『辰吉寿以輝 vs 平島祐樹』プロ10戦目は完勝!来年はランカーと激突へ!完全版

KJ
90年代ボクシング界を牽引してきたカリスマ、辰吉丈一郎。

網膜剥離を乗り越え、WBCバンタム級のベルトを3度獲得した闘いぶりは、ボクシングファンのみならず、ゴールデンタイムのお茶の間を大いに沸かせました。

3度目のベルトを獲得した父に抱きかかえられていた寿以輝は、父の背中を追うようにボクシングを始め、2015年4月デビュー戦から6連勝と順調にキャリアを積み、A級ボクサーに昇格しました。

迎える第10戦目。2019年に東洋・日本ランキングに名を連ねる為にも、元新人王を相手に内容の伴う勝利が求められます。

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辰吉寿以輝 vs 平島祐樹

Juiki Tatsuyoshi vs Yuki Hirashima

  • 2018年12月22日 土曜日
  • 第78回ドラマチックボクシング スーパーバンタム級8回戦
  • 辰吉寿以輝(大阪帝拳) vs 平島祐樹(三松スポーツ)
  • エディオンアリーナ大阪 第2競技場(大阪府)
  • 14:00開始

チケット

前売り券(税込)

  • リングサイド-10,000円
  • 指定席 -6,000円
  • 立見 -3,000円

チケットぴあ:第78回ドラマチックボクシング

テレビ中継:日テレG+

12月22日(土) 14:00~17:00

解説

六車卓也(元WBA世界バンタム級チャンピオン大阪帝拳ジムヘッドコーチ

記者会見(2018.10.30@大阪帝拳ジム)

吉井寛会長のコメント

『12月22日、エディオンアリーナ大阪で辰吉の第10戦目が決まりました。ランカーとの対戦を探っていましたが、なかなか受けてもらえず、三松スポーツジムの平島祐樹選手とスーパーバンタム級8回戦で対戦します。西部新人王になっている選手ですし、相手に不足はないと思っています』

『いかに自分からジャブをついて、いかに主導権を握るかが、メインテーマになります』

辰吉寿以輝選手のコメント

『いつも通りです。相手の印象は特にないですね。ジャブを突いて…普通のボクシング。左を突いて足を使って、魅せられるボクシングをします。全部の面で成長はしていると思うので、いつも通りパンチをもらわずしっかり当てて倒したいです』

『早くランカーとやりたい。自分の実力が強ければ自然とできる。来年こそはランカーとできるように圧倒的に全部に上回ってボコボコにして倒します』

前日計量(2018.12.21@日本ボクシングコミッション関西事務局)

辰吉寿以輝選手(大阪帝拳)
体重:54.8kg

平島祐樹選手(三松スポーツ)
体重:55.2Kg

辰吉寿以輝選手のコメント

『いつも通り特に相手の印象はないです。練習も調子良い感じでできましたし、減量もうまくいったので、明日はぶっ倒して勝ちます』

平島祐樹選手のコメント

『練習でやれることはやってきたので、自信はいつもないんですけど、頑張って勝利を持ち帰りたいですね』

試合結果

第78回ドラマチックボクシング スーパーバンタム級8回戦
〇辰吉寿以輝(TKO 3回2分39秒)●平島祐樹

元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎の次男・寿以輝選手(22)=大阪帝拳=が、平島祐樹選手(35)=三松スポーツ=を3回2分39秒でTKO勝ちし、デビューから10連勝(7KO)を飾った。1回に2度のダウンを奪い、3回に連打を浴びせたところでレフェリーが試合を止めた。平島選手の戦績は9勝(3KO)3敗1分けとなった。

試合動画

両選手のコメント

勝者:辰吉寿以輝選手のコメント

勝者インタビュー

--さぁ、それでは見事な3ラウンドKO勝利を決めました辰吉寿以輝選手です。おめでとうございます!
『ありがとうございます』

--今日の試合、第1ラウンドから早速ダウンを奪いました。内容を振り返っていただけますか?
『そうですね、「倒れたことない」って聞いてたんで、まぁ、早めに倒せたのは嬉しいと思います』

--今日の試合、いろいろな課題を持って挑まれたと思います。どんな課題を持って挑まれたんですか?
『ホンマやったらもっと軽くまとめて、足使ってっていうんやったんですけど、まだまだなんで。練習します』

--そんな中、相手の平島選手も3ラウンドまで粘って、どんな選手でしたか?
『すごい気持ちの強い選手やと思います。強かったです』

--さぁそして、今年2018年は辰吉選手にとっていろいろありました。どんな思いを持ってこの1年間過ごしてきましたか?
『そうですね、まぁ這い上がるために過ごしてきた1年ですね。はい』

--左をテーマにした時期もありました。この1年で自身が1番成長したという部分、どんなところでしょう?
『前よりかは左を使えるようになったかなぁと思ったんで。そこですよね』

--さぁそして寿以輝さん、明後日は奥様との2回目の結婚記念日ですね。おめでとうございます。
『ありがとうございます』

--普段支えてくださっている奥様にどんな一言をかけたいですか?
『一言ですか!?えぇー…あんま無いっすねぇ…やっぱ無いっすねぇ…それは家で。家で言います。はい。自宅の方で』

--さぁそれでは寿以輝さん、改めてファンに向けて「2019年どんな1年にしたいか」お願いします。
『来年こそランカーとかとやれるようにもっと強くなるんで、応援よろしくお願いします!』

--おめでとうございます。これからも活躍楽しみにしています。辰吉寿以輝選手でした!
『ありがとうございました!』

試合後会見

『今年最後の試合やったし、勝ててよかったです。相手も倒れたことがないって聞いたので意識していた。死にもの狂いできたけど、倒せて勝てたのはよかった。前よりは、おもろい試合は見せられたかな。(右のカウンターは)ずっと練習してきているパンチ。手応えがあった。体は強くなったと思う。アトントレーナーとやってきた体幹、筋トレなどの成果。少しは成長したなという気がする。』

『特に焦るつもりもないですが、来年はしっかりランカーに勝ってランキングに入りたいです。(タイトル挑戦は)ランキングにも入っていない人間が、そんなこと口にするのはチャンピオンに失礼』

敗者:平島祐樹選手のコメント

『悔しいの一言ですね。最初のダウンはそこまで効いている感覚もなかったのですが…。ダメでした。楽しかったけど、やっぱ悔しいです。』

『辰吉君は強かったです。辰吉君の左はスピードがあったし、パンチが硬いんです。何が起きたかわからなかった。足を使おうと思ったけれど使えなかった。左が速くて合わすことができなかった』

ボクシング関係者コメント

辰吉丈一郎選手(元WBC世界バンタム級王者)

TV インタビュー

--丈一郎さん
『あいよ!』

--寿以輝選手の10戦目が終わりました。どうですか?
『今日で10戦目やもんねぇ。うーん。親が言うのもなんやけど、大したもんやねぇ。うーん。なんやかんや周りが言うと思いますけど、本人は本人でいろんな形を背負ってね、苦しいとは思うんやけど、でも自分の行く道を行ってるかと思うと安心やね』

--寿以輝選手にとって2019年、来年ですね、いよいよもっとハードル、階段を上がっていきたい年にしたいですね?
『それは寿以輝に聞いて。俺に言われても。俺には俺の道があるから。俺はなんとか自分の、どうにかカムバックすること考えてるから。現役なんで。引退はしてません(笑み)』

--(笑)はい、ありがとうございました。
『皆さん、待っててください。乞うご期待!』

囲み取材

『左は良かった。少しは成長してきたかな。辰吉のブランドと戦うのはしんどいと思うが』

『相手には申し訳ないけど、あそこまで追い込んだんだから1ラウンドで仕留めないと、いたぶるみたいでかわいそう。不満というより、どんくさい。良い右は打つけど、後の祭りで、ああいう試合をするとぶさいくに見える。こぢんまりとしておもろない。プロは内容が問われるやん?勝ち方にも意味があるやん?』

『まとめることが足りひん。こういうパターンなら倒せる、このパターンなら誰も勝てへんっていう得意パターンを作らないと。バラバラやもん。4回戦のボクサーと変わらんよ。このパターンが好き、とファンに言わせないと。あれじゃあ誰も勝てんと。そういう「これ」いうもんが欲しい。マイク・タイソンのあのパンチみたいな。派手なパターン。それを持っていないと上へ行けないやん。パターンを作ったら、相手に覚えられるかもしれんが、それを上回ることをやると、手に負えないようになるやん』

『ボディを恐れて、そこを警戒するからワンツーが当たる。ワンツーをガードしようとしてきたら、今度は、ボディが当たる。連打はできているが、コンビ(ネーション)ができていない。連打とコンビは違う。連打ならクリンチされるが、コンビにはクリンチができない』

『本音で言えば、もっと左の使いようがあったやろ。左がまだ少ない。確かに前に比べてれば増えたけど、そういう素人のレベルの話とちゃうからね。上へ行くためには、もっと左を使わんと。寿以輝は、追う足がないから、あれじゃあ足を使われたら逃げられる。でも左を使えば自分の足が動くんよ』

『今はまだ辰吉の名前だけで来ている。強くはなっているが、ファンを喜ばせてなんぼ。練習を見ているから、知っているよ。プロとしては、まあまあの出来かもしれんけど、プロボクシングは客商売やんか。客が今日の試合を見て納得する?せんやろ。プロとしては失格じゃないけど、ちょっと惜しいなあ。厳しいことを言っているわけとちゃうよ。同じKOをするにしても、もっとできるやん、ということやん』

『今のままなら(タイトル挑戦の)資格はない』

『まあ勝ったから次がある。負けたら終わりやから、そこは良かったやん。ええクリスマスと、正月を迎えることができるんで、良かったよ』

吉井寛(大阪帝拳ジム会長)

『一応、課題はクリアしたね。及第点。自分から前に出たし左も使えた。多少なりともメリハリもつけたし、皆さんが納得いく形で成長はしていると思う。練習で出せているものが試合で出せるようになってきた。まだフェイントを使うとか、ボディからのコンビネーションを見せるとか、次の課題は残っているが、集中力が出てきたね。まぁ、成長も見られたしプロらしくなってきたと思う。今日の試合は合格やないかな』

『来年はランカーに挑戦させたい。最高なんは日本ランカー。1日も早くランキング入りさせたい。(来年中のタイトル挑戦も?)もちろん。』

六車卓也(元WBA世界バンタム級チャンピオン大阪帝拳ジムヘッドコーチ

『出だしから力まず良いパンチが出たと思いますね。自分でも言ってたようにスムーズにジャブが出たということなんで、良い立ち上がりからの流れで倒せた。問題ない試合ですね』

『ランキングに入ってないんですけども、ランカーというよりも来年はタイトルに挑戦してほしいですけどね。それくらいもう、ホップステップジャンプじゃないですけど、飛び越えていけるくらいに、一気に成長してほしいですね。良い、練習熱心な選手です』

アリチュエル・アトン・レチェル(大阪帝拳ジム・辰吉担当トレーナー)

『もう少しコンビネーションを出すことができたらよかったと思う。すごいスピードで成長しているのは間違いない。これからも練習を頑張っていく』

松尾友徳(三松スポーツジム会長)

『もっと左のスピードが無いと思っていたんだけど、スピードがあった。1ラウンドから3ラウンドまで試合を作れればなんとか勝てると思っていたんだけどね』

『一度もダウンしたことのない平島を倒すんだから、間違いなく日本ランカーレベルにはある』

KJインプレッションズ

過去最高の試合

辰吉寿以輝選手にとって、節目となる10戦目の試合が終わった。3ラウンドTKO勝利。過去最高の試合だったと思う。

この1年の伸び率は目覚しいものがあったと思う。こう言っては失礼かもしれないが、ようやくプロボクサーらしい動きになってきたなと感じるのである。

まず、何よりも左ジャブをスムーズに出せるようになってきたことは大きい。余計な力が抜けてスピードも乗り、他のパンチへ繋げられる柔軟性も感じられた。そしてこの左ジャブによって、相手をよく見ながら試合をコントロールする余裕も僅かながら出てきたように感じられた。これは非常に大きな前進である。

一方で、左ジャブの後が続かないという課題も見えてきた。やはり、ボクシングの引き出しがまだまだ少ない。せっかく試合の主導権を握れそうになりながらも「仕留め方がわからない」といった状態である。まさに「トドメをささずにいたぶる」と言う表現が合う。

この試合で見せた右のカウンターは大きな武器となる可能性を秘めている。けれども、せっかくパンチ力があるのに受身に回るだけではもったいない。これからは「自ら攻め入って倒しきる」流れ、コンビネーションを身に付ける必要がある。また、行くべきところで行ききれないせいで、ディフェンスも中途半端になっている。相手の反撃の圧力を攻撃だけでは止められなくなった時に、下がるのか、外すのか、ガードするのか。その判断が曖昧で、必ず相手のパンチを何発か貰ってしまっている。より強い相手と対峙する今後は、その一瞬が命取りとなる。

課題をこなす努力型の天才

攻撃の「コンビネーション」と防御の「瞬時の判断」は来年に向けて大きな課題となる。ただ、寿以輝選手がこれまで見せてきた結果を考えると、少し楽観的に考えても良いのかもしれない。寿以輝選手は”努力型の天才”だと思えるようになってきた。

アマチュアボクシングの経験どころか、他のスポーツの経験すらほとんど無いままプロボクシングの世界に飛び込んで、ここまで10戦10勝7KO。それがジム側の慎重なマッチメークによるものだったとしても、大したものである。正直、一時の大阪帝拳ジム所属選手のゴタゴタで先行きが怪しくなった時には、他の選手と同様に「思いきって東京の帝拳ジムへ移籍した方が良いのではないか?」と思ったこともあった。しかし、これだけ明確な課題と伸び代を持っていて、本人は練習熱心なのだから、父親や六車ヘッドコーチの元で練習していけば、しっかり成長できると思えるようになってきた。

簡単に身を結ぶような課題ではないが、これからも焦らず地道に練習に励んでいってほしい。タイトルへの挑戦は「満を持して」の形になるまでは無理をしなくて良い。

焦るな、日本テレビ!

山中慎介選手の引退で看板選手を失った日本テレビが「日本初の親子世界王者誕生」を煽り始めているが、そうした周囲の雑音に惑わされることもなく着実な歩みを期待する。このまま順調にキャリアを重ねて、ローカルタイトルを獲得しつつ実力も積み上げたとして、世界初挑戦が真に現実味を帯びてくるのは16〜20戦目、2020年後半から2021年になるだろう。25歳前後、これからピークを迎える良い時期だ。しかし、その頃には同じスーパーバンタム級に井上尚弥選手が君臨している可能性は非常に高いと見る。大阪帝拳ジムが「それをどう考えるのか?」という点は興味深い。

個人的に寿以輝選手の現在の適正階級は、バンタム級なのではないか?と考える。「父親の階級」というのは関係ない。寿以輝選手にはまだ減量の余地があるように見受けられるし、パワーをより活かすこともできる。ただ「井上尚弥選手から逃げる」形になるのは本人も辰吉家も絶対に嫌だろう。井上尚弥選手から逃げない決断をするのなら、ますますトレーニングや練習に励んで欲しい。全ての甘えを断ち切って、どこまでもストイックに研鑽しても勝てるかどうかわからない相手だ。

本人の進化に繋がるのであれば敗北も辞さない覚悟で「良いマッチメイク」をしていって欲しい。決して楽な道を歩まず、忍耐強く歩みを進めていって欲しい。

辰吉節、今なお健在!

それにしても…辰吉丈一郎選手である。試合後のテレビインタビューを見て、思わず椅子から転げ落ちそうになった(比喩・笑)

現役を貫いているだけではなく、前進することを諦めない。その姿勢はまだまだ見習うべきことが多いと感じる次第である。これだけ寿以輝選手のボクシングを的確に論評できるのだから、自身の現実もしっかりと理解していることだろう。それでも現役を続け、カムバックを追い求めているのだから、むしろ1戦だけでも見てみたい気持ちにさせられる。

練習する姿を見た人は、ボクシングの練習に励む姿勢に感嘆しながらも、口を揃えて「復帰は難しい」と言う。かつてほど揺れることのなくなったサンドバッグを見て、寂しさを覚えるようだ。呂律の回らない喋りに、悲しさを感じるようだ。けれども「辰吉丈一郎選手ならば試合で魅せてくれるのではないか?」という気持ちを、往年のファンならばどうしても持ってしまうだろう。息子の応援はするが、辰吉丈一郎選手に見る夢を託せるわけではないのである。

東京五輪に辰吉丈一郎を!

個人的には、いっそ東京五輪出場と金メダルを目指してみてはどうかと思うのだが。ヘッドギアがあればやる方にも見る方にも安心感はある。そして、ベテランの技術を駆使して戦うのにアマチュアボクシングのリングは合っている。何よりもこれでダメならファンも納得できる。

アマチュアボクシングは現在、五輪競技の資格を失いそうになっている。しかし、辰吉丈一郎選手が目指すとなれば、少なくとも日本国内における話題性は十分である。良いアイデアだと思うが、実現の可能性は低いだろうか?

井上尚弥・拓真は兄弟で「世界バンタム級主要4団体同時制覇」を目指しているが、辰吉家も「日本初の親子世界王者」だけでなく、2020年に「親子アマ金メダル&プロ世界タイトル同時制覇」の偉業を目指して欲しい…などという夢を見たくなる、年末の試合だった。



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