F1『レッドブル・ホンダ』誕生!

KJ
ホンダが2019年シーズンからレッドブル・レーシングとスクーデリア・トロ・ロッソの2チームにF1パワーユニットを供給することを発表しました!レッドブル・グループとホンダの強力なタッグは、日本のモータースポーツ界を変えてしまうくらいの可能性を秘めています!

この記事では『アストンマーティン・レッドブル・ホンダ』誕生の軌跡や今後の展望についてまとめました!

F1 2019シーズン:アストンマーティン・レッドブル・ホンダ発表

広報発表

Red Bull RacingへのF1パワーユニット供給に合意

Hondaは、FIAフォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)において、Red Bull Group(レッドブル・グループ)と、Red Bull Racing(レッドブル・レーシング)に対する2019年シーズンから2年間のパワーユニット(以下、PU)供給について合意いたしました。

これによりHondaは、2018年シーズンからPUを供給している、同じくレッドブル・グループ傘下のScuderia Toro Rosso (スクーデリア トロ・ロッソ 以下、トロ・ロッソ)、そして今回合意に達したレッドブル・レーシングの2チームに対して同一仕様のPUを同じ体制で供給し、2019年シーズンを戦います。

※Fédération Internationale de l’Automobile(国際自動車連盟)の略称

本田技研工業株式会社 代表取締役社長 八郷隆弘のコメント
「2018年シーズンからパートナーシップを開始したトロ・ロッソに加え、2019年からは新たなパートナーとして、アストンマーティン・レッドブル・レーシングを迎えることになりました。来季は2チームへPUを供給することで、より多くのデータ収集が可能となり、開発のスピードアップに繋げることができます。また、なによりもレッドブル・レーシング、トロ・ロッソ、両チームと強力なパートナーシップを築くことにより、我々の目標である勝利へさらに近づくことができると思っています。
今回の契約は非常に短い期間で決定しましたが、2つのチームとHondaが対等となるパートナーシップの締結に際し、レッドブル・グループの我々に対するオープンかつ公平な姿勢に感謝しています。
また、いつも熱い応援をいただいているファンの皆様には、我々の新たな挑戦にさらなるご声援をよろしくお願い申し上げます」

レッドブル モータースポーツアドバイザー ヘルムート・マルコ氏のコメント
「今回のレッドブル・グループとHondaのパートナーシップ締結は、Red Bull Technology(レッドブル・テクノロジー)により統括される2つのF1チーム、レッドブル・レーシングとトロ・ロッソにとって、新たな時代の幕開けと言えます。
また、ここまでHondaが見せてきた努力と進歩、そして我々とも通じる部分が多い勝利に対する信念は、素晴らしいものだと感じています。
来季は3者が強く結びつく形でシーズンを戦うことになりますが、Hondaと一緒に仕事をすることを、非常に楽しみにしています」

アストンマーティン・レッドブル・レーシング チーム代表 クリスティアン・ホーナー氏のコメント
「今回締結したHondaとの2年契約は、アストンマーティン・レッドブル・レーシングにとって、チャンピオンシップタイトルの獲得に向けた、エキサイティングなステージの幕開けを意味しています。
このような決断を下すとき、我々の判断基準は一つしかありません。『この決定がより高いレベルでのパフォーマンスに結びつくか否か』です。ここまで慎重に分析と検討を重ねてきましたが、今はHondaとのパートナーシップ締結こそがチームを正しい方向に導くものだと確信しています。
Hondaが今年、我々の姉妹チームであるトロ・ロッソと一緒に見せている進歩のスピードは印象的で、彼らがF1で目指しているゴールは、我々の目標と同じだとも感じています。来年Hondaと一緒に仕事ができることを非常に楽しみにしていますし、ともにF1の頂点を目指します」

山本モータースポーツ部長インタビュー「Red Bullとの契約にあたり」

Hondaは、2019年シーズンよりAston Martin Red Bull RacingとScuderia Toro Rossoの2チームにPUを供給することを発表しました。Hondaが2チームにPUを供給するのは、2015年にF1に復帰して以来初めてのことです。

バーレーンGPでは4位に入り、先週のカナダGPでも力強い走りを見せるなど、今シーズンから始まったToro Rossoとのパートナーシップは、これまでのところポジティブな結果を残しています。2019年シーズンからは、そこにRed Bull Racingとのパートナーシップが加わります。このパートナーシップに関して、Hondaモータースポーツ部長の山本雅史は以下のように説明します。

「これまでToro Rossoとの関連でヘルムート・マルコ氏と話す機会は何度もあったので、『いつか一緒にやりたいね』という話はどちらからともなく出てきていました」

「来季に向けては各チームともに既に準備を始めている段階だと思いますので、我々としてもRed Bull Racingと一緒に、できるだけ早く車体とのマッチングなどの開発を開始します。昨年のToro Rossoとのパートナーシップ決定時よりも時間的な余裕はあるものの、それでもタイミングとしてはギリギリだと考えていますので、コミュニケーションよくプロジェクトを進めていかなくてはなりません」

Red Bullグループが2つのチームを所有しており、Red Bull Racingのほうが人員や予算規模も大きいことから、そちらがワークスになると見る向きもあります。しかし山本は、今回は必ずしもそうではないと語ります。

「来年からはRed Bull Racing、Toro Rossoの2チームに、レギュレーションに沿って同仕様のPUを供給することとなります。我々PUマニュファクチュラーからすると、これまでのように供給先チームをワークス/カスタマーと定義づける考え方は、それぞれに同一PUを供給しなくてはならないという現行レギュレーションを考慮すると成立しないと思っています」

「そういった意味でも今回の契約は、Red Bull Racing、Toro Rosso、そしてHondaの三者がイコールになるようなパートナーシップだと考えています。今年からパートナーシップを組んでいるToro Rossoも同様ですが、今回の契約交渉を通し、Red BullグループがHondaという会社に対して非常にリスペクトを払ってくれていることを強く感じました。F1では過去3年間、我々はなかなか思うような成績を出すことができずに苦しんできたわけですが、そのような状況にあっても、Hondaとのパートナーシップに可能性を見出し、真摯な姿勢で交渉に臨んでくれたことにとても感謝しています」

「なによりうれしかったのは、『どうやったら一緒に勝てるか』と言うことが、どんなときも議論の中心にあったことです。Toro Rossoも含めて、本当に純粋なレーシングチームだと感じています」

「具体的な契約内容については公表できませんが、内容は非常にフェアなものですし、我々としてもそういった彼らの期待やリスペクトに応えられるよう、全力で開発やその他の準備に取り組んでいきます」

Hondaが2チームとパートナーシップを結ぶのは、2015年にF1に復帰してから初めてのことですが、PUの供給先を増やすことは今シーズンが始まる前から検討されていました。そしてミルトンキーンズにあるHondaとRed Bull Racingのファクトリーは距離的にも近いことから、山本は今回のパートナーシップはスムーズに進むと考えています。

「2015年の復帰以降では初めてのチャレンジになりますが、元々は今シーズンからの2チーム供給を計画していた部分もあり、組織的にはある程度のベースがあります。また、Red Bull RacingとToro Rossoに関係性があるために、チームとのコミュニケーションの部分において、Honda側の人員配置をスリム化できるというメリットも感じています。ただ、まだ組織や人員配置などで課題を残す部分はありますし、Red Bull Racing、Toro Rossoとも話をしながら急ピッチで準備を進めます」

「地理的に互いの拠点が近いということはコミュニケーションの観点で大きなアドバンテージになります。さまざまなコミュニケーション技術が進んだいまの時代でも、顔と顔を合わせて議論を重ねることは非常に重要で、そのようにして導かれる結論は、より効果の高いものになると考えています」

これまで数々の成功を収めてきたチームとパートナーシップを組むことは、Hondaにとって前向きなステップになりますが、それが現在共にチャレンジを続けるToro Rossoとの関係を損ねることはありませんし、今シーズンの戦いに影響をあたえることもありません。Red Bull Racingと新たにパートナーシップを結ぶことは、現在のパートナーであるToro Rossoにもポジティブな影響があると山本は考えます。

「基本的には現在の我々とToro Rossoの関係性に変化はありません。ただ、レギュレーションの範囲内でRed Bull Racing、Toro Rosso、Hondaの三者で最大限にシナジー効果を出せるよう、プロジェクトを進めていきたいと思っています」

「Toro Rossoとは、第2戦でいきなり4位という結果を得られましたが、その後はアップダウンが続いています。我々のマシンとサーキットとの相性や、ライバルの動向によって大きく結果が変わる状況で、その意味ではファンの皆さんも、レースをしている我々にとっても面白いシーズンになっていると思っています」

「さらなる進歩に向けて開発を続けていますし、4位という結果以上のものをこの先で得られればと考えています」

Toro Rossoと見せてきた確実な進歩が、Red Bull Racingが新たなパートナーを選ぶ際の決め手の一つでした。Red Bull Racingは今シーズンもすでに何勝かしていますし、来年の目標はさらに高いものになるでしょう。

「ご存知の通り、過去にいくつもタイトルを取ってきているチームで、ここ数年もコンスタントに勝ち続けているチームです。シャシー性能が優れていることはだれの目にも明らかですし、勝利に向けた可能性が高くなるという点では、我々Hondaにとっては大きなチャンスです。プロジェクトに関わる全てのメンバーのモチベーションがこれまで以上に上がると思っていますが、同時に大きなプレッシャーや責任を伴うことも事実です」

「ただ、高い目標に向けてチャレンジを続けてこそのHondaですし、それがF1に挑戦を続ける理由だと思っています」

「まずは今のレベルからRed Bull Racingのパフォーマンスを下げることになってはいけないというのが我々の最初の、そして最低限の目標ですが、その先の大きなゴールはさらに高いところにあると思っています」

HONDA POWER FROM 2019

The Team is proud to announce that it has reached an agreement with Honda Motor Co Ltd to race with the Japanese manufacturer’s power units for the 2019 and 2020 Formula 1 seasons.

Team Principal Christian Horner said: “This multi-year agreement with Honda signals the start of an exciting new phase in Aston Martin Red Bull Racing’s efforts to compete not just for grand prix wins but for what is always our goal – championship titles.

“We have always taken decisions such as this dispassionately and with only one criteria in mind – do we believe the outcome will allow us to compete at a higher level. After careful consideration and evaluation we are certain this partnership with Honda is the right direction for the Team.” He added: “We have been impressed by Honda’s commitment to F1, by the rapid steps they have made in recent times with our sister team Scuderia Toro Rosso, and by the scope of their ambition, which matches our own. We look forward to working with Honda in the coming years and to racing together in pursuit of F1’s biggest prizes.”

The Team will continue to race under the name of Aston Martin Red Bull Racing.

Takahiro Hachigo, President & Representative Director of Honda Motor Co., Ltd. said: “Having established a good relationship with Scuderia Toro Rosso, we have decided to extend our Formula 1 involvement to the other team in the Red Bull family, Aston Martin Red Bull Racing, as from the 2019 season. Having two teams means we can access twice as much data as previously. We believe that working with both Toro Rosso and Red Bull Racing will allow us to get closer to our goal of winning races and championships, building two strong partnerships. Discussions proceeded very quickly, thanks to Red Bull’s open and respectful attitude towards Honda, leading to a deal that is fair and equitable for all parties.”

Our partnership with Honda deepens Red Bull’s collaboration with the Japanese manufacturer, which in 2018 entered into a partnership with Scuderia Toro Rosso. Red Bull and Honda have already enjoyed success together in motorsport on both four and two wheels.

“Honda’s alignment with both Red Bull Formula 1 teams provides enormous potential,” Christian Horner said. “Honda will have access to a wealth of data from both outfits, with Aston Martin Red Bull Racing leading the way, and the opportunities for faster, more effective and more competitive development are doubled.”

With this announcement, the 2018 season brings to an end the Team’s 12-year relationship with current power unit supplier Renault.

The Team first used Renault power in 2007 and during F1’s V8 engine era the partnership yielded 47 grand prix victories and eight world championship titles (four Drivers’ and four Constructors’) between 2010 and 2013, and a further ten grand prix victories since then.

Commenting on the team’s time with Renault, Christian Horner added: “We would like to thank Renault for the past 12 years, a period during which we experienced some incredible moments together. We have sometimes had our differences but Renault has always worked tirelessly and to the best of its ability to provide us with a competitive power unit. That is still the case today and we would like to thank the Renault team, and particularly the guys in our garage at every race, for their unstinting commitment and we look forward to ending our partnership on a high come the end of this season. Our focus for the rest of this year is still very much on delivering the best results possible in the 2018 Championship and we wish Renault Sport all the best for the future.”

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ASTON MARTIN Red Bull RACING
アストンマーティン・レッドブル・レーシング

チーム

  • エントリー名:アストンマーティン・レッドブル・レーシング(ASTON MARTIN Red Bull RACING)
  • チーム国籍:オーストリア共和国
  • チーム本拠地:イギリス バッキンガムシャー州ミルトン・キーンズ
  • オーナー:ディートリヒ・マテシッツ
  • チーム代表:クリスティアン・ホーナー
  • アドバイザー:ヘルムート・マルコ
  • チーフテクニカルオフィサー:エイドリアン・ニューウェイ
  • テクニカルディレクター:ピエール・ワシェ

成績

  • デビュー:2005年第1戦オーストラリアGP
  • 活動年:2005年~
  • コンストラクターズタイトル:4
  • ドライバーズタイトル:4
  • 勝利数:55(初優勝:2009年第3戦中国GP)
  • PP獲得数:58(初PP:2009年第3戦中国GP)
  • ファステストラップ:54

アストンマーティンとの関係

2016年3月17日、レッドブルとアストンマーティンが“イノベーション・パートナーシップ”契約を結び、次世代のハイパーカーを共同製作することを発表。

この契約によってレッドブルのチーフテクニカルオフィサー、エイドリアン・ニューエイは、アストンマーティンのチーフクリエイティブオフィサー、マレック・レイチマンと協力し、“プロジェクトAM-RB 001”というコードネームのハイパーカー製作に着手。翌年、このハイパーカーは『ヴァルキリー(VALKYRIE)』として発表された。

また、このコラボレーションを記念してRB12とRB13にはアストンマーティンの文字がサイドポッド後方に記され、ロゴがノーズに飾られた。

この契約を一歩進める形で、2018年からのタイトルパートナー契約を締結。2018年よりチームの正式名称は『アストンマーティン・レッドブル・レーシング』に変更された。

このパートナーシップの一環としてミルトンキーンズのファクトリー敷地内に「アドバンスド・パフォーマンス・センター」という施設が作られ、現在110人のアストンマーティンのデザインおよびエンジニアリングスタッフが「レッドブル・アドバンスド・テクノロジーズ」と協力し、『ヴァルキリー(VALKYRIE)』の後継モデルの製作にあたっている。

今回のホンダとの提携によって、アストンマーティンとの関係がどうなるか注目を集めていたが、レッドブル・レーシングはリリースの中で「今後もアストンマーティン・レッドブル・レーシングの名称でレース活動を続ける」と述べており、期間は明言していないものの、アストンマーティンとのタイトルスポンサー契約を継続する意向を示した。

ホンダとしては『NSX』がアストンマーティンの『ヴァルキリー(VALKYRIE)』と車格や価格帯で競合する為、取締役会に於いてタイトルスポンサー契約を買い取ることも議論されたようではある。しかし、数十億という莫大な費用がかかる為に断念した模様だ。

ちなみに、カスタマー契約の場合を除いてパワーユニットに『TAGホイヤー』のバッジを付けることを認めないことは契約条件となっているようだ。

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2019マシン:RB15

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2019ドライバー

33 マックス・フェルスタッペン

10 ピエール・ガスリー

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KJインプレッション

4年越しの恋


遂に、2019年レッドブル・ホンダ誕生の吉報が届けられた。

厳密に言えば、現時点ではまだ「契約完了」ではなく「基本合意」の段階であることが伺え、これから細部に渡る契約内容の詰めとサインを行う必要があると考えられる。しかし、これから昨年のザウバーとのようなこと(=白紙撤回)が起こる可能性は極めて低いだろう。

ホンダのレッドブルとの最初の交渉は、実に2014年まで遡る。2015年からマクラーレンとのパートナーシップによるF1復帰を控えていたホンダは、同じミルトンキーンズに拠点を置くレッドブルとの間でもパワーユニットのカスタマー供給に関する交渉を進めていた。当時、ルノーとの関係が破綻していたレッドブル側もメルセデスやフェラーリからパワーユニット供給を断られており、ホンダとの交渉は非常に真剣なものであった。しかし、当時のマクラーレン代表だったロン・デニスがこれに拒否権を発動し、レッドブル・ホンダが実現することはなかった。

2015年には、翌年のパワーユニット契約を失ったトロ・ロッソとの間で供給交渉が始まった。水面下では一時、マシン開発を進めるために図面上のやりとりまで含めたコミュニケーションさえ行なわれるほど、話し合いは進行していた。ところが、一向に性能と信頼性が向上しないホンダを待ちきれなくなってしまったトロ・ロッソは、2015年型フェラーリ製パワーユニットを搭載することを決め、またもやホンダのカスタマー供給は実現しなかった。

ただ、それ以降もレッドブルはホンダに対してトロ・ロッソへのパワーユニット供給を再三に渡って要請していたようだ。しかし、2016年はマクラーレンとの関係に不協和音が鳴り響き、一度は基本合意に達したザウバーとの交渉もザウバー側の体制変更により先行きが不透明になるなど、ホンダを取り巻く状況は厳しさを増す一方であった。そして、ホンダはマクラーレンとの関係修復に全力を注ぐべく、8月の時点で一度はレッドブルからのオファーを完全に断った。しかし、いよいよマクラーレンとの破局が決定的になると、ホンダはFIAやFOMの仲裁を受け入れてトロ・ロッソへのパワーユニット供給先変更を了承。不本意な形ながらも、トロ・ロッソ・ホンダが誕生した。

交渉を担当したレッドブルのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコとホンダの山本雅史モータースポーツ部長は、この間に信頼の度合いを深めており、両者の間ではレッドブルとホンダの提携は既定路線として意識されるようになっていったようである。

ところが、レッドブル本社の意向を受けるヘルムート・マルコに絶大な信頼を寄せるレッドブル・レーシングであっても、性能・信頼性ともに現在のルノー製パワーユニットにも劣るホンダとの提携には懐疑的であり、クリスティアン・ホーナー代表やエイドリアン・ニューウェイらチーム側の首脳陣はあまり乗り気ではなかったようだ。

しかし、モナコGPに来場したホンダ首脳陣との直接的なコミュニケーションにより態度を軟化させたチーム側は、次のカナダGPに投入されたホンダの最新パワーユニット”スペック2″のポテンシャルを確認したことで急速にホンダとの提携に傾いたようである。本来はフランスGPで得られた追加データを基に最終決定を下し、レッドブルのホームレースとなるオーストリアGPで正式発表を行う予定であったが、ルノー側からの最後通告もあり、このタイミングでの急転直下の発表となったようだ。

2014年の初交渉から4年。相思相愛の両者が遂に結ばれた瞬間である。

トロ・ロッソとの再出発

マクラーレンとのパートナーシップを志半ばで解消し、トロ・ロッソとともに新たな船出に乗り出したホンダ。昨年末には復帰以来、最大の体制変更に踏み切った。ホンダのブランド・コミュニケーション本部長である森山克英執行役員によれば「技術開発とレース現場指揮監督の責任範囲を分離し、開発とレース・テスト現場それぞれが、よりスピーディーに業務を遂行できる態勢へと進化させる」狙いがある。

2015年のF1復帰からF1活動を統括してきた「F1プロジェクト総責任者」のポジションを廃止し、レース現場運営を統括するテクニカルディレクター職を新設。これにともない、復帰2年目となる2016年からF1活動の指揮を執っていた長谷川祐介F1プロジェクト総責任者が退任。代わって田辺豊治エンジニアがテクニカルディレクターに就任した。

田辺エンジニアは、ホンダF1の第2期となる1990~92年にマクラーレン・ホンダでゲルハルト・ベルガーの担当エンジニアをを務め、1993年から2003年までインディカーのエンジン開発やレースエンジニアに携わった。ホンダF1の第3期となる2003年からはB・A・Rホンダでジェンソン・バトンのチーフエンジニアに就任。2008年にはF1開発責任者を務めた。ホンダがF1から撤退して以降は本田技術研究所で量産エンジン開発を担当し、2013年からはHPDシニア・マネージャー兼レースチームチーフエンジニアを務めていた。

また、HRD Sakuraで行なわれるパワーユニット開発とF1活動全体の統括は、HRD Sakuraの浅木泰昭執行役員がその職務に就いた。

浅木執行役員は1981年に入社すると、翌年からF1エンジンテスト部門で第2期F1活動を支えた。86年からはレジェンドのV6エンジンや北米市場向けのミニバンV6エンジン、初代『オデッセイ』、『アコード』北米仕様車の直4エンジン開発に携わってきた。2011年の初代『N BOX』から始まる軽自動車の『Nシリーズ』などでLPL(ラージプロジェクトリーダー)などを歴任。ホンダの中でもエポックメイキングな車種を作り上げてきた人物と言える。

そして、それまでHRD Sakuraで開発とレース運営の指揮を執っていた大津啓司執行役員は、この4月から研究所の常務執行役員だけでなくホンダ本社の執行役員も兼任し、第4期復帰当初からホンダ本社のF1担当役員として運営面の実質的な責任者を務めてきた松本宜之専務取締役は、引き続き本田技術研究所代表取締役社長を務める。ホンダ本社のF1活動に対するコミットメントはさらに強化されたと見ていいだろう。しばしば指摘されてきた「青山と研究所の距離」も少しずつ埋まっているようだ。

このように適材適所をさらに推し進めたホンダは、浅木体制下で開発方針の見直しも図った。これまではマクラーレンやフェルナンド・アロンソ選手からの露骨で凄まじいプレッシャーに晒され、功を焦るあまり浮き足だって空回りしているところがあった。それは昨年までの”スペック3.6″というような小刻みな呼び方にも表れており、悪く言えば「期待に応えているフリをしていた」と浅木執行役員は見ている。

そこでまずは優先順位を整理し、開幕時にはしっかりと信頼性を確立したパワーユニットをトロ・ロッソに供給することに主眼を置いた。トラブルが続発し車体側の開発に支障をきたした昨年までの轍を踏まないためだ。その狙い通り、トロ・ロッソ・ホンダはシーズン前テストで好走。F1での経験の浅い二人のドライバーも十分な距離を走りこむことができた。残念ながら、ホンダジェットのノウハウを利用して開発された新型MGU-Hの完成は開幕に間に合わなかったものの、第2戦から投入されると期待通りの高い信頼性を見せている。

そして、満を持してカナダGPに投入された”スペック2″となるICE(内燃機関)は、燃焼コンセプトの変更による燃焼効率の向上と、フリクションロスの低減により20kW(約27.2馬力)弱のパワーアップを果たしている。カナダGPでは約0.3〜0.4秒のゲインとなった。ホンダとしてはこの”スペック2″でルノーに追いつくことを目標としてきたが、時を同じくして投入されたルノーのパワーユニットもまたパワーアップを果たすなど改善された為、まだ僅かにルノーが先行しているというのが大方の見方だ。

現時点では、今季のホンダの開発計画上の大幅改良はベルギーGPで投入予定の”スペック3″を残すのみとなっている。そして、その伸び代は”スペック1″から”スペック2″の時ほど大きなものではないそうだ。但し、交換してもペナルティの対象にならない部品や燃料については、効果と信頼性を確認した時点で順次投入していくようだ。また、効果が大きい”タマ”が開発を前倒しできれば、トロ・ロッソ側と相談して投入する可能性も残されている。

来季からトップチームであるレッドブル・レーシングへ供給することが正式に決定した以上、今季の残りのレースはペナルティを覚悟でトライ&エラーに徹するべきとの見方もある。しかし、パワーユニットの問題でトロ・ロッソが満足にレースすることができず、成績を低迷させてしまうことをホンダは望んでいないように見える。ホンダが残りのシーズンをどのように戦っていくか、注目である。

気になる来季のドライバーズラインナップ

既にマックス・フェルスタッペン選手が2020年までの残留を決めている。マックス・フェルスタッペン選手の父親であるヨス・フェルスタッペン氏は現役時代、2000年からのF1世界選手権参戦を目指していたホンダのテストカー『ホンダ・RA099』のテストドライバーであった。その後、HRDのテクニカルディレクターであったハーベイ・ポスルスウェイト氏の急逝によってホンダはコンストラクターとしての復帰を断念し、ヨス・フェルスタッペンもホンダから参戦することは叶わなかった。あれから19年の時を経て、息子がホンダのワークスチームのドライバーとして戦うことになるとは、非常に感慨深いものがある。

一方でダニエル・リカルド選手の契約は今季で終了する。残留交渉は続いているものの、リカルド選手はあくまでもメルセデスやフェラーリのシート獲得を目指しており、レッドブルは彼の候補の中で3番手でしかないようだ。リカルド選手は以前からホンダのパワーユニットの性能に懐疑的なだけでなく、チームが時折見せる”マックス贔屓”を非常に不愉快に感じているようだ。ホンダのパワーユニットの性能に納得し、レッドブル残留を決めたとしても、いざ勝てるマシンを手にした時に自分がタイトルを獲得できるのか?マックスを優先されてしまうのではないのか?そこを疑問に感じているようだ。

彼の愛すべきキャラクターには自分も大いに好感を持っているし、才能も申し分なく、来季もレッドブル・ホンダを駆ることになればそれに越したことはない。但し、彼とフェルスタッペン選手の関係性が火種として残るのであれば、再びタイトル争いに加わることを目指すチャレンジャーのチームにとって、決して好ましいことではないだろう。「戦う相手が違う」ということだ。リカルド選手と同等のドライバーを獲得できるのであれば、むしろ彼を放出することも視野に入れるべきかもしれない。しかし、カルロス・サインツ選手もまたリカルド選手と同じような理由でマックス・フェルスタッペン選手のチームメイトになる気はあまり無さそうだし、トロ・ロッソのピエール・ガスリー選手はまだまだ経験が不足している。トップチームの一角を占めるレッドブルではあるが、チームとの関係性を重視するあまり、選択肢はそう多くない。

個人的な意見を言えば、今季限りでフェラーリとの契約が満了となり、期待の新鋭シャルル・ルクレール選手と交代することになるかもしれないキミ・ライコネン選手を迎え入れてほしい。彼はラリー時代にレッドブルの支援を受けており、全くの無関係ではない。まだまだ速さもあり、完璧なチームプレイヤーでもある彼の実力と経験は、きっとフェルスタッペン選手の成長とチームの発展に役立つ筈だ。フェラーリのパワーユニットのリアルな性能を熟知していることも、ホンダにとって非常に心強いことだろう。

ただ、やはり最終的にはダニエル・リカルド選手の残留に落ち着くだろう。万が一リカルド選手の断念した場合もカルロス・サインツ選手やピエール・ガスリー選手の昇格となる筈だ。それがレッドブルというチームのアイデンティティである。

2021シーズン、レッドブル・ホンダ?ポルシェ?アストンマーチン?

2019〜20シーズンにレッドブル・レーシングへパワーユニットを供給することは決定したが、2021シーズン以降の展望はまだまだ極めて流動的である。今月中に発表されると言われている2021シーズン以降のエンジンレギュレーション(規定)で開発コストが適切なものになった場合、タイトルスポンサーのアストンマーティンはF1エンジンサプライヤーとしてF1に復帰することを公言している。また、ポルシェにもレッドブル・レーシングを買収し、ワークスチームとしてF1に復帰するのではないかと囁かれている。しかも、その場合には取り残されたトロ・ロッソをホンダが買収するという噂まで浮上している。

ホンダとしては、そうした雑音に惑わされずにパワーユニットや新規定エンジンの開発を進めて、勝利だけを求めたいところではあるだろう。しかし、チームの売却や投資規模の縮小がレッドブル本社の意向であるならば、そう遠くはない将来に取り組まなければならない問題である。

まずはレッドブルを満足させるパワーユニットを供給することが最優先事項であることは間違いない。その上で、レッドブルとホンダがF1に限らず様々なモータースポーツでパートナーとして活動できるような関係を構築してほしい。それは、可能だと思う。

急転直下の離脱劇

レッドブル・レーシングは8月3日、ダニエル・リカルド選手が2018年限りでチームを離脱することを発表。程無くしてルノーF1への移籍が発表された。2強であるメルセデスとフェラーリのシート獲得が絶望的となり、3番手チームであるレッドブル残留は決定的とみられていた中での、まさに急転直下の離脱となった。

リカルド選手のコメントは前向きなものだが、やはりホンダのパワーユニットに対するネガティブな印象とチームのマックス贔屓への不信感は拭えなかったと見るべきだろう。或いは契約金などの条件面に不満があったのかもしれない。

しかし、実際に勢いのあるチームメイトからのプレッシャーを凌ぎきれなくなってきたタイミングで同じように”レッドブルからの離脱”を決めたセバスチャン・ベッテル選手が、2〜3番手にいたフェラーリを再びタイトル挑戦へと導く道程でさえ、想像以上に険しかったのだ。

しかもリカルド選手はチャンピオン経験者ではないし、ワークスチームとはいえリソースに乏しく、マシンのポテンシャルもトップ3チームに大きく劣るルノーF1への移籍は、かなり大胆で野心的な決断に見える。これが吉と出るか凶と出るか、来季の大きな楽しみの1つである。

そして、直近の楽しみは当然「新生レッドブル・ホンダのシートに誰が座ることとなるのか?」を予想することだ。順当にいけばルノーF1離脱が確定したカルロス・サインツJr.選手のレッドブル陣営復帰が濃厚である。彼がそれに拒否反応を示した場合には、前述の通り成長著しいトロ・ロッソのピエール・ガスリー選手の昇格も考えられる。

但し、2人とも表彰台を獲得した経験も無く、「ホンダ初年度の来季は過渡期」と考えているとしても、レッドブルが若手ドライバー2人の体制で戦うことを由とするかどうかには疑問も残る。個人的には前述の通りキミ・ライコネン選手の加入に期待したいところだが、ライコネン選手はフェラーリ残留の可能性が日に日に高まっている。実はここへ来て新たな願望を持ってしまった。

それは、フェルナンド・アロンソ選手の加入である。

レッドブルはこれまで、マクラーレンから様々なものを奪ってきた歴史がある。古くは空力のスペシャリストであるエイドリアン・ニューウェイCTOであり、数年前にはタグホイヤーとエクソンモービル、そして来季からはホンダである。その総決算というわけでは無いが、やはり安定して高い成績を計算のできるドライバー、それも今季限りでフリーランスとなるドライバーの中では最も実力のあるフェルナンド・アロンソ選手は大変魅力的である。

ホンダとしても、大きな進化を果たしたパワーユニットで「失望させ続けてしまった3年間の借りを返したい」という技術者としての純粋な意地と誇りがある筈だ。「彼から受けた屈辱的な評価を覆したい」という反骨心も大なり小なりあるだろう。

アロンソ選手としても、エイドリアン・ニューウェイの手掛けた本物の「ベストのシャシー」で2013年以来の勝利や3回目のタイトルを狙える可能性があり、更にはホンダとの関係を修復できれば、将来的なインディ500再挑戦を支援してもらえるとすれば、これほど良い話は無いだろう。もはや契約金の額に興味は無い筈だ。

レッドブルにとっても、伸び悩むマックス・フェルスタッペン選手の”最高のお手本”になることは間違いないし、打ち負かせば不動の評価を得られる機会にもなる。しかも勝利に飢えたアロンソ選手を格安で手に入れられる絶好の機会である。

更に言えばトロ・ロッソ・ホンダには、ロバート・クビサ選手を推したい。ピエール・ガスリー選手にとっても良いベンチマークになるだろうし、彼の人柄や経験からチームやガスリー選手が学べることは多いだろう。しかも、ホンダにとってはメルセデスのパワーユニットとの比較を聞くこともできる。

さて「事実は小説よりも奇なり」となるのか?サインツJr.選手やガスリー選手の内部昇格という既定路線で決着するのか?
来季に向けて、まだまだ見所は尽きない。

レッドブルの拒絶とアロンソのF1引退

世界中の多くのファンがアロンソ選手のレッドブル加入というアイディアを提案する中、レッドブルを率いるクリスチャン・ホーナー代表が F1公式ポッドキャスト『Beyond the Grid』で反応を示し、「フェルナンドのことはとても尊敬している。偉大なドライバーであり、素晴らしいドライバーだ。しかし、(アロンソのレッドブル加入を)考えるのは非常に難しい。彼はどこへ行こうともちょっとしたゴタゴタを引き起こす傾向にある。フェルナンドの加入がチームにとって最も健全かどうかは分からない。そのため、われわれの希望としてはキャリアの終わりに近づいてるドライバーを取るよりも若手に投資し続けたい」とコメントした。

カルロス・サインツJr.選手とピエール・ガスリー選手については「どちらも非常に速いドライバーだ。いずれにしても彼らは夏の終わり、あるいはそれ以降も契約下にあるため、われわれにとっては一息つくチャンスとなる。自分たちが持つ選択肢を精査し、チームのために確実に適切な判断を下せるようにするだけだ」と続けた。

そしてドライバー選定について「2013年にマーク・ウェバーがいなくなった時のことを覚えている。最悪なことになりかねず、キミ・ライコネンを検討し、すべてのドライバーを考慮したものの、最終的にはダニエル・リカルドかジャン-エリック・ベルヌのいずれかという明確な決断に至り、最後はダニエルということになった。当時、われわれが抱えていた彼に関する懸念はレース技術。というのも、彼が誰かと競っているところを見たことがなかったからだ。すでにマシンに対する適正はあったものの、皮肉にも、マシンに乗った瞬間から彼がオーバーテイクの虜であることが発覚した!つまり、実際に誰かにチャンスを与えてマシンに乗せてみるまで判断するのはとても難しいということだ。幸い、われわれには契約のあるドライバーが複数おり、彼らは素晴らしい才能を持っている。そのため、落ち着いて状況を評価すればいいと思ったし、ドライブするにはすこぶる魅力的なマシンなので、(この状況になった今)突如として何が出てくるのか見てみればいいと思う。リクエストもオファーも少なくないはずだ」と語り、様々な選択肢があることを示唆した。

一方的に名前を挙げて拒絶される形となったアロンソ選手はクリスチャン・ホーナーの発言を報じたSky Sports F1の記事をリツイート。大量の涙を流して爆笑する絵文字とともに#fromlastweekNothanksのハッシュタグをつけて「間違いなくこれまでで最高の記事のひとつだね!!!ウケた!!」とツイート。

そして8月14日、2018年シーズンをもってF1を離れることを発表した。マクラーレンが発行した声明の中でアロンソは次のようにコメントしている。

この素晴らしいスポーツで最高の17年を過ごした今、自分にとっては変化を起こし、前に進むときが来た。これまでの信じられないようなシーズンの一瞬一瞬を楽しんできたし、その時間を特別なものにしてくれたすべての人々に感謝してもしきれない。

まだ今シーズンはたくさんのグランプリがある。これまで以上の献身と情熱を持って挑むつもりだ。今後どうするかはお楽しみ。新しいエキサイティングなチャレンジはもうすぐそこまで来ている。人生で一番幸せな時間を過ごしているところだけれど、新たな冒険に挑まないといけない。

マクラーレンのみんなに感謝したい。僕の心は永遠にこのチームと共にある。きっと彼らなら将来、さらに強くなってもっと素晴らしくなって復活するだろうし、その時こそ自分がこのシリーズに戻ってくるいいタイミングなのかもしれない。そうなれば本当にうれしい。マクラーレンにいるたくさんの素晴らしい人々と最高の関係を築いてきたし、彼らは僕の領域を広げ、他のカテゴリーでレースをするチャンスをくれた。今はこれまで以上にもっと完成されたドライバーになっていると感じている。

この決断は数カ月前に決めたこと、気持ちは固まっていた。それでも、僕の考えを変えようと努力してくれたチェイス・ケアリーとリバティ・メディア、それから、今回、僕に連絡をくれたすべての人々に心から感謝したい。

最後に、元チーム、チームメイト、ライバル、仲間、パートナー、ジャーナリストをはじめ、僕のF1キャリアにおいて関わってくれたすべての人たちにも感謝を伝えたい。それから何よりも、世界中にいる僕のファンに。今後、僕たちの道のりがいずれまた交わることが来ると確信している。

アロンソ選手自身は「引退」という表現を使っておらず、マクラーレンがより良い環境と速いマシンを準備した暁には復帰する可能性も示唆している。しかし、マクラーレンが早期に最前線へ返り咲くことは考え難く、おそらくこのまま事実上のF1引退となるのだろう。最後にもう一度だけでも彼の実力を誇示する機会があって欲しかった。そう思うのは彼のファンだけではない筈だ。

そして、彼が幼少期に憧れたホンダでその機会が訪れて欲しかった。せめて、いつかホンダエンジンでインディ500を勝たせてあげて欲しい。ただ、来季はWECにおけるトヨタとの契約が残る為、ホンダ陣営からの参戦は難しいのかもしれないが。

アストンマーチン・レッドブル・ホンダのリストから、フェルナンド・アロンソ選手の名前は完全に消えた。

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