVE LOVE SHOW
- 熱帯夜
- 嘆くなり我が夜のFantasy
- 人生の終わり(FOR GRANDMOTHER)
- BRILLIANT WORLD
- ROCK STAR
- Tactics
- フリージアの少年
- MY WINDING ROAD
- 薔薇娼婦麗奈
- I Love You Baby
- Romantist Taste
- Chelsea Girl
- SECOND CRY
- サイキック No.9
- ゴージャス
- Sweet & Sweet
- 4000粒の恋の唄
- アバンギャルドで行こうよ
- シルクスカーフに帽子のマダム
- マリーに口づけ
- 紫の空
- RAINBOW MAN
商品仕様
CD
COCP-39968/¥2,500+税
※『2017 LIMITED SPECIAL SINGLE CD』特典付(新曲「ロザーナ」収録)
(店舗によっては、特典が終了する場合がありますことを予めご了承下さい。特典の有無は各店舗までお問い合わせ下さい。)
アナログ盤
初回生産限定/2 枚組
※MP3 ダウンロードカード付
COJA-9324~5/¥3,800+税
FC限定盤(終了)
2CD+スリーブ仕様+スペシャルポスター付
COCP-1001~2/ ¥3,500+税
※スペシャルポスターは梱包して巻いた状態でお届けいたします。
※送料別:¥617(税込)/離島・沖縄 ¥1,627(税込)
※DISC-2 はDISC-1 収録曲のインストゥルメンタル音源を収録
【受付期間】
2017年4月20日(木)23:59まで
KJファーストインプレッション
THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST篇
1.悲しきASIAN BOY(第16位/1994年)
このアルバムはファン投票の結果に沿ってカウントダウン形式で進んでいくのだが、1曲目の「悲しき〜」はTHE YELLOW MONKEYの現在地をよく浮かび上がらせており、まさに幕開けに相応しい仕上がりとなっている。まず、吉井和哉のヴォーカルには賛否両論があることだろう。つまり「妖艶で艶っぽい魅力を失った」と捉える人もいれば、「成熟した」とか「深みがある」と捉える人もいる筈だ。しかし、間違いなく吉井和哉は意図的にこの歌唱を選択している。何故ならば菊地英昭のギター、廣瀬洋一のベースと菊地英二のドラムが織りなすグルーブの厚みが、原曲のそれとは比較にならないほど深化しているからだ。ここに当時のようなギラついた歌唱を重ねても、このバンドアンサンブルの中ではきっとただの物真似のように浮いてしまうだろう。この曲を聴いていると、バンドの織りなすダンサブルなビートの上で怪しく揺れる吉井和哉の姿が浮かんでくる。
ソロ活動での商業的な成否など全く関係ない。解散から再集結までの歳月の中で、4人全員が素晴らしい進化を遂げていた。そんな4人が再集結して演奏すれば、当然ながら原曲の当時とは似て非なる、最新型の本物となるのだ。そして、それは素晴らしい!
2.パール(第15位/2000年)
原曲にあった荒削りでガムシャラで性急な疾走感は抑えられつつも、タイトかつパワフルで一体感のある演奏が、楽曲にとてつもなく強い推進力を生んでいる。それはまさに、逃げて行きそうな夜にも追いついて、飲み込んでしまいそうなほどの勢いである。傑作。
3.太陽が燃えている(第14位/1995年)
THE YELLOW MONKEYがヒットチャートに手探りで挑んだ原曲から長い時間を経て、一つの完成形に辿り着いた印象がある。アレンジメントが変わり、特にキーボードやブラスセクションが強調されたことで、よりTHE YELLOW MONKEYらしい歌謡曲感溢れるポップ性の高い楽曲となり、更なる説得力を獲得することに成功していると思う。
4.プライマル。(第13位/2001年)
当時は悲しい想いを抱えながら聞いた楽曲だが、再集結後の幕開けとなったことでそうした印象が完全に払拭された。これはメンバーが意図していたことなのだろうか?2017年テイクは原曲よりもロックテイストを増しており、あのライブの高揚感が蘇ってくるような楽曲に仕上がっている。
5.WELCOME TO MY DOGHOUSE(第12位/1992年)
THE YELLOW MONKEYの、特に吉井和哉のヴォーカルの進化を目の当たりにできる楽曲。発表ら25年の時を経て、当時は「アウトサイダー」という意味での野良犬だったのかもしれないが、現在はさらに掘り下げられて、野良犬のような逞しさと孤高の存在感が随所に散りばめられており、歌声も演奏もこの楽曲の持つ世界観への一体感が凄い。再録の意義としてはこの楽曲が最も高いかもしれない。
6.追憶のマーメイド(第11位/1995年)
アルバム「Smile」に続いてチャートに挑んだ楽曲であり、長らくライブで演奏されていなかったことから、ファンの思いとは裏腹にメンバーにとっては苦悩の詰まった1曲だったであろうことが伺える。「太陽が燃えている」と同様、重厚感のあるバンドサウンドにストリングスの音色が際立つ昭和歌謡のような佇まいが、この曲の持つ繊細な美しさや儚さが見事に表現しており、この楽曲の到達点を遥かに底上げしたと思う。ライブで聴きたい。
7.BURN(第10位/1997年)
THE YELLOW MONKEY史上最高のセールスを誇るこの楽曲。原曲では肉体の成長や恋愛関係の形に心が追いつかず苦しむ少女のようだった女性像が、今回は吉井和哉の声色やシンプルになったアレンジメント、より強調されたピアノの音色がこの楽曲の持つドラマ性を高め、より罪深い大人の恋を断ち切るために地獄の業火に焼かれるような思いをしながら必死に生きる女性のように変わったかのような印象を持つ。しかも、最後は「業火」が「劫火」に変わり、ここからまた全てが始まるかのような救いさえ感じさせてくれる。やはり老いは恥じることではない。この表現力の進化は、これから生み出される作品への期待をより一層高めてくれる。
8.SPARK(第9位/1996年)
このアルバム中、最も原曲に近い楽曲ではないだろうか。最大の変化はサビ前の「are you ready to spark?」にエフェクトをかけるのをやめ、バンドメンバーの生声となったことだろう。これは違和感もあるし賛否両論があるかもしれない。ただ、全体的にシンプルでライブ感のある仕上がりとなっているだけに、これはこれで良かったのではないかと感じる。ちなみに、カラオケで唯一100点を獲得したことのある非常に思い出深い曲である(笑)
9.楽園(第8位/1996年)
この時代の音はやたら歪ませていたのだなと改めて気づかされる。時は流れ、メンバー全員がタバコをやめて、できるだけ小さなエフェクトで楽園に向かっている。それだけでも時代の変化を感じずにはいられない。原曲も含め、この楽曲ではTHE YELLOW MONKEYにとって廣瀬洋一のベースがリズムだけにとどまらずメロディーの一部となっていて、それがバンドの大きな特徴となっていることがよくわかる。そういう意味でも彼らを代表する曲だと言える。
10.真珠色の革命時代~Pearl Light Of Revolution~(第7位/1992年)
メジャーファーストアルバムから唯一選ばれた楽曲。吉井和哉が歌うメロディーラインもさることながら、菊地英昭のギターソロや廣瀬洋一のベースがリードするストリングスが非常に美しい作品。おそらく当時は実力や予算の都合など諸々の事情でやりきれていなかったことが、今回のリテイクでやりきれたのではないか?それほど素晴らしい作品に仕上がっている。キワモノ扱いを受けていたデビュー当初からこれだけ壮大で華やかな楽曲を生み出していたのだと思うと、やはりTHE YELLOW MONKEYというバンドの懐の深さを改めて認識させられる。
11.SO YOUNG(第6位/1999年)
自分にとってはまさに青春ど真ん中に発表された楽曲。抗えないような苦しみの只中にある自分に何とか前を向かせようとするような、実に複雑で重く不安定な青春時代の香りが漂う楽曲。原曲を聞く度に胸を締め付けられるような感覚に襲われた。けれども18年後の今、吉井和哉の優しくも力強い歌声は、そこに「それでいいんだよ」という救いを与えてくれているかのようだ。演奏も吉井の歌に呼応するかのように穏やかで微かな温もりを帯びた。全てに於いて「時代を超え、原曲を超えた」と唸らされた名曲。
12.天国旅行(第5位/1997年)
日本のロック史における名盤の1枚に数えられる「SICKS」からの選曲。原曲の時点で非常に完成度の高かった楽曲だけに、期待と不安が入り混じった。果たして、アレンジこそほとんど手を加えられていないものの、歌唱力や演奏力の上達か、録音技術の進化か、おそらくはその両方によって完成度が更に増している。
個人的に、非常に美しい楽曲であるが故に原曲も含めてカウントはあまり好きではないのだが、より強調された点は少し残念。ただ、LIVEでは確かにアガるポイントではあるし、それこそがTHE YELLOW MONKEYらしさだ、と言ってしまえばそれまでだが。いずれにせよ素晴らしいことには変わりない。
13.SUCK OF LIFE(第4位/1993年)
もしかしたらこのアルバムの中で、この楽曲と向き合うことが最も難しかったのではないだろうか?LIVEで最も盛り上がる楽曲と言っても過言ではないし、長い年月をかけてLIVEで育ってきた楽曲でもある。けれども、若気の至り的な「男性同士の同性愛者の物語」というコンセプトをスタジオ作品として改めて表現することは、成熟した彼らにとってかなりの難題であったことは想像に難くない。故にこの楽曲は、LIVE感を前面に押し出している。ただ、実際のLIVEでこの楽曲を演奏する頃というのは吉井和哉の狂気のスイッチが入っていることが多いため「LIVE盤のようだ」という表現も当てはまらない。ちなみにコピーバンドやカラオケ愛好者にとっては、LIVEでしか聞くことのできなかったフレーズ「Ah 乳首出しな」「でっかなイチモツBABY」「ママン ママン ママン」がより鮮明に聞き取れるようになったことは特筆に値するかも?(笑)
14.花吹雪(第3位/1997年)
「SICKS」からの選曲。一般的な知名度は次のシングル2曲に敵わないかもしれないが、この楽曲こそが「This is THE YELLOW MONKEY」と言っていいだろう。特に吉井和哉の詞世界が尋常ではない。とにかく「SICKS」の楽曲は元々のクオリティが高いだけに、新録のテイクがどうなっているか期待よりも不安の方が高かった。天国旅行ではアレンジもあまり変わっておらず、実力や技術の進化を感じられたのだが、この楽曲では歌唱もアレンジも大胆に変化していて少々戸惑った。しかし「SICKS」から飛び出して、このアルバムの中に存在するこの楽曲の形として、これはこれで好きかもしれない。特に和のテイストが増していて、原曲よりも好きな部分も多い。そして、改めて詞世界の凄さに脱帽。この楽曲にあまり馴染みのない方には是非とも歌詞カードを片手に聴いてほしい1曲である。
15.JAM(第2位/1996年)
この楽曲について、多くを語る必要は無いだろう。おそらく「JAM」はファンにとってそれぞれの、あの日あの時に聞いた最高のヴァージョンが存在している筈だ。そして、このアルバムに収録され、このアルバムをより多くの方に聴いていただいて、また新たな最高のヴァージョンが生まれるきっかけになるだけでも素晴らしいことだ。今回のリテイクでは他の楽曲と同様、深く暗い孤独の先にある微かな希望を感じさせるような仕上がりとなっている。吉井和哉のヴォーカルも、どこか穏やかだ。
16.バラ色の日々(第1位/1999年)
当時のTHE YELLOW MONKEY、特に吉井和哉は混迷の時期に入っており、実際に昨年亡くなった故・朝本浩文氏をプロデューサーに迎えてアレンジを委ねた楽曲。いわゆる「実験三部作」は個人的にはかなり好きだったのだが、あくまでも当時の「新しいTHE YELLOW MONKEY」を模索する作品だったし、そうした経緯もあって少なからず批判的な声も聞いていたので「バラ色の日々がファン投票1位を獲得した」と聞いて少し驚いた。それもあの「JAM」を抑えて、である。しかし、実際にLIVEでの演奏や今回のテイクを聴いて、この結果にも頷けるようになった。原曲よりもアップテンポとなり、ロックテイストの強いアレンジとなったことで「バラ色の日々」に込められた後ろ向きな日々を断ち切り、前向きに進もうとする意思をより力強いものにしている。長い年月を経てこの楽曲を自らの手でプロデュースし、これだけの作品に仕上げたTHE YELLOW MONKEY。彼らが経験した苦悩と解散とソロ活動は、全て意味があったのだ。いや、彼ら自身が意味のある経験に変えたのだ。本当に素晴らしい。
総評
再集結後のTHE YELLOW MONKEYにとって最初のアルバムとなるこの作品。
デビュ−25周年というアニバーサリーイヤーであることを考えれば、ベストアルバムがリリースされることは理解できる。しかし、この作品を手にするまでは正直「せっかくのスタジオアルバムならばオリジナルの方が良かったなぁ」という想いが心の何処かにあった。けれども、聴けば納得の非常にクオリティーの高い素晴らしい作品だった。
やはり、THE YELLOW MONKEYにとって現時点で最後のスタジオアルバムである「8」と次回作を繋ぐには、どうしても空白となっていた12年間を埋める作業が必要だったのだと思う。この12年間でTHE YELLOW MONKEYはどのような変貌を遂げたのか。何を得て何を失ったのか。そして、どこへ向かおうとしているのか。このアルバムは、多くのリスナーのそうした疑問に対して明快な回答となっているのではないだろうか?そして、着実にプロセスを経た分だけあって空白はすっかり埋まってしまったように思える。
つくづく不器用でバカまじめなバンドである。
ただ、そんなバンドだからこそ当時の活動休止から解散の流れは必然で不可避だったのだと思うし、シーンに戻ってくるからには相当の覚悟と自信を持っているのだとも思う。
この作品を聴いて特に印象的だったことは、何と言っても吉井和哉が本当に幸せそうに歌っていることだ。声そのものの非常に調子が良さそうなこともあるかもしれないが、ともすれば楽曲の印象を大きく変えてしまいかねないものさえあった。もちろんそこは、ギリギリでバランスを保ってはいるのだけれども、とにかく終始このバンドで歌えることの喜びや幸せや興奮を噛み締めながら歌っているように聞こえるのだ。
THE YELLOW MONKEYにハマった理由は、おそらくこの12年間の間に失ったものの中にこそ多いかもしれないし、その一つは吉井和哉の狂気的な部分であったりするのだが、自分自身もあれから大人になり「吉井和哉が幸せを噛み締めている姿」は悪くないものだなと思った。この部分の受け止め方は個人差があるところだし、実際に賛否両論あるようだ。ただ、おそらく「PUNCH DRUNKARD」以降の吉井和哉のインタビューであったり自伝であったりを読んできたファンにとっては「吉井さん、良かったね」という感覚をきっとご理解いただけるのではないかと思う。
そして、おそらくその気持ちを最もよく理解している1人であろう菊地英昭のギターは、この作品を通じて吉井和哉のヴォーカルに寄り添うように演奏されていると感じることが非常に多かった。それは「控えめ」というような単純なことではなく、吉井和哉のヴォーカルを引き立てたり、盛り上げたり、「彼を一人に」させていないのである。これはシビれた。
もう一つ、バンドのカラーを最も体現しているのはヴォーカルでもギターでもなく、やはりベースとドラムが生み出すビートやグルーブなのだと、改めて気付いた。昨年リリースされた氷室京介のベストアルバム「L’EPILOGUE」に於いて、氷室は単身でBOØWY時代の楽曲を最新の音で再現してみせようとしていたが、ギターやシンセサイザーなどはともかく、やはりベースとドラムにだけは拭えない違和感が残った。その時に思った。「松井常松と高橋まことあってのBOØWYだった」のだと。同様に「ヒーセとアニーあってのTHE YELLOW MONKEY」と言っても決して過言ではないだろう。特にこのアルバムでは二人の音がそれぞれ粒立っていて「この音の上で歌えば誰でもロビンになれるのではないか?」とさえ錯覚させてくれるほど強烈なノリを生んでいる。
THE YELLOW MONKEYがこのアルバムで表現したかったことは、この一言に尽きるだろう。
「わたしは、ここにいるわ」
そう、このアルバムには「わたし=THE YELLOW MONKEY」の「ここ=現在」の全てが詰まっている。
THE YELLOW MONKEYを初めて聴く若いリスナーにとっても、懐かしい音楽として久々に聞く時代を共にした人々にとっても、彼ら無しでは生きていけないファンにとっても、再集結した彼らを知る上で最高の教材として、末長く愛され続けることだろう。
最後に切実な願望を記しておくと、このアルバムの誕生を機に「イエモン -FAN’S BEST SELECTION-」を「THE YELLOW MONKEY WAS THERE.REALTIME BEST」としてリイシューしてくれないだろうか。理由は実に単純。どうしてもジャケットヴィジュアルが受け入れられないからだ。ダサい。野性爆弾くっきーは芸人として大好きではあるのだが、それとこれとは全くの別問題。初回限定版であろうとなかろうと、このジャケットは本当にどうにかしてくれないだろうか?
ロザーナ篇
ロザーナは「THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST」初回限定版に付属の「2017 LIMITED SPECIAL SINGLE CD」に収録されている。
結論から言えば、ロザーナの音源を聴くためだけであっても「THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST」を購入する価値はある。
MV:YouTube(THE YELLOW MONKEY『ロザーナ』)
歌詞:歌ネット(THE YELLOW MONKEY『ロザーナ』)
ロザーナという楽曲で奏でられる世界観は、完全にTHE YELLOW MONKEY再集結からの日々と一致していると感じる。
ロザーナという女性は、THE YELLOW MONKEYを支持する全ての者たちの分身であろう。そして、かつて恋人関係にあったロザーナを口説くように楽曲は進んでいく。
再び出会った高揚感や勢いにまかせて「このチャンスを逃すな」とばかりに少々強引に復縁を迫る描写から、「自分の中では既に答えが出て確信している」問いの投げかけ。そして、ロザーナと再会してから自分の意識に起こった革命を語り、ロザーナの返答も待たずに「間違いないから、着いてこいよ」と勝手に歩き出してしまう。こうなると、彼に惹かれているロザーナはもう着いていくしかない。
肉食系の吉井和哉ならではのラブソングとなっている(笑)
ロザーナであるところの自分たちは、THE YELLOW MONKEYと共に再び走り出すしかない。
ちなみに「ドアを開けたら 見たような見たことない景色が キレイな色で塗り直されて見えた」はこのCDの本体「THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST」を指しているのだろう。アルバムのプロモーションソングとしては豪華過ぎやしないか?という完成度の高さなのだが。
いずれにしても「次のゲーム」を期待せずにはいられない。それはすでに発表されている「大きな卵の殻=BIG EGG=12月の東京ドーム公演」以降になるのだろうか?それとも3ヶ月連続リリース&映画「オトトキ」公開のことだろうか?口説くだけ口説いておいて相手が一番求められていることはお預け。この自分勝手さがTHE YELLOW MONKEYの良いところでもあり悪いところでもある(笑)
そこで、新たな生命を吹き込まれた珠玉の作品たちを勝手にレビューしちゃいます!!