米津玄師『Lemon』について!ドラマ『アンナチュラル』主題歌・紅白出場・感想など!

KJ
ドラマ『アンナチュラル』の主題歌に起用された8thシングル『Lemon』が異例のロングヒットを記録して2018年の最重要アーティストとなった米津玄師。

この記事では米津玄師を紹介するとともに、『Lemon』に対する個人的な想いなどをまとめました!

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米津玄師(よねづけんし)

プロフィール

2009年より”ハチ”名義でニコニコ動画へオリジナルのVOCALOID楽曲を投稿し始め、『マトリョシカ』『パンダヒーロー』『結ンデ開イテ羅刹ト骸』等の作品を発表。VOCALOIDシーンの中で、中毒性のあるロックサウンドで存在感を切り開いていき、日本だけでなく世界からも注目されるという、群を抜いた実績を誇る。また、イラストと映像も自身で手掛けている。ハチ名義では2010年に2枚のアルバム『花束と水葬』『OFFICIAL ORANGE』をリリース。

2011年から自身がボーカルを務める “米津玄師” としての活動を開始。アルバム『diorama』では全曲に渡り、作詞・作曲・アレンジ・プログラミング・歌唱・演奏・ミックスを自身で手掛けているのに加え、動画・アートワークも独りで制作するという、驚異の才能を見せた。2013年より生音でのレコーディング形態をとり、2枚のシングル『サンタマリア』『MAD HEAD LOVE / ポッピンアパシー』をリリース。同年、ハチ名義でも、2年9ヶ月ぶりの投稿となるVOCALOID楽曲『ドーナツホール』を発表。

以降、”米津玄師”名義と”ハチ”名義を巧みに使い分けながら、その才能を余すことなく存分に発揮して日本の音楽シーンを席巻している。

本名

米津玄師(よねづけんし)

別名義

  • ハチ:由来は姉が読んでいた矢沢あいの漫画『NANA』の主人公の一人、一ノ瀬奈々のあだ名”ハチ”より。
  • 蛙屋

生年月日

1991年3月10日(日)

星座

魚座

身長

188cm

体重

非公表

血液型

O型

学歴

  • わかくさ幼稚園
  • 徳島市立津田小学校
  • 徳島市立津田中学校
  • 徳島県立徳島商業高等学校
  • 大阪美術専門学校中退

制作活動

  • 作詞
  • 作曲
  • 編曲
  • プログラミング
  • 歌唱
  • 演奏
  • ミックス
  • 動画
  • アートワーク

受賞(アーティスト)

  • WebMoney Award 2009:enjoy. Award 2009 ダイヤモンド賞
  • SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2018:BEST MALE ARTIST
  • 第60回日本レコード大賞:特別賞
  • Billboard JAPAN 2018:年間ランキング Top Artist

8thシングル『Lemon』

収録曲

  1. Lemon
  2. クランベリーとパンケーキ
  3. Paper Flower

ジャケット

Music Video

YouTube

歌詞

うたまっぷ(米津玄師「Lemon」)

インタビュー(ORICON NEWS)

――TBS系金曜ドラマ『アンナチュラル』では、「Lemon」(3月14日にシングル発売)が主題歌に。放送後に感想をツイートしていますが、客観的に楽しめていますか?
米津玄師『これまでタイアップをやらせていただいたアニメや映画は自分にも馴染みがあったんですけど、ドラマはあまり観てこなかったんです。だから、自分の歌声がドラマから流れてくるなんて小っ恥ずかしいし、不思議な感じ。でも、手前味噌ですが、物語にとても合っていると思います。いいシーンで流してくれているので、ドラマスタッフさんの愛を感じますし、美しい作品と出会えて幸せです。』

――曲について、ドラマ側からのリクエストはあったんでしょうか?
『プロデューサーさんから、「傷ついた人たちを優しく包み込むような曲」というオーダーをいただきました。ドラマ自体が人の死を扱う内容ですが、僕も音楽を作るうえで死というものを重要視しているので、リンクする部分があって。実際に脚本や映像を観せていただいたらすごく面白かったので、“自分ならこのドラマの音楽を作れる”と確信が持てました。』

――米津さんは過去にも、死に抱く感情についてたびたび発言されていますね。
『人間は誰しも死んでしまうもの。そこから逆算しないと、力があるものは生まれてこないと僕は思っているんです。これは音楽に限ったことではなくて、例えば平昌五輪でも選手は驚異的な努力の末にメダルを獲得しましたよね。彼らの選手生命は、ものすごく短い。でも、近い将来、選手生命を終えるという“死”があるから、計り知れない情熱を注ぐ。そういった美しい瞬間やものを作るには、死に対する哲学がないと、足腰が立たないものになってしまう気がします。』

――制作はスムーズに進みましたか?
『普段、フリーダイビングのように潜って潜って深いところにあるものを拾う作り方をしているんですけど、これは結構時間がかかるんです。この曲を作っていたのは全国ツアー中で、地方公演から戻って数日深く潜ったら、また公演のために出かけるといったことを繰り返していた時期。ステージに立つ日は無理矢理にでもスイッチを切り替えていたので、ただただ疲れ果てていきました。そんなスケジュールの中、ギターで1コーラスを作り始めた頃に、僕の祖父が亡くなったんです。人の死を扱う曲を作っている時に肉親が亡くなる…これはなかなか思うところがありました。僕自身、死を見据えているつもりでいたけれど、果たして正しかったのかどうか。かなり悩んで、完成までには今まで以上に時間がかかりましたね。』

――ツアーと制作の同時進行だけでも大変なのに、集中の糸が切れてしまうことは?
『乱暴な言い方になってしまいますが、正直なところ、それどころではなかったです。でも、あやふやなものとして死を扱っていたところに、実体としての死が飛び込んできたので、考えざるを得ない部分がありました。完成したものを客観的に聴くと、ただ“あなたが死んで悲しいです”としか言ってない気がするし、プロデューサーさんからのオーダーに応えられたかはわからないけど…。最終的にはドラマサイドの方々に喜んでいただけたので、良かったと思っています。 』

――カップリングの「クランベリーとパンケーキ」は、“こんな馬鹿な歌ですいません”といった歌詞もあります。
『僕はお酒が好きなんですよ。朝まで飲んで、陽射しがガンガン入ってくる昼に気だるいなぁと思いながら二日酔いの状態で作ったのが、「クランベリーとパンケーキ」です。ものすごく僕の生活に根ざしている曲なので、歌詞は全体的によく書けたなと思います。』

――二日酔いで制作するのも悪くないなと(笑)
『(笑)。二日酔いって、完全なる無駄な時間じゃないですか。でも、無駄だと思えることがあるから、反対側にいいと思えることがある。だから、無駄なものも愛していかなければいけないと思っていて。これは今年の僕の目標になっています。やっぱり、合理的に物事を突き詰めていっても面白くないんですよね。僕の音楽は聴いてくれる人がいて、感化し合う。何をもって感化し合えるかを考えると、合理的なものの先には見つからないんです。非合理的で、ある種の矛盾をはらんでいるものこそ、いいなと思える。かといって、非合理的なことばかりやっていても仕方ないんですけどね。』

――なるほど。
『ドロドロとしたものが芯にあるから、ポップミュージックとして成り立っているところもある。合理的なものと非合理的なもののバランスなのかな、と思います。たまに、“こんな風に作ればいいんでしょ?”というものを聴くと、ポップミュージックを舐めているなって思う瞬間があるんです。実は、普遍的なものを目指そうとすればするほど大変なのに。』

――もう1曲の「Paper Flower」は、どのような思いから?

『トラックでは、今までとは違うことを、という制約のもとに、夜中に散歩しながら目に入った光景などを盛り込みました。パソコンの前で作業をしていると頭が煮えてくるときもあるので、たまに散歩をするんです。窓やベランダからその家の生活が垣間見られて、“どんな風に暮らしているのかな?”と想像したりして。以前は、一般の方が日常を書き連ねているブログを読んだりしていたし、なんでもない生活に対して興味があって。ブログって、他のSNSとは違う“個室感”があるのが面白いと思っています。 』

米津玄師の歌詞への思い、祖父の死乗り越え「果たして正しかったのかどうか」より抜粋

受賞(作品)

  • 第96回ドラマアカデミー賞:ドラマソング賞
  • MTV VMAJ 2018:最優秀ビデオ賞(Best Video of the Year)
  • MTV VMAJ 2018:最優秀邦楽男性アーティストビデオ賞(Best Male Video -Japan-)
  • 東京ドラマアウォード2018:主題歌賞

第69回紅白歌合戦出場

2018年12月31日に放送された第69回NHK紅白歌合戦に白組の20番手として出演し『Lemon』を歌唱した。紅組の対戦相手は松任谷由実。

当初、米津玄師に紅白歌合戦へ出場する予定は無く、出演交渉は難航していた。NHKが粘り強く交渉を続ける中「米津玄師の故郷である徳島からの生中継」を提案したことで、「祖父の他界から1年後となるこの12月の大晦日に、自身の故郷、そして祖父の生きていた土地・徳島でこの曲を歌う事の意味を感じることが出来た為、この度のオファーを受けさせて頂くという結論に達しました」と急遽、出演が決定した。

米津は主会場であるNHKホールではなく、郷里の徳島県鳴門市にある大塚国際美術館システィーナホールからの生中継で登場。システィーナホール内に無数のキャンドルが設置された幻想的な空間で『Lemon』をフルコーラスで歌唱し、演奏中にはダンサーの菅原小春が辻本知彦の振付によるダンスを披露した。

米津はテレビでのメディア露出が他の出演者と比較しても非常に少ないことで知られており、歌唱後にはこれまでテレビ番組の生出演がなかった米津が「この場を用意していただいたすべての方に感謝の気持ちを述べたいと思います。本当にどうもありがとうございました」と挨拶したこともあり、大きな反響を呼んだ。

視聴率はサザンオールスターズの45.3%に次ぐ44.6%を記録した。

KJインプレッションズ

ミーハーな米津玄師初心者

初めて米津玄師という名前を知ったのは2013年頃のことだ。

それ以前に「ニコニコ動画界隈を賑わせていたボーカロイドプロデューサー”ハチ”の本人名義」という知識が多少あったくらいで、あまり特に気に留めることはなかった。ちなみに、ボカロのようなテクノロジーには常に興味があったし、ニコニコ動画も視聴していたくらいなので、彼の「ボカロP」「ニコ動出身」といったバックグラウンドに対する偏見があったわけではない。

当時、30代前半だった自分にとって、この時期はとにかく仕事や恋愛に忙しく、単純に時間的にも金銭的にも「新しい何か」にまで手を広げる余力など全く無かっただけのことである。

しかし、次第に『COUNT DOWN TV』等の音楽番組で名前を目にすることが増え、少し意識して聴くと楽曲の良さにも気付き、やがて「気になる存在」になっていった。ただ、その気になり方は「カラオケでキーが合いそうなだな」というような具合で、まだまだ作品に食指が伸びるほどではなかった。

そして、2017年に4枚目のアルバム『BOOTLEG』が発売される頃には完全に「興味津々」となっており、この作品がCDショップ大賞を受賞したのを機に、初めてまともに聴いた。彼の才能を理解するには数曲で十分だった。久々に「ガツン」と心に衝動が走るのを感じたほどだ。

変幻自在のアーティスト性。米津玄師に、あの”David Bowie”の幻影を見た気がした。

以来、めでたくミーハーな米津玄師ファン初心者となったのである。

初のリアルタイム作品『Lemon』

そんな自分にとって『Lemon』は初めてリアルタイムで触れることになった米津玄師の作品である。

それはサザンオールスターズの『涙のキッス』やMr.Childrenの『innocent world』、布袋寅泰の『さらば青春の光』や椎名林檎の『ここでキスして。』のように、自分にとって大切な「初めてのリアルタイム作品」の仲間入りをした。

楽曲を聴き、歌詞を読んで、二度泣かされた作品というのは、自分の音楽体験を遡ってみても僅かしかない。最近で言えば安室奈美恵の『Finally』である。『Lemon』はまさにそんな一曲となった。もっと言えば、ミュージックビデオの解釈を知って映像でも流されているので、「初めて三度泣かされた作品」と言ってもいいかもしれない。

上記の記事にある通り『Lemon』は「大切な人との意図せぬ別れ」を歌った作品である。ドラマ『アンナチュラル』における三澄ミコトの”失った家族”に対する想いや中堂系の”殺害された恋人”糀谷夕希子に対する想い。多くの被害者家族の”理不尽な死を遂げた被害者”に対する想い。米津玄師の”制作中に亡くなった祖父”に対する想い。そうした「別れ」に対する想いが込められている。

しかし、この作品に通底する「別れ」への感情は、必ずしも”死者”に対してのみ当て嵌まるものではない。「本当に大切な人との意図しない別れ」というのは、様々な形で存在するだろう。

それは、お世話になった恩師かもしれないし、苦楽を共にした親友かもしれないし、最愛の恋人かもしれないし、複雑な関係に陥った親兄弟や子供かもしれない。或いは狂おしいほど愛し合った不倫相手、ということもあるだろう。

いずれにせよ「お互いに生きていても、今は会うことが叶わない存在」というのは誰にでも居るものだ。しかし、そうした存在への想いを吐露することはあまり無い。

この作品が多くの人々の心に届いたのは、そうした「秘めた感情」を代弁した作品だったからではないだろうか。

今でもあなたはわたしの光

この作品の世界観に於いて、最も心を打たれたのは「救いが無い」ことである。これは他の作品にも通底することだが、米津玄師は嘘をつかない。つけない。

どうしたって思い出してしまう。思い出せば思い出すほど、想いは溢れてしまう。そして、どれだけ想っていたかを思い知らされる。雨が降るように涙が止まらなくなる。

「本当に大切な人との意図せぬ別れ」と対等な救いなど、現実世界には存在しないのである。悲しみや苦しみさえ全てを愛した「あなた」の代わりなど居ないのである。忘れられるわけがない。涙が出なくならない限り、これからも「切り分けた果実の片方」のような関係性にある「あなた」を希望の「光」として生きていくしかないのだ。

ドラマ同様に、例えどんなに悲しくて苦しくて涙を流そうとも、「あなた」からも「別れ」からも逃げずに、ただ「あなた」を希望の「光」として生きていく。上を向いて歩こうとも、涙を拭いてとも、忘れようとも言わない。残酷なまでに現実的で、痛々しくて、けれどもそれこそが「生きる」ことなのだと改めて気付かせてくれる。

これまでのJ-POPではあり得なかったアプローチではあるが、むしろそれをハッキリと言い切ってくれたからこそ、ある種の救いとなって多くの人の胸に刺さったのだろう。少なくとも自分はそう受け止めた。

そして、ドラマを通じてこうも思った。もし「あなた」との別れがそれほどまでに悲しくて苦しいのなら、どんな形であれもう一度「あなた」に会えばいいのだと。

何があったのかを知ることもその一つだし、何を見て何を感じたのかを知ることもその一つだし、本当に会えるのなら会って「自分が思うより恋をしていたあなた」への想いを確かめることも一つだろう。心の涙という「雨」を降りやませるには、それしかない。

会って確かめれば、もう二度と離れないと誓えるかもしれないし、それまでが嘘だったかのようにスッと忘れてしまえるかもしれない。

『Lemon』にはスラングで”欠陥品”や”不完全な人”という意味がある。「外見からは強烈な酸味がわからない=外見が良くても中身は判断できない」ということだ。誰だってそうではないか。そして、ただでさえそうなのだから、まして切り分けたままではどうしようもないのだ。

自分に言い聞かせなければならないような「幸せ」よりも、「あなた」と共に愛した悲しみや苦しみの方が「本当の幸せ」なのかもしれない。

ドラマ『アンナチュラル』は次回作も噂されているが、その時には是非ともドラマ同様に『Lemon』の先を見せて欲しい…そんなことを思いながらこの記事を閉じることにする。



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