布袋寅泰、ギタリズム第6作『GUITARHYTHM Ⅵ』リリース!2019ライブセトリ&グッズ!感想など!

KJ
バレンタインデーに最高の贈り物!布袋寅泰が10年ぶりとなるギタリズムシリーズ最新作『GUITARHYTHM Ⅵ』をリリースすることを発表しました!

ソロデビュー作『GUITARHYTHM』から31年。そして前作『GUITARHYTHM V』から10年。

満を持して、シリーズ第6弾としてリリースされる本作。「自由になれよ。」というメッセージの添えられたロゴマーク。布袋は『GUITARHYTHM Ⅵ』でどのようなサウンドを、メッセージを、そして未来を届けてくれるのでしょうか?

今から本当に楽しみで仕方ありません!

この記事では『GUITARHYTHM Ⅵ』やツアーの最新情報や感想をお届けします!

目次

布袋寅泰『GUITARHYTHM Ⅵ(ギタリズム6)』

衝撃のソロデビューから31年。前作より10年の時を経て、遂に扉は開かれた
布袋の代名詞とも言える「ギタリズム」シリーズ最新作にして史上最高傑作!!!

1988年、BOØWY解散後にソロデビューアルバムとしてリリースされシーンに衝撃を与えた『GUTARHYTHM』から31年。
そして2009年にリリースされた前作『GUITARHYTHM V』より10年の時を経て、シリーズ最新作となる『GUITARHYTHM Ⅵ』が2019年5月29日に発売されることが決定。
布袋寅泰の代名詞とも言える「ギタリズム」シリーズの最新作にして布袋史上最高傑作が誕生する。

また、“6の付く日”は『GUITARHYTHM Ⅵ』の新情報解禁日となっている。

GUITARHYTHM Ⅵ ロゴ

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トレーラー

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ジャケットアートワーク

完全数量限定盤 GUITARHYTHM VI BOXセット

初回限定版

通常盤

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収録曲

  • Welcome 2 G VI 作曲:布袋寅泰
  • Middle Of The End 作詞:森雪之丞 作曲:布袋寅泰
  • Doubt 作詞:いしわたり淳治 作曲:布袋寅泰
  • Shape Of Pain 作詞:岩里祐穂 作曲:布袋寅泰
  • Black Goggles 作詞:森雪之丞 作曲:布袋寅泰
  • Give It To The Universe (feat. MAN WITH A MISSION) 作詞:布袋寅泰&ジャンケン・ジョニー 作曲:布袋寅泰&ジャンケン・ジョニー
  • Calling You, Calling Me 作詞:森雪之丞 作曲:布袋寅泰&Andrew Hale
  • Thanks a Lot 作詞:布袋寅泰 作曲:布袋寅泰
  • Clone (feat. Cornelius) 作詞:森雪之丞 作曲:布袋寅泰
  • Secret Garden 作詞:森雪之丞 作曲:布袋寅泰
  • Freedom In The Dark 作詞:布袋寅泰 作曲:布袋寅泰&Tommaso Colliva
  • 202X 作詞:森雪之丞 作曲:布袋寅泰
  • Tracker 作曲:布袋寅泰&Tommaso Colliva
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元BOØWYの盟友、松井常松 & 高橋まこと と31年ぶりの共演!

収録曲『Thanks a Lot』にて元BOØWYの盟友・松井常松と高橋まことが参加していることが判明!
同曲は5.6より先行配信される。

布袋寅泰「Thanks a Lot」 -teaser-:https://youtu.be/FOI0KB91hMA

布袋寅泰「Thanks a Lot」先行配信 → https://umj.lnk.to/hotei_g6YD

布袋寅泰のコメント

スタジオに3人が並び、まこっちゃんの大きなカウントから8ビートが走り出す。いつもは険しい表情の松っちゃんが寡黙なダウストロークを刻みながら静かに微笑んでいる。懐かしい仲間と交わす音のラリーは言葉以上に心に響いた。無言ながらも聞こえてくるそれぞれの思い。31年ぶりのセッションで僕のギタースタイルの原点はこのリズム隊にあることを再確認した。“俺たちは今も何も変わらない”。移りゆく時代へ送るメッセージが多くの人に届きますように。

松井常松のコメント

ニューアルバム完成、おめでとうございます。すごいアルバムに参加させていただいたことを光栄に思っています。思えば、それぞれが違う道を歩みだしてから、随分と長い時間が経過していたわけですが、一緒に音を出すという作業を始めてみると、その中での時間の流れ方とか会話とか、変わらない部分は変わらない、生活のスタイルや人生のスピード感のようなものは大きく変わっているはずなのに。不思議で感慨深い時間を共有させていただきました。アルバム全体を通して聴くと、やはり、紛れも無い「GUITARYTHM」の最新作なのですが、唯一「Thanks a Lot」だけは過去にタイムスリップしたような感覚に捕われます。もちろん、それは自分の演奏を客観視できないため、ということもあるのかもしれませんが。いずれにしても、そういう部分も包括して、過去、現在、未来という時間さえも自由に行き来してしまう「GUITARYTHM」というシリーズは、やはり唯一無二な存在なのだな、とあらためて思いました。

高橋まことのコメント

今回オファーが来た時にはビックリしました。しかも、ベースは松っちゃん!そして、録音はロンドン。
でも、布袋さんからのオファーってやっぱり嬉しかったですよ。
布袋50歳の埼玉スーパーアリーナで久しぶりに共演した以来で、しかもレコーディングですから、海外は10年振り、ロンドンはBOOWYのベルリン録音の後、マーキークラブで演奏した以来だから興奮で寝れませんでした。
でも、スタジオで3人顔を合わせたらなんかいつもと同じだなぁなんて思ってしまいました。
30年振りなのになんだか昨日からやってますみたいな感覚でした。
10回とか数を重ねるんじゃなくて、やっぱり5回ぐらいでOKが出ましたからホッとしましたよ。
出来上がった音もバッチリでした。
改めて布袋、松井、まことの出す音でしたね。ロンドンに呼んでくれてありがとう!!
このアルバム[ GUITARHYTHM Ⅵ ]が多くの人達に届くことを祈っております。

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Cornelius & MAN WITH A MISSION とも共演!

布袋同様日本のみならず海外での活動を精力的に展開しているアーティスト、CorneliusとMAN WITH A MISSIONもフィーチャリングで参加。「Clone (feat. Cornelius)」は第2弾先行デジタル・トラックとして5月16日に、「Give It To The Universe (feat. MAN WITH A MISSION)」は第3弾先行デジタル・トラックとしてアルバム発売直前の5月26日に配信が決定!

布袋寅泰「Give It To The Universe (feat. MAN WITH A MISSION)」 -teaser -:https://youtu.be/OmOBc_vfyGg

布袋寅泰のコメント

ギタリズム6にはMAN WITH A MISSIONとの初コラボレーションも収録されています。人間以外の究極の生命体との共同作業は初めて。ヘヴィーでダンサブルな”Give It To The Universe”マンウィズファンの皆さんもどうぞお楽しみに!

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参加アーティスト

上記のアーティストのほか、今回のアルバムへの参加アーティストは、『GUITARHYTHM』の視覚的な想像力をかきたてる作詞陣では、森雪之丞、岩里祐穂、いしわたり淳治、ミュージシャンでは、イギリスからはあのシャーデーのキーボーディストAndrew Hale(SADE)、グラミー・ウィナーのエンジニア、Adrian Bushby(Foo Fighters、Museなど)、やはりグラミー・ウィナーのエンジニア、Simon Gogerly(U2、Faith、No Doubt、Massive Attackなど)、ベーシスト、Mark Neary(Noel Gallagher、U2、Adeleなど)、セッション・ドラマーFrankie Tontoh(George Michael、Amy Winehouse、Craig David、Jack Bruceなど)、Steve Barney(Annie Lennox、Jeff Beckなど)、イタリアからはプロデューサー、Tommaso Colliva(Museなど)、アメリカからはピアニスト、Mike Garson(David Bowie、Nine Inch Nails、The Smashing Pumpkinsなど)、そして日本からは、ファンにはおなじみのギタリスト、黒田晃年、マニュピレ−ター、岸 利至、キーボーディスト、奥野真哉などなど世界各国から豪華かつ百戦錬磨のプロフェッショナルな猛者が勢揃いしている。

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商品情報

発売日

2019年5月29日(水)

商品仕様

完全数量限定盤 GUITARHYTHM VI BOXセット

※UNIVERSAL MUSIC STORE限定販売
【CD + GUITARHYTHM VIグッズセット】PDCV-1034 10,000円(税抜)
『GUITARHYTHM VI BOXセット』のご予約は下記UNIVERSAL MUSIC STOREへお進みください
https://store.universal-music.co.jp/product/pdcv1034/

LIVE Blu-ray付 初回生産限定盤

【CD + BD】TYCT-69141 8,900円(税抜)

LIVE DVD付 初回生産限定盤

【CD + 2DVD】TYCT-69142 8,400円(税抜)

※初回生産限定盤に付属されるBlu-ray、DVDの映像収録内容は2018年12月30日に大阪・オリックス劇場にて行われた「HOTEI Live In Japan 2018 〜TONIGHT I’M YOURS TOUR〜」最終公演を完全収録した内容となります。

通常盤

【CD】TYCT-60138 3,000円(税抜)

iTunes

 

先着購入特典

ニューアルバム『GUITARHYTHM Ⅵ』先着購入特典は『GUITARHYTHM Ⅵ』ロゴがデザインされたタオル・ホルダーに決定!
6月9日からスタートするツアー「HOTEI Live In Japan 2019 ~GUITARHYTHM Ⅵ TOUR~」でも役立つこのタオルホルダーは、ECサイト、店舗共通(※一部取り扱いのない店舗もございます。詳しくは店頭にてお問い合わせください)の先着購入特典となるので、早めにご予約することをお勧めいたします。

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特設サイト(2019.4.6 OPEN)

『GUITARHYTHM』シリーズの最新作となる『GUITARHYTHM VI』には、日本、イギリス、アメリカ、イタリアなど国内外から様々なミュージシャンやプロデューサーが参加。特設サイトでは彼らから寄せられたメッセージに加えて、アルバムの最新情報などが公開される。

『GUITARHYTHM VI』特設サイトはこちら

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インタビュー

Webメディア「OKMusic」「BARKS 」にてインタビューが掲載!
OKMusic[インタビュー]
BARKS[インタビュー]
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テレビ&ラジオ出演情報

テレビ朝日「ミュージックステーション」

布袋寅泰「Give It To The Universe (feat. MAN WITH A MISSION)」

放送日
5月31日(金)

日本テレビ「嵐にしやがれ」

布袋寅泰記念館 「復活LOVE」ギター演奏で嵐とコラボ!

放送日
6月1日(土)

NHK-FM「サウンドクリエーターズ・ファイル」

サウンドクリエイターズ・ファイル、6月前半は、2回にわたって布袋寅泰が登場!
先月、ニューアルバム「GUITARHYTHM Ⅵ」を発表!代名詞とも言える「ギタリズム」シリーズの最新作です。
制作秘話はもちろん、アルバムの楽曲もたっぷり紹介。
そして今回はスペシャルゲストをお招きします。
6月2日放送回には、布袋さんの音楽に造詣の深い、音楽コンシェルジュのふくりゅうさん。
6月9日放送回には、布袋さんの楽曲の歌詞を多数手がけ、長年の友人でもある作詞家・詩人の森雪之丞さん。
ゲストおふたりとのトークでどんな話が飛び出すのか!?
布袋ファン垂涎の今回、どうぞお聴き逃しなく!!

放送日
6月2日(日) ゲスト: ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
6月9日(日) ゲスト: 森雪之丞(作詞家・詩人)

テレビ朝日「関ジャム完全燃SHOW」

MIYAVI、布袋バンドから黒田晃年をゲストに迎え、トーク&セッション!

放送日
6月9日(日)

SPACE SHOWER TV「布袋寅泰”GUITARHYTHM VI”SPECIAL」

布袋寅泰×Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)
賞賛を浴びたコラボレーションからの対談が実現!!

5月29日にリリースされた布袋寅泰の代名詞とも言えるシリーズ最新作『GUITARHYTHM Ⅵ』。

前作Vからおよそ10年。本作には、ファンも驚いたCorneliusとの見事な化学反応、BOØWYの解散以来初のセッションとなった高橋まこと、松井常松との楽曲など衝撃的なコラボレーションが大きな話題を呼んでおり、中でもMAN WITH A MISSIONとのコラボレーション「Give It To The Universe (feat. MAN WITH A MISSION)」はその近未来的なMVをはじめ、地上波出演で“完璧なコラボレーション”と賞賛されるなど、布袋寅泰が日本の音楽史にまたしても大きな爪痕を残した。

スペースシャワーTVでは最新作『GUITARHYTHM Ⅵ』の発売を記念し特別番組をオンエア!

番組には対談ゲストとしてMAN WITH A MISSIONからJean-Ken Johnnyを迎え、布袋寅泰に質問をぶつける。
GUITARHYTHMシリーズの始まりからコンセプト、最新作までの道のり。そして、今後のビジョンについてたっぷりと語ってもらった。

また番組には、布袋寅泰に大きな影響を受けたKREVA、KOHKI(BRAHMAN)、SUGI(coldrain)、竹内サティフォ(ONIGAWARA)、MIYAVI、ダイスケはん(マキシマム ザ ホルモン)らアーティストから熱いメッセージが届く。お見逃しなく!!

放送日
7月6日(土)午後10時00分〜11時00分(初回放送)
7月13日(土)午後9時00分〜10時00分(リピート放送)
7月25日(木)午後23時00分〜24時00分(リピート放送)

出演
布袋寅泰
Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)

GUITARHYTHMシリーズ

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GUITARHYTHM宣言

布袋寅泰はソロ・デビューにあたり、いわゆる「GUITARHYTHM宣言」という重厚なインパクトを残した声明文を出しており、その中で以下のように語っている。

《GUITAR+RHYTHM=GUITARHYTHM》

そろそろ90年代ロックンロールの幕開けというべきロックンロールを提示しなくてはいけない時期が来た。
そもそもロックンロールに国境はなく、イギリス、アメリカ問わず、ビル・ヘイリー(元祖ロックンロール!)、リトル・リチャード、チャック・ベリー、ジーン・ビンセント、エディ・コクラン、ボ・ディドリー、エルヴィス・プレスリー、ビートルズ、ストーンズ~時代は流れてT.REX、ルー・リード、デヴィッド・ボウイ、イギー・ポップ~セックス・ピストルズ etc……
ジグジグ・スパトニクによる90年代へのアプローチは奇しくも失敗に終わったが、常に刺激を求めるビート・フリークたちの関心は、なまやさしいメロウなロックンロールでは満足できなくなっている。パンク・ムーヴメントの果たした役割ははかりしれないほど偉大なものだったが、大きく分けてビート派とメロディ派に極端に分かれすぎて、今やシークェンスの反復を利用した、ドナ・サマー(!?)が切り開いたディスコ・ミュージックとほとんど変わらないありさまだ。
ロックという言葉の持つ意味が個人の解釈に委ねられた今、逆にインパクトを持ち、国内のみならず海外にもアピールしうるロックンロールがこれから作っていく《GUITARHYTHM》の基本になっていく。
テーマは【スピード】【リフレイン】【メロディ】【コンピュータ】【パンク】の5つに集約されている。 わかりやすく言うとセックス・ピストルズのギタリストとジグ・ジグ・スパトニックのリズム隊をバックに、エディ・コクランがビートルズの歌を赤いスーツを着て歌うということだ。

6年間連れ添った仲間と別れ、新たなスタートをするにあたって、僕は”完璧”という2文字を頭に描きました。
まず、自分に足りない何かを探す・・・ということから始めたのですが、いつのまにかそれは本当の自分を見つめ直すー僕という存在の内面への旅に姿を変えていたのです。
GUITARHYTHMという作品は、ロックミュージックと出逢った10数年間の分身、もしくは僕そのものといっても過言ではありません。

布袋寅泰

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GUITARHYTHM


リリース:1988年10月5日
録音:ABBEY ROAD STUDIO studio 2
時間:45分47秒
レーベル:東芝EMI/イーストワールド
プロデュース:布袋寅泰,ホッピー神山&布袋寅泰(6曲目のみ)

1988年4月5日のBOØWY「LAST GIGS」からちょうど半年後の10月5日にリリースされた1stソロアルバム「GUITARHYTHM」。BOØWY時代と決別した本作は「架空のサウンドトラック」をコンセプトに、コンピュータを大胆に取り入れた全曲新曲のデジタルロックで構成されている。海外市場を意識したことに加え、自身の歌の存在感を抑える為に全曲英詞としており、BOØWY時代からのファンには驚きを持って受け入れられた。

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GUITARHYTHM Ⅱ


リリース:1991年8月30日 (LP),1991年9月27日 (CD・CT)
録音:メトロポリス・スタジオ(ロンドン),セディック・スタジオ(東京),ヒット・ファクトリー・スタジオ(ロンドン)
時間:DISC I:52分33秒,DISC II:53分22秒
レーベル:東芝EMI/イーストワールド
プロデュース:布袋寅泰,藤井丈司

吉川晃司とのユニット、COMPLEXの活動休止後にリリースされた2枚組の2ndソロアルバム「GUITARHYTHM Ⅱ」。BOØWYやCOMPLEX時代とは一線を画し、色彩に富んだ様々な楽曲が詰め込まれたアルバムで、まさに布袋寅泰の本領が発揮された作品に仕上がっている。コンセプトは「時空を超えた魂の旅」、キーワードは「天使と悪魔」。日本のファンに向けた作品であり、デヴィッド・ボウイのカバー「STAR MAN」を除き、全曲日本語詞で構成されている。

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GUITARHYTHM Ⅲ


リリース:1992年9月23日
録音:IRc2スタジオ(東京),メトロポリス・スタジオ(ロンドン)
時間:60分18秒
レーベル:東芝EMI/イーストワールド
プロデュース:布袋寅泰

1992年リリースの3rdソロアルバム「GUITARHYTHM Ⅲ」。「LOOKING FOR WILD」をテーマに「スピード」「スリル」「ワイルド」そして「ポップアート」をコンセプトとした作品。前2作品と比べてロックンロールの色合いが濃くなっており、ライブを強く意識した作品に仕上がっている。そうした力強い言葉や楽曲に対抗すべく、ロックヴォーカリストとしての役割を本格的に引き受けた作品でもある。現在に至るまでの布袋寅泰のパブリックイメージは、ジャケットアートワークを含め、この作品によって固まったと言っても決して過言ではない。

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GUITARHYTHM Ⅳ


リリース:1994年6月1日
録音:リアル・ワールド・スタジオ(ボックス),アビー・ロード・スタジオ(ロンドン),ホイットフィールド・スタジオ(ロンドン)
時間:51分59秒
レーベル:東芝EMI/イーストワールド
プロデュース:布袋寅泰

1994年リリースの「GUITARHYTHM Ⅳ」は、これまでのシリーズとは異なり「ノーコンセプト」で制作された作品。ギタリズム本来のコンセプトである「ギターとコンピューターの融合」からも距離を置き、ロンドンに拠点を置いて様々な地を旅しながら、アコースティックギター1本で全楽曲のデモを完成させ、バンドサウンドを主体として構築している。また、布袋寅泰が全曲の作詞を手掛けた唯一のアルバムである。コンピューターに代わって「歌と言葉」という武器を得た布袋は、必然的にギタリズムプロジェクトに幕を下ろし、新たなサウンドやヒットチャートへ挑んでいくこととなる。

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GUITARHYTHM宣言2

「GUITARHYTHM Ⅴ」リリースに際し、布袋は以下の文を記している。

GUITARHYTHM RETURNS 2008

21世紀、果たしてロックンロールは進化を遂げただろうか?

SFの父アーサー・C・クラーク「2001年宇宙の旅」、フィリップ.K.ディック「ブレードランナー」etc…
狂気のロマンチストたちが描いた未来が今、我々の目の前にある。

コンピューターワールドの住人たちは見知らぬ相手と仮想世界で交信を続けている。
世界はネットワーク化され情報は何でも手に入る。(それが大いなる嘘であったとしても!)

偉大なロック・マシーンはハードディスクの中に眠っている。
ファイルを開けば夢のヴィンテージサウンドが一瞬にして手に入る。
キーを押せばビートが飛び出し、オーケストラの指揮者にだってなれる。
そう誰でもベートーベンになりきってロックできる時代が来たのだ!

ダンスを踊れない人間がダンスミュージックを作ってる。
匿名でしか意見を言えない臆病者が、世界を支配したつもりで笑ってる。
路上で歌う未来のロックスターはラブソングしか歌えないらしい。

進化しながら退化した人類は、次第に過去に夢を馳せるだろう。
インターネットも携帯電話も高層ビルもサプリメントも存在しなかった時代に「溢れる衝動と想像力」のみによって生まれた芸術の数々にひれ伏すだろう。

あれから20年…。
私は≧GUITARHYTHM≦の世界に戻る。
タイムカプセルであのロックンロール黄金時代に還る。
甘美で危険な夢をもう一度見たいのだ。

昔も、今も、そして未来でも、コンピューターはギターを弾けない。
ギタリストにとってコンピューターは可愛いオモチャでしかない。

布袋寅泰

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GUITARHYTHM Ⅴ


リリース:2009年2月18日
録音:PLANET KINGDOM STUDIO,Azabu O Studio,WARNER MUSIC RECORDING STUDIO,PRIME SOUND STUDIO,FORM,VICTOR STUDIO,BUNKAMURA STUDIO,SOUND INN,DADA STUDIO,OKOKU STUDIO
時間:67分35秒
レーベル:EMIミュージック・ジャパン/ヴァージン
プロデュース:布袋寅泰

「GUITARHYTHM Ⅳ」以来、15年ぶりにギタリズムプロジェクトを再開させた布袋寅泰。当初、このアルバムをギタリズムシリーズの復活作にすることは全く考えていなかったという。何でも出来てしまう現在のコンピューターを”オモチャ”として捉え、テクノロジーを駆使するのではなく、”マシンはマシンのままで良い”という考えのもと、「構築しない」をテーマとして”デジタル・ミュージックでありながら主張するもの”を目指して制作された。また「言葉のリズム」を本作の新たな挑戦としている。また、コブクロの小渕健太郎や大沢伸一、KREVAなど数多くの日本のミュージシャンがゲスト参加している。

HOTEI Live In Japan 2019 〜GUITARHYTHM VI TOUR〜

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セットリスト

  1. Middle Of The End(From GUITARHYTHM Ⅵ)
  2. Doubt(From GUITARHYTHM Ⅵ)
  3. Shape Of Pain(From GUITARHYTHM Ⅵ)
  4. Black Goggle(From GUITARHYTHM Ⅵ)
  5. Clone(From GUITARHYTHM Ⅵ)
  6. MATERIALS(From GUITARHYTHM)
  7. GUITARHYTHM(From GUITARHYTHM)
  8. ANGEL WALTZ(From GUITARHYTHM Ⅱ)
  9. Calling You,Calling Me(From GUITARHYTHM Ⅵ)
  10. FROZEN MEMORIES(From ELECTRIC SAMURAI)
  11. Give It To The Universe(From GUITARHYTHM Ⅵ)
  12. 202X(From GUITARHYTHM Ⅵ)
  13. BAD FEELIEG(From BOØWY)
  14. BE MY BABY(From COMPLEX)
  15. C’MON EVERYBODY(From GUITARHYTHM)
  16. GLORIOUS DAYS(From GUITARHYTHM)
  17. MERRY-GO-ROUND(From GUITARHYTHM Ⅱ)
  18. LONELY★WILD(From GUITARHYTHM Ⅲ)

ENCORE

  1. 季節が君だけを変える(From BOØWY)
  2. Thanks a Lot(From BOØWY)
  3. Dreamin’(From BOØWY)
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日程

2019年6月9日(日)神奈川県 秦野市文化会館
2019年6月15日(土)宮崎県 都城市総合文化ホールMJ
2019年6月16日(日)鹿児島県 宝山ホール
2019年6月22日(土)山口県 周南市文化会館
2019年6月23日(日)兵庫県 神戸国際会館
2019年6月26日(水)新潟県 南魚沼市民会館
2019年6月29日(土)埼玉県 越谷サンシティホール
2019年6月30日(日)群馬県 ベイシア文化ホール
2019年7月6日(土)千葉県 市川市文化会館
2019年7月12日(金)神奈川県 相模女子大学グリーンホール
2019年7月15日(月・祝)富山県 オーバード・ホール
2019年7月17日(水)熊本県 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
2019年7月18日(木)長崎県 長崎ブリックホール
2019年7月21日(日)島根県 島根県芸術文化センター グラントワ
2019年7月27日(土)青森県 弘前市民会館
2019年7月28日(日)岩手県 北上市文化交流センター さくらホール
2019年8月3日(土)香川県 サンポートホール高松
2019年8月4日(日)京都府 ロームシアター京都 メインホール
2019年8月10日(土)福島県 いわき芸術文化交流館アリオス
2019年8月11日(日・祝)山形県 やまぎんホール(山形県県民会館)
2019年8月18日(日)静岡県 焼津文化会館
2019年8月23日(金)埼玉県 大宮ソニックシティ
2019年8月24日(土)愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
2019年8月29日(木)神奈川県 神奈川県民ホール

チケット情報

前売り/全席指定 ¥8,000(税込)
※3歳未満入場不可(3歳以上有料)
※お子様の会場における安全責任は、同行保護者に負っていただきます。

ツアーグッズ

HOTEI GUITARHYTHM Ⅵ TOUR 2019 “REPRISE”

日程

12月7日(土) 東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
12月8日(日) 東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
12月15日(日) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
12月20日(金) 北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)
12月22日(日) 宮城・仙台サンプラザホール
12月24日(火) 群馬・高崎芸術劇場 大劇場
12月25日(水) 群馬・高崎芸術劇場 大劇場
12月28日(土) 兵庫・神戸ワールド記念ホール

チケット情報

前売り/全席指定 ¥8,500(税込)
※3歳未満入場不可(3歳以上有料)
※お子様の会場における安全責任は、同行保護者に負っていただきます。

beat crazy チケット先行抽選受付

2019年7月11日(木)12:00 ~ 2019年7月23日(火)23:59

7月8日(月)までに入会(入金)すれば7月11日(木)12:00よりスタートする最速チケット先行販売に参加できます!

KJプレビュー(2019.02.14)

2019年2月14日19:12。
iPhone Xのバイブレーションが作動した。
コミュニケーションアプリ『LINE』にメッセージが届いている。
アプリを起動してメッセージを開く。
そこに書かれていた幾つかのワードを目にした瞬間、まさに電流が走るような衝撃と共に身震いした。

『GUITARHYTHM Ⅵ』リリースの報である。

今の時点では、やや受け止め方の難しい感情に支配されている。98%の喜びと2%の悲しさや虚しさ、とでも言おうか。後者は「またワールドリリース作品ではないのか…」という悲しさである。「せっかく拠点をロンドンへ移したのに、日本のファンに向けた作品ばかりリリースしてどうするんだ…」という虚しさである。しかし、前者は「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 」という圧倒的なまでの興奮を伴う熱狂である。

布袋寅泰のディスコグラフィーを振り返る時、やはり「GUITARHYTHMシリーズ」は別格の輝きを放っている。特にⅣまでの4作品は、自分にとっても布袋寅泰やBOØWYと出会うきっかけとなった作品であり、そして多大な影響を受けた。コピーバンドもやった。何しろ学生時代、毎日片道1時間半の通学を共に過ごした「GUITARHYTHMシリーズ」である。もはや、DNAに深く刻まれていると言っても過言ではない。否が応にでも期待は高まるというものだ。

ただ、喜びの中には期待と表裏一体の不安もあるにはある。個人的な感想になるが、Ⅴは「Ⅳまでの作品たちと肩を並べるには至らなかった」からだ。(ただし、ライブの構成は最高だった!)

「GUITARHYTHM」と銘打った作品でなければ、特筆するほど否定的な感想は無かった。コンセプトもよく練られているし、完成度は高い。もちろん嫌いなアルバムではない。けれども「GUITARHYTHMシリーズ」のナンバリングタイトルとしては、何かが違っていたように思う。

ヘビーローテションを経ても、魂に突き刺さるような痛みや柔らかく包み込まれるような安らぎのあるメッセージ、心を鷲掴みにされるような情景描写に富む波乱に満ちたストーリー、それらを乗せて届ける肉体的なビートや切なさを帯びたメロディー、そうした「GUITARHYTHM感」と感じてきたものが欠けていた印象がある。

「GUITARHYTHM」は「ギターとコンピューターの融合」をコンセプトとしながらも、当時のコンピューターの不自由さ故に「生身の人間らしさ」がより際立っていた。

率直に言えば「GUITARHYTHM」とは布袋寅泰の感性や生き様を音楽に昇華したものであり、Vにはどこかそれを感じられなかったということだ。コンピューターをオモチャにし過ぎて本質を置き去りにした「ANTI GUITARHYTHM」のように感じてしまう。更に、オープニングを含めて布袋寅泰自身が「よし、GUITARHYTHMを作ろう!」と肩に力の入った演出感が前面に出てしまっていた。日本のアーティストとのコラボレーションなどの特別な装飾も多過ぎた。

でも、GUITARHYTHMはそういうものじゃない。(何度も言うが決して嫌いなアルバムではない!)

そういう意味で『GUITARHYTHM Ⅵ』は、伝説の4作品に肩を並べることができたのか?Vの二の舞になっていないのか?それだけが不安なのだ。ただその一方で、「GUITARHYTHM」への期待や不安を語れること自体を大きな喜びだとも感じているのである。

それにしても…布袋寅泰という男は凄い。BOØWY、GUITARHYTHM、COMPLEXという自らが生み出した3つの偉大な幻影と対峙しながら、ずっと新たな作品を生み出し続けているのだから。あの氷室京介でさえ、BOØWYをあれほど全力で愛し、心底憎みながら、傷だらけになって戦い続けていた。単純計算でもその3倍の幻影が包囲網を敷いているのだから、その精神力と創作意欲には本当に脱帽するしかない。

話を元に戻すが「歌詞は森雪之丞さんなのだろうか?それとも英詞だったりするのだろうか?」とか「最新のアーティスト写真からはⅢっぽい空気感を感じるなぁ」とか「また交友関係から安易にゲストミュージシャンを連れてこないで(MIYAVIはアリだけど!)」とか、発売日までに楽しむことのできる謎はまだまだ多い。

『平成』の始まりに『GUITARHYTHM』を引っさげてソロデビューを果たした布袋寅泰。新たな元号『令和』の始まりもふたたび『GUITARHYTHM』から幕開けする。
これはもう楽しみで楽しみで仕方がない!

KJインプレッションズ(2019.6.26)

DEFINITION OF GUITARHYTHM

GUITARHYTHM?or Not?

大方の予想通り「GUITARHYTHM Ⅵ」は大いに賛否両論を呼んでいる。議論の題材は「果たして今作はGUITARHYTHMと呼べるのかどうか?」である。

「GUITAR+RHYTHM=GUITARHYTHM」

唯一の共通項は「そこにGUITARとRHYTHMがあること」だけ。そして、映画のサウンドトラックのように様々な楽曲が、1枚のアルバムという形でパッケージングされている作品。しかもそれは「1本の映画のサウンドトラックのような」というものではない。

「様々な作家の短編小説を1冊にまとめた短編集を基に創られたサウンドトラック」

とでも表現すべき、多種多様なシーンを完璧に表現する、多彩な楽曲を集めた作品。今となってはそれがⅠからⅣまでの「GUITARHYTHMシリーズ」だったように思うし、それが自分にとっての「GUITARHYTHMの定義」である。

Look Back at GUITARHYTHM V

改めて振り返ると「GUITARHYTHM Ⅴ」は、素晴らしい作品だと思うし、大好きなアルバムであることは確かだ。実際、当時はヘビーローテーションだったし、今でもよく聴いている。時代とリンクしたテーマを持っていたし、サイバーでスペイシーな世界観も気に入った。

ただ、聴けば聴くほど「GUITARHYTHMシリーズ」であることを受け容れられなくなってしまった。「GUITARHYTHMシリーズ」を順番に並べたプレイリストで聴くと「GUITARHYTHM V」は明らかに異質なもののように感じるのだ。確かにⅣからVの間には15年もの月日が流れ、音楽を取り巻くテクノロジーは大きく進化を遂げた。しかし、決して時間が空いていることだけが違和感の理由ではない。

最大の理由は、「KING & QUEEN」以降にリリースされた「After GUITARHYTHM」の作品全般に共通する、「コンセプトアルバムの色合いが強過ぎる」ことだと思う。

Before & After

ⅠからⅣまでの「GUITARHYTHMシリーズ」の楽曲は、布袋寅泰のどの作品に収録されても存在できるように感じる。事実「GUITARHYTHM FOREVER」は1作のスタジオアルバムのようにファンから愛された稀有なベストアルバムとなった。

その後「KING & QUEEN」以降に発表された「After GUITARHYTHM」作品は、コンセプトの中での完成度が高く「そのアルバムの中でこそ輝きを放つ」楽曲が非常に多いと感じる。それはアレンジの違いだけではない。実際にシングル作品以外、LIVEでもあまり演奏されていないことが、それを雄弁に物語っていると思う。

そして、ギターサウンドが明らかに前面へ出ている。確かに「ギタリストのアルバムなのだから当然」なのかもしれないが、ⅠからⅣまでの「GUITARHYTHMシリーズ」はそうではなかった。サウンドデザインに対するバランス感覚が突出して心地良かった。

それは、まだソロとしてBOØWYに匹敵する程の成功を収めていなかった布袋寅泰が「俺はただのギタリストじゃない」「俺はこんなこともできる」と自らの才能を誇示するかの如く、様々なタイプの楽曲に挑戦した時期だからなのかもしれない。

当時の布袋寅泰は、ギタリストであることと同じくらい”コンポーザーやアレンジャーとしての評価”も求めていたように思い出されるのだ。そして、実際に「GUITARHYTHMシリーズ」はその点を大いに評価された。

しかし、同じところに留まり続けることを嫌う布袋寅泰は「GUITARHYTHMシリーズ」を終えた後、シンプルに”ギタリストとしての評価”を求めるようになっていった。前面に押し出したギターサウンドと楽曲全体のバランスを保つ手段として、音を足していくことを選択するようになっていった。初めは新鮮かつ効果的だった”足し算”だが、次第に聴く者に対して”装飾過多”の印象を与えるようになっていった。

それはまるで、KO勝利を重ねているボクサーが攻撃の精度を高めたりバリエーションを増やすことに傾倒して、フットワークやディフエンスを含めたボクシングのバランスを崩していく姿に重なっていた。

おそらく、Corneliusが「ALL TIME GUEST」で布袋寅泰のギターをバラバラに解体したり、今作でギターを削ぎ落としたという逸話の理由も「そのことに気付いて欲しかったのではないか?」と邪推してしまう。「GUITARHYTHM Ⅵ」の象徴的なフレーズに沿って言えば「布袋さん、ギタリストであることから”自由になれよ”」と言っているように、自分には聞こえたのだ。

きっと、布袋寅泰自身はやりたい音楽をやってきた自負があると思う。けれども、彼が通ってきた轍の見え方は、彼自身と周りで異なるということかもしれない。そのことが際立った作品が「GUITARHYTHM VI」なのだと思う。

GUITARHYTHM VI

さて、前置きが長くなり過ぎたのだが、それでは「GUITARHYTHM Ⅵ」をどう感じたのか、にフォーカスしていきたい。

まず、作品のクオリティについては「布袋寅泰史上最高傑作」という前評判に対して、現時点では手放しで賛同できる。このアルバムを手にしてから、今もなお興奮しているし、毎日往復2時間半の通勤車内ではヘビーローテションだ。

しかし、矛盾するようだが「GUITARHYTHM史上最高傑作」かと自問自答すれば、一転して肯定はできない自分がいる。もちろん、前述のⅤよりも明らかに「GUITARHYTHMシリーズ」作品として認められることは間違いないし、同じく前述した自分なりの「GUITARHYTHMの定義」を大部分でクリアしていると思う。

ならば、何に不満なのか?

やはり「GUITARHYTHMシリーズ」の特徴である「短編集のサウンドトラック」と呼ぶべき物語や楽曲の多彩さに満足できないのだ。あくまでもギターを軸に重厚なサウンドの下で「あの日夢見たテクノロジーと人間の未来」という世界観に統一されている。「GUITARHYTHMシリーズというよりもParadox Ⅱだ」という人が多く見受けられる理由が、そこにあると思う。

短編集ではあるのだが、それは「SF短編集」という世界観に限定されている。際立ってコンセプチュアルなアルバムであるが故に、かつての「GUITARHYTHMシリーズ」らしさを感じられないということだろう。

「GUITARHYTHM」という名を課しながらも、おそらくコンポーザーとして、アレンジャーとしての才能が際立つ布袋寅泰に期待してしまうのだ。よく聴けばきちんとギターが鳴っていて様々なリズムを感じられる楽曲。様々な作家の様々なジャンルの作品がまとめられた短編集のように、色々な世界を旅するような詞。やはり「GUITARHYTHM」のナンバリングタイトルにはそれを期待してしまう。

ただ、当然だが「GUITARHYTHMとしてどうか?」だけが評価ではない。この作品で一貫して感じたことがある。それは「もしも2000年代以降のDavid Bowieの作品で布袋寅泰が自由にギターを弾かせてもらえたらこんな感じになるのかな」という感覚だ。特に「The Next Day」と同じ音の手触りを感じる。

楽曲なり何なりが似ているとか、そういう話ではない。この感覚を説明できるだけの音楽的専門知識や用語を持ち合わせておらず、上手く説明できないことが悔しい。個人的にはDavid Bowieを引き合いに出したくなるほどクオリティの高い作品だと言いたいのだ。

そして、このアルバムを「布袋寅泰の作品」たらしめているのは、やはりギターサウンドだ。David Bowieならば、これほどギターを際立たせることはないだろうし、色々な音を多用しないだろう。それは布袋寅泰のギタリストとしてのアイデンティティであり、アレンジャーとしての個性であるとも言える。

自分はどちらも好きだが、布袋寅泰の作品ならば布袋寅泰らしいものを聴きたいところだ。そういう意味では、やはり今作には大変満足している。

そう考えると「GUITARHYTHMシリーズ」のような金字塔と改めて向き合うということは、本当に大変なことなのだと感服するばかりだ。

布袋寅泰への期待

勝手なことを言えば、これから日本における活動は「GUITARHYTHMシリーズ」に専念して、とことん追求して極めてほしい。一方、海外での活動はサムライギタリストとして最先端の音やコンセプチュアルな作品を追求して極めてほしい。そして、いつかキャリアの最終盤でそれが一つになる、というストーリーは最高ではないか!?

日本国内のセールスはあまり心配しなくてもいい。自分そして多くのファンは、布袋寅泰が本気で挑んだ作品ならば、例えそれが英語詞だったとしても、完全に洋楽になっていたとしても、迷わず購入するだろう。布袋寅泰に教えてもらった、数多くの海外アーティストの作品を手にしてきたように。

むしろ、やりたいことをきちんと棲み分けた方がセールスにも好影響を及ぼすのではないかと思う。日本語で歌う作品を好きな人、世界に挑む挑戦的な楽曲を好きな人。GUITARHYTHMを好きな人。COMPLEXやBOØWYを好きな人。そして、様々な顔を持つ布袋寅泰の全てを好きな人。その全てをリリースのたびに満足させることは不可能だろうし、挑む必要性も感じない。ファンに詳細な選択肢がある時代、作品ごとにターゲットを絞っても良いと思う。

TOUR

現在、ツアー真っ最中にある布袋寅泰と「GUITARHYTHM Ⅵ」。
LIVEでどの楽曲がどのように化けるのか、それを観て聴くことは至上の楽しみである。富山公演の4階席で、自分はそれを体験することになる。正直、あまり良いとは言えない席ではある。けれども、そこが自分に与えられたステージならば、そこで踊り狂うだけだ。

久々に布袋寅泰の作品について、思いの丈を記した。2000年代の前半に「HEAVEN」というBBSで「FAKE★STAR」「F★」というハンドルネームを用いて布袋寅泰や彼のファンに向けて色々なことを書いていた時代を思い出した。ただただ懐かしかった。あの頃とは自分のバックグラウンドも様変わりしたが、あの頃と変わらずに熱狂させてくれている布袋寅泰に心から感謝したい。

また新たな作品が産み落とされるまで、今作を思う存分に楽しみながら、自分の思い出に彩られたBGMに染め抜きたいと思う。

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