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WORLD BOXING SUPER SERIES
ワールドボクシングスーパーシリーズ
ワールドボクシングスーパーシリーズ(WBSS)は、元ゴールデンボーイ・プロモーションCEOのリチャード・シェイファーとドイツ人プロモーターのカレ・ザワーランドが企画し、昨年秋から始まった賞金争奪戦トーナメントである。
コンセプトは「真の世界最強は誰かを決める」というもの。現在、ボクシングの世界王座認定団体にはメジャーでもWBA、WBC、IBF、WBOの4団体が存在し、それぞれが世界王者を輩出している。しかも団体によっては世界王者の上に“スーパー王者”が存在し、本当の世界一が誰なのか非常にわかりにくい構造となっている。WBSSは「真の世界最強は誰か?」というピュアな疑問に答えるトーナメントなのである。
シーズン1は昨年9月よりクルーザー級、スーパーミドル級の各8選手で開催されている。特にクルーザー級は4団体全ての王者が揃い踏みという、最強決定戦に相応しいメンバーが揃った。両階級ともに残すは決勝戦のみとなっている。賞金総額は5千万ドル(約56億円)。各階級の優勝賞金は1千万ドル(約11億円)と超高額。そして優勝者には伝説のボクサーの名を冠した「モハメド・アリ・トロフィー」も授与される。まさに名実ともに得ることのできる最高の舞台である。
シーズン2は3階級の開催が予定され、うち2階級はバンタム級とスーパーライト級であることが明らかになっている。バンタム級も8選手で争われる予定。既に参加が決まっている4人の王者はシードされ、1回戦で各団体の世界ランク10位以内の選手と対戦。準決勝では勝ち上がってきた他団体王者と統一戦を行い、勝者が決勝へ進むことになる。
SEASONⅡ BANTAM WEIGHT TOUNAMENT
シーズンⅡ バンタム級トーナメント
SCHEDULE 日程
2018年9月〜
BOXERS 出場選手
WBA UNIFIED CHAMPION:Ryan Burnett(IRL)
WBAスーパー王者:ライアン・バーネット(英)
戦績:19戦全勝9KO
KO率:47.37%
生年月日:1992.5.21(26歳)
身長:163cm
リーチ:168cm
スタンス:オーソドックス
WBA WORLD CHAMPION:Naoya Inoue(JPN)
WBA正規王者:井上尚弥(日本)
戦績:16戦全勝14KO
KO率:87.5%
愛称:怪物(Monster)
生年月日:1993.4.10(25歳)
身長:165cm
リーチ:171cm
スタンス:オーソドックス
IBF WORLD CHAMPION:Emmanuel Rodriguez(PRI)
IBF王者:エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)
戦績:18戦全勝12KO
KO率:66.67%
愛称:マニー(Manny)
生年月日:1992.8.8(25歳)
身長:168cm
リーチ:169cm
スタン:オーソドックス
WBO WORLD CHAMPION:Zolani Tete(ZAF)
WBO王者:ゾラニ・テテ(南ア)
戦績:27勝21KO3敗
KO率:77%
愛称:最後の逸材(Last Born)
生年月日:1988.3.8(30歳)
身長:175cm
リーチ:183cm
スタンス:サウスポー
WORLD CHAMPION IN FIVE WEIGHT CLASSES:Nonito Donaire(PHI)
元世界5階級制覇王者:ノニト・ドネア(比)
戦績:38勝24KO5敗
KO率:63.16%
愛称:フィリピンの閃光(The Filipino Flash)
生年月日:1982.11.16(35歳)
身長:171cm
リーチ:173cm
スタンス:オーソドックス
Former WBA UNIFIED CHAMPION:Juan Carlos Payano(DOM)
元WBAスーパー王者:ファン・カルロス・パヤノ(度)
戦績:20勝9KO1敗
KO率:45.0%
生年月日:1984.4.12(34歳)
身長:165cm
リーチ:164cm
スタンス:サウスポー
WBA:Jason Moloney(AUS)
WBA2位:ジェイソン・マロニー(豪)
戦績:17戦全勝14KO
KO率:82.35%
生年月日:1991.1.10 (27歳)
身長:168cm
リーチ:170cm
スタンス:オーソドックス
WBA:Mikhail Aloyan(RUS)
WBA5位:ミーシャ・アロイアン(露)
戦績:4戦全勝
生年月日:1988.8.23(29歳)
身長:164cm
スタンス:サウスポー
KJインプレッション
本命:井上尚弥
対抗:エマニュエル・ロドリゲス
112秒の衝撃が全世界を駆け巡った。
WBA世界バンタム級タイトルマッチで、英国が誇る10年間無敗の王者ジェイミー・マクドネル選手に何もさせないまま、爆発的な波状攻撃で退けた”The Monster”井上尚弥選手。
この活躍を受けて英大手ブックメーカー「パディ・パワー」は最新の優勝オッズを発表。「Naoya Inoue」につけられたオッズはなんと1.62倍。2番手はIBF王者のエマニュエル・ロドリゲス選手の5倍。「11秒KO男」ことWBO王者ゾラニ・テテ選手と、WBAスーパー王者ライアン・バーネット選手は7倍で並んでいる。井上尚弥選手はまさに大本命として認められた格好だ。
世界中のファンの間でも決勝戦で井上尚弥選手とエマニュエル・ロドリゲス選手の激突を望む声は多く、トーナメントはこの二人を中心に回っていくことになりそうだ。
「黄金のバンタム」発、軽量級のメガスターへ
では、井上尚弥選手の初戦はどのようなものになるだろうか?
現時点で対戦相手は決まっていないが、無敗でWBA暫定王者に辿り着いたレイマート・ガバリョ選手との王座統一戦になる可能性が高いとみている。ガバリョ選手もまた破壊力の非常に高い選手であり、井上尚弥選手にとって初めて「打たれ強さ」を試されることになるかもしれない。但し、テクニックやスピードは明らかに井上尚弥選手が上回っており、”いつものように”何もさせないまま試合を終わらせてしまう可能性は高い。
準決勝はいよいよ他団体王者との統一戦となる。6月23日のWBC王者決定戦でナルディーヌ・ウバーリ選手がタイトルを獲得した場合、彼の1回戦はノニト・ドネア選手だと考えられている。個人的にはドネア選手がWBC王者となって、井上尚弥選手との王座統一戦になれば、まさしくスーパーファイトが見られるだろうと思う。最近はフェザー級で苦戦を強いられていたドネア選手だが、バンタム級の肉体に仕上げることができるのであれば井上尚弥選手にとって厄介な難敵になるだろう。一方で、井上尚弥選手の底知れぬ実力を引き出すことになるかもしれない。怖さもあるが、興味は尽きない。
自分としても決勝戦では井上尚弥選手とエマニュエル・ロドリゲス選手の統一戦を観たいと思うが、テテ選手やバーネット選手との試合だって観たい。非常に贅沢な悩みであ李、それを半分だけ叶えてくれるのが『WBSS』というトーナメントである。
今や優勝最有力候補に躍り出た「Naoya Inoue」の名前。「黄金のバンタム」頂上決戦から、メガスターへの階段を駆け上がろうとしている。
この記事では、メジャー団体の4王者が揃い踏みしてまさに”プロボクシング世界バンタム級頂上決戦”の様相を呈する『WBSS』について紹介していきます!