【試合動画】『井岡一翔 vs ドニー・ニエテス』(TBS)日本人初のボクシング4階級制覇挑戦ならずもハイレベル技術戦で評価上昇!完全版

KJ
平成最後の大みそかに、マカオでプロボクシングWBO世界スーパーフライ級王座決定戦が行われることが決定しました。

出場するのは2年ぶりに大みそかのリングに帰ってくる井岡一翔選手。去年末に電撃引退するも、今年7月に現役復帰を決意。ボクシングの本場・アメリカに拠点を置き、階級を上げて再始動していました。

9月の復帰戦では、WBC・WBO同級3位の強豪マックウイリアムズ・アローヨ選手を相手にダウンを奪うなど圧倒し3-0判定勝利。およそ1年半のブランクを感じさせないばかりか、スーパーフライ級仕様のスタイルにアップデートされた姿で完全復活を遂げました。これまでに世界3階級を制覇した日本人は井岡を含め6人いますが、4階級を制した者はいません。井岡一翔選手が日本人史上初の4階級制覇に挑みます。

そんな井岡選手の前に立ちはだかるのは、キャリアの中で最も強敵となるドニ―・ニエテス選手(フィリピン)。ここまで47戦41勝の戦績で同じく3階級を制し、世界王座合計在位はフィリピン人最長となる10年3か月。圧倒的な強さで王座に君臨してきた世界的名チャンピオンが井岡選手に襲い掛かります。両者がベルトをかけて戦うWBO世界スーパーフライ級は現在王座が空位のため、この戦いの勝者が新チャンピオンになるとともに、4階級制覇王者となります。

ドニー・ニエテス選手 vs 井岡一翔選手

Donnie Nietes vs Kazuto Ioka

  • 2018年12月31日 月曜日
  • WBO世界スーパーフライ級王座決定戦
  • 同級1位:ドニー・ニエテス(フィリピン)vs 同級3位:井岡一翔(SANKYO)
  • マカオ・WYNN PALACE(ウィンパレス)

BS-TBS 裸のアスリートII 日本人初の4階級制覇へ!井岡一翔

2018年12月29日 11時00分~11時30分放送

井岡4階級制覇へ死角!?レジェンド緊急提言

テレビ中継:TBS

『平成最後の大晦日スペシャル!SASUKE2018&ボクシング井岡一翔世界タイトルマッチ』

12月31日(月) 18時~23時55分

放送順:京口紘人選手・世界2階級制覇挑戦→SASUKE→井岡一翔選手・世界4階級制覇挑戦→SASUKE

井岡一翔選手の試合決定コメント

『記憶に残る選手にならないといけないと思ってやってきたので、日本人初めての偉業(4階級制覇)を達成したい』

実況

伊藤隆佑

解説

内藤大助
内山高志

レポーター

杉山真也
赤荻歩

記者会見(2018.11.12@フィットネスボクシングKODLAB)

井岡一翔選手のコメント

『一年の最後に試合をできるのは、ボクサーとして幸せなことだと思う。大みそかは自分にとっても特別な日。特別なリングにまた帰ってきたことは、僕自身、楽しみな気持ち。記録のかかった試合ができることは、すごくモチベーションも上がる。自分でも想像していなかった部分もあるので大きな挑戦になりますけど、もう一度チャンピオンに返り咲きたい。新たな記録を打ち立てたい』

『(対戦相手のニエテス選手は)経験があって、頭のいいスマートな選手という印象。毎回覚悟して試合に挑んでいるし、今回もこのタイトルマッチに向けて準備して、結果をつかみに行くだけ。もちろん厳しい試合になるとは思いますけど、必ず最後には結果として自分が勝つようにしたい。強い選手が集まるこの階級で自分が中心になる。しっかりと準備をして結果を残す。期待されているので、結果と内容にこだわって、簡単に言えばKOを狙って、KOできるような試合をしたい』

『9月の復帰戦は結果を求めた点では合格。ブランクもあって頭は冷静だったけど、体が緊張していると感じた。まだもっと良いパフォーマンスを発揮できるはず。(マカオは)初めてやる国で楽しみ。プラスにしてリングに上がれると思う』

『2018年は人生の中でもいろいろあった激動の1年。いろんな経験をして最後の日に4階級制覇がかかった試合ができる。その大晦日に全てを証明して、2018年を最高の年として締めくくりたい。この経験を通じてレベルアップした姿を見せたい』

内山高志氏(元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・KODLABオーナー)のコメント

『9月の試合もそうだが、初めての米国のリングで打たれることを恐れずガンガンいっていた。現役復帰で気持ちの変化もあったんじゃないか。向こうではああいうスタイルはウケるし、ボクシング自体にセンスがある。強敵なのは間違いないので、僅差の試合にはなる。階級を上げたばかりだがポイントは稼げるんじゃないかな。マカオは米国より近いし、前回よりもいいパフォーマンスができると思う。KOも期待できるよ!』

予備検診 -Post Weight In(2018.12.28@マカオボクシングハウス)

予備検診の主要結果は以下の通り。

身長
ニエテス選手:159.5cm
井岡選手:165.0cm

頸周
ニエテス選手:35.0cm
井岡選手:35.0cm

胸囲
ニエテス選手:76.0cm
井岡選手:83.0cm

リーチ
ニエテス選手:159.0cm
井岡選手:158.0cm

血圧
ニエテス選手:100/60mm/Hg
井岡選手:100/60mm/Hg

脈拍
ニエテス選手:60回/分
井岡選手:62回/分

体温
ニエテス選手:36.0℃
井岡選手:35.4℃

ドニー・ニエテス選手のコメント

『全員が問題なく検診をパスできたことに安心している。100%勝つ自信があるので、多くの人が試合を見てくれることを期待している』

井岡一翔選手のコメント

『ニエテスは「スーパーフライ」の前回イベントで控え室も一緒だった間柄。前回の試合よりいいコンディションだし、階級を上げて体重調整が楽になったということは練習内容もよくなっていると思ってほしい』

前日計量 -Weight In(2018.12.30@ウィンパレス)

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦
同級1位 3階級制覇王者 ドニー・ニエテス(フィリピン/48戦41勝23KO1敗6分)
体重:52.1kg※リミット

同級3位 3階級制覇王者 井岡一翔(SANKYO/24戦23勝13KO1敗)
体重:51.9kg

ドニー・ニエテス選手のコメント

『(トレードマークである)蛇のビザが下りなかったよ(苦笑)待ちに待った戦いに気持ちも高まっている。展開次第で倒しにいく。井岡は若くて才能があるのでファンタスティックな試合になるだろう』

井岡一翔選手のコメント

『できることは全てした。後は試合に臨むだけ、万全な状態で結果を残すだけです。4階級制覇も復帰した時の理由の1つ。挑戦ですし、決意です。新たな歴史を作りにきたし、明日はマカオで新たな歴史をつくりたい。ニエテスはスマートなボクシングをするので、前回のような気持ちだけで戦って勝てるとは思っていないがここまで来たらやるだけ。絶対に勝ちます。どんな展開になっても自信がある』

試合結果

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦
○ドニー・ニエテス(判定2―1)●井岡一翔

マカオ・ウィンパレスで行われたプロボクシングWBO世界スーパーフライ級王座決定12回戦は、同級3位の井岡一翔(29=日本)が同級1位ドニー・ニエテス(36=フィリピン)に1-2判定負けで、世界王座の4階級制覇はならなかった。井岡の通算戦績は25戦23勝13KO2敗。

昨年大みそかの現役引退表明から1年。井岡は同じ元3階級制覇王者で14年間負けのない同級1位ニエテス相手に序盤から攻勢に出て左ボディーで崩しにかかったが、両者決め手がないまま判定に持ち込まれた。

ジャッジ3人の採点は116―112、110―118、112―116で井岡の1-2判定負け。WBC&WBAミニマム級、WBAライトフライ級、WBAフライ級に続く日本人初の4階級制覇を達成はならなかった。

活動拠点を米国に移し、7月の現役復帰表明から9月に米国での世界前哨戦を挟んで辿り着いた1年8カ月ぶりの世界戦。17年5月に結婚した歌手・谷村奈南(31)との離婚を乗り越えての完全復活は来年以降に持ち越しとなった。

試合動画

両選手のコメント

勝者:ドニー・ニエテス選手のコメント

『4階級制覇できてとてもうれしい。(これまで世界戦を戦った)19戦の中でも、イオカはベストの部類に入る。イオカは強いボクサーだ。彼がうまく判断して戦法を変えていなかったら、私はKOしていただろう。左ジャブに合わせてこちらもジャブを打ち、すぐに右ストレートを打ち込んだ。ダメージはほとんどない』

『(リマッチについては)その気持ちはある。ただ、その前に他の団体のチャンピオンやローマン・ゴンサレス(帝拳/ニカラグア)やファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)、シーサケット・ソールンビサイ(タイ)らと対戦したい。ナオヤ・イノウエ?まだこの階級に上げたばかりだからこの階級で戦うよ』

敗者:井岡一翔選手のコメント

『僕が再起して見定めた目標も甘いものじゃないと分かっていました。ただ、応援してくれている方や、この試合に携わってくれた方々に申し訳ないという気持ちと、悔しい気持ちです。展開が難しかったですね。接近戦には自信があったけど、見栄えが悪かった。いつものようにペースを握ることができなかった。ニエテスは強かったです。全部を出し切った充実した気持ちはありますが、今日は僕の日ではなかったと思います』

『試合は緊迫感のあるのある展開で1ミリたりとも油断できないというか、ジャブひとつもらえないないという緊張感の中で戦っていたので難しかった。高度なゲームをしているように楽しかったけど、勝たないと何も意味はありません。自分の勝ちと信じてましたけど、倒しきれなかった自分が悪いので。単純にもっといけばよかったというのはありますけど、距離感の駆け引きとか、あの展開でもらえないというリスクを背負って、お互いにペースを握れない探り合いの中で、もっと行けば良かったですけど、行けなかったですね。思っていた以上に老獪でキャリアを感じた。ニエテスも強かったです。こういう選手とやるために海外で復帰しました。ここで戦っていくためにももう一度踏ん張らないといけないと思います』

『終わったばかりで軽はずみなことは言えない。願望としては白黒はっきりつけたい。負けたら次の無い世界なのでどうなるか分からないが、そういう日が来るような気がする。僕なりのやり方で自己証明できればいい』

『僕の目指した道はそれほどに難しいということです。期待に応えられない未熟さに歯がゆい気持ち。逆に心の中に燃えるものを感じています』

ボクシング関係者・著名人のコメント

井岡一法氏(実父・井岡ジム会長)
『僅差で勝てると思った。スピードのあるボクシングをしてほしかった。またはい上がってきてほしい』

大橋秀行氏(元WBA・WBC世界ミニマム級王者)

私見としてニエテス-井岡戦は微妙な判定だった。手数で井岡が上に見えたが、ニエテスの有効打が支持されたのだろう。久々に見た技術の攻防だった。特に互いのディフェンス力が高く、4階級制覇を狙うにふさわしい試合内容。特にニエテスが今まで見せたことがなかったタイミングの相打ちのカウンターがあり、互いにうかつに手が出せなくなってしまうシーンがあったほどだ。

あえて井岡に課題を挙げるとすれば、スーパーフライ級のパワーが少し足りなかったように見える。的確なパンチが入っていたが、ニエテスの動きは止まらなかった。もし両者がフライ級で対戦していたら、パンチを効かせられたかもしれないし、展開も変わっていただろうと想像する。

内山高志氏(元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者)

採点が割れ、小差でニエテスに敗れた井岡は、パワーの差でジャッジの支持を得られなかったという印象だ。互いに派手なパンチをもらわず、コンビネーションの応酬が多い展開になり、ほぼ互角。採点の振り分けが難しかった。僕は左ボディーなどの有効打を取り116―114で井岡につけたが、2人のジャッジはパワーで勝るニエテスの見栄えの良いパンチを選んだ。

ニエテスは井岡の左ボディーを打たせないように体を入れたり、足の置き場を変えたりするうまさがあった。強いパンチを打たせてもらえなかった井岡は、サイドに回るなどして前に出る接近戦もできるようになったが、まだスーパーフライ級の体ではなく、「階級の壁」に阻まれた。今後はパワーをつけるトレーニングをするなど、練習を改良した方がいいだろう。(内山高志ジャッジより)

長谷川穂積氏(元世界3階級制覇王者)

井岡選手はいい試合で、いいパフォーマンスだった。これまでやってきたことをすべて出した上で、そこには超えられない階級の壁があった。ニエテスは体がやわらかくうまかったということもあるが、これまでの相手のようにコンビネーションにひるんだり倒れたりせず、ボディーでも倒れなかった。

僕自身がバンタムからフェザーに上げた時に同じことを感じた。これまでと同じ打ち方でヒットしても倒れないし、相手のプレスも強く感じた。今回の井岡選手の体はしっかり絞った上でもまだ脂肪が残っていたが、僕も絞りきれない感じがあった。階級の壁を越えるには、そこで長く試合をする必要がある。

かつてメイウェザーは階級を上げる途中で足を使って負けないスタイルへと変貌した。しかし、ガードを固めてボディーで倒しにいく井岡選手は、戦い方を大きく変えにくい。4階級制覇というのはそれだけ難しい。この階級ですぐに王座を狙うなら相性のよい相手に照準を絞る必要があるが、僕は1つ下の元のフライ級で王座奪回を狙う方がいいのではないかと思う。(長谷川穂積の拳心論より)

竹原慎二氏(元WBA世界ミドル級王者)
『井岡残念どっちが勝ってもおかしくない試合じゃけど、派手なパンチを打てるか、地味なパンチの違いで負けたな』

内藤大助氏(元世界フライ級王者)
『勝利の女神がニエテスにほほ笑んだ。お互いにクリーンヒットがなく、ジャッジも難しかったと思う。お互いに顔に傷がなく、それだけハイレベルな闘いだった』

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