【試合動画】『井上尚弥 vs エマヌエル・ロドリゲス』5.19ボクシングWBSS準決勝!完全版

KJ
いよいよワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)シーズン2のバンタム級トーナメント準決勝が開催されます!主要4団体のうちWBCを除く3団体4王者に加えて、元5階級制覇王者と元WBAスーパー王者が集結するという、まさに世界最強決定戦の名に相応しい顔触れが揃いました。

そして絶対的な大本命として世界中から注目を浴びる選手こそ、我らが井上尚弥選手です!

そんな井上尚弥選手のWBSS挑戦を栄光の瞬間までしっかり追いかけたいと思います!

目次

井上尚弥オフィシャルサイトOPEN!(2019.04.10)


https://naoya-inoue.com/

井上尚弥選手 vs エマヌエル・ロドリゲス選手

Naoya Inoue vs Emmanuel Rodriguez

日程・会場

  • 2019年5月18日 土曜日
  • WBSS準決勝 & IBF世界バンタム級タイトルマッチ & リングマガジンアワード
  • 王者:エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)vs 挑戦者:井上尚弥(大橋)
  • スコットランド・グラスゴー SSEハイドロ
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テレビ生中継:WOWOWプライム

2019年5月19日 日曜日 4:30〜

現地解説

山中慎介

現地実況

高柳謙一

スタジオ解説

浜田剛史 / 西岡利晃

スタジオ実況

鈴木健

スタジオ進行

増田美香

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テレビ録画放送:フジテレビ

FUJI BOXING
2019年5月19日 日曜日 21:00〜

解説

長谷川穂積

実況

森昭一郎(フジテレビアナウンサー)

進行

木村拓也(フジテレビアナウンサー)

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WBSS準決勝 & IBF世界バンタム級タイトルマッチ
2019.5.18@スコットランド グラスゴー正式決定!

コメント

井上尚弥選手

『自分の運命は格式高いアリ・トロフィーを獲得すること。そして、バンタム級世界最高であることを証明すること。英国の熱狂的なファンの前でボクシングをすることが待ちきれない。彼らに”モンスター”パフォーマンスを見せます』

エマヌエル・ロドリゲス選手

『ボクシング人生で、この瞬間を待っていた。ベストを尽くしたいと思っている。プエルトリコがスコットランドで輝き、アリ・トロフィーを持ち帰ることに自信を持っています』

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記者会見(2019.2.16@大橋ボクシングジム)

コメント

大橋秀行会長

「当初の3月開催からかなり日程は伸びたが、その分濃密な練習ができる。井上は明日から21日までグアムでの合宿に入る。その後もフィリピンなどからスパーリング相手を招き、万全の状態で英国入りをさせたい。ロドリゲスは無敗の王者。この間の試合は良くなかったが、それ以前の試合では絶対的に素晴らしい選手。尚弥とは身長も距離感も同じで、いわば南米のモンスター。ボクシング発祥の地でモンスター同士が戦う、見応えある技術戦になる」

井上尚弥選手

「なかなか決まらず、二転三転してストレスもたまったけど、グラスゴーに決まったということなので、(試合日から)逆算して準備できるのでほっとしている。また、あの舞台でやれることにワクワクしている。ボクシング人気が盛り上がっているヨーロッパでの試合なので、いいパフォーマンスをみせたい」

「以前ロサンゼルスで試合をしているけど、初めての土地は楽しみ。イギリスはボクシング人気が高いイメージ」

「去年ほどのインパクトを残すのは大変だが、自分のボクシングを見せて、もっと違う意味でのインパクトを残したい」

「パッと目を合わせたときに気持ちの弱さを感じた。目を見た時にわかる。それをすごい感じた。何に対しての弱さかわからないけど、目をそらした感じで、対戦相手としてリングに上がっている感じの威圧感はなかった。オーラとか、こいつやばいなとかはなかった。自分なら対戦相手と向き合う時にそういう目は見せません」

「年齢的にも同じ。モロニーの距離封じが巧くて失速してしまったが、自分とロドリゲスの得意な距離は一緒。失速がないと思って準備をしたい。それにロドリゲスに日本人にはない角度のアッパー、左フックもあります。技術はすごい印象がある。フェイントとか中間距離でのカウンターを狙い合う、高い水準の技術戦になると思う。一方的な試合にはならない。そこに関しては楽しみです。ボクシングは真剣勝負の殴り合いなので、毎試合、ギリギリのラインで戦っているので楽ではない」

「毎回秒殺のイメージはないですが、何が起こる分からないですから」

「ロドリゲスに勝つことに一番の興味を持っている。結果次第でベルトはついてくる。優勝しか考えていない。準決勝、決勝と勝つつもり」

井上真吾トレーナー

「フィジカルと集中力がカギ。どちらが先に1発を当てるかの試合ですね。これまでのように簡単にはいかない」

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記者会見(2019.05.16@スコットランド・グラスゴー クラウンプラザホテル)

コメント

井上尚弥選手

ーー88%のKO率で、3ラウンド以内のKOが7回。パヤノ戦は70秒で試合が終わった。素晴らしいファイトレコードをお持ちですけど、土曜日にもそのようなパフォーマンスを見せてくれるのか?

「もちろんKOは狙っていきますけど、対戦相手であるロドリゲスも素晴らしい選手なので、そこは試合の中でKOを掴むべくチャンスを活かしていきたいと思っています」

ーー「皆さんが思っているよりこれは簡単な試合ではない」とソーシャルメディアでコメントされていましたけど、どういう意味でしょうか?

「ロドリゲスもIBFのチャンピオンですし、その実力を自分は評価していますし、周りの評価、オッズ(5-1で井上有利)ほど簡単な試合にはならないと僕自身そう思っています」

ーーOK。ナオヤ、モハメド・アリのトロフィーを獲ることに関して一言いただけますか?

「もちろんそのトロフィーを獲るためにこのトーナメントに出ましたし、必ずそのトロフィーを獲りたいと思います」

ーー土曜日の夜、どのような形で試合に入ってKOするつもりでしょうか?

「ロドリゲスの研究もかなりしましたし、あとはリングに上がって向き合って感じるものも多くあると思うので、リングに上がってからそこは確かめていきたいと思っています」

ーーナオヤ、アリガトウ。次にトレーナーで父親でもある真吾さんに質問ですが、自分の息子さんをトレーニングするというのはどのような気持ちですか?

真吾トレーナー「色々な意味で複雑な思いはありますけども、本当に最強を目指して、尚弥が強くなることだけを考えてトレーニングしています」

ーートレーニングする時、息子さんだということは難しくなりますか?楽になりますか?

真吾トレーナー「難しくなることはないですね。簡単なことでもないです(笑)」

ーー(笑)シンゴ、アリガトウ!サンキュー!!

井上尚弥選手(会見後)

「(ロドリゲスは)結構、絞れているかな。気合も感じましたし、いい試合になると思う」

「去年ああいう2試合をしているので、期待されているのは重々承知して、ここまで来ている。流れの中でチャンスがあれば狙っていきたい。まずは自分のスタイルを貫きたい」

「(勝者に贈られる、米国で最も権威ある専門誌「ザ・リング」認定ベルトについては)それは結果が出てからついてくるものなので、まずは結果を出すこと。勝って、もらえれば」

「(日本人の欧州世界戦17連敗中について)実力なのか、時差、環境が日本人に合わないのか。環境の違いは大きいと思います。ベストコンディションに仕上げるのが難しいでしょうし」

「(自分は)意外に環境に慣れるのが早かった。時差ボケは、解消した。今日、明日で疲れを抜いて…日本と同じですね。やることは日本と同じにできてる」

「(当日計量の心配は)前回の試合のときで会場に入って+5キロ以下だった」

エマヌエル・ロドリゲス選手

「ここにいることにとても興奮している。いつもの試合のように順調に調整できた。このトーナメントを勝ち上がるために練習はできたと思う。イノウエとのファイトは長年待ち望んだもの。だからこれが実現してうれしい。英国でこのベルトを守ることができるのも喜びだ。イノウエの強さは知っているが、俺が勝って母国に帰る。5月18日、俺は世界王者のままだ!土曜日を楽しみにしている」

関係者コメント

大橋秀行会長

「相手はナーバスになりすぎだね。チャンピオンだし凄みはあるけどね。無敗同士で世界王者同士の戦いは日本人ボクサーでは初めてじゃないかな。こちらは落ち着いているし、明日は行事もないし、ゆっくり調整して計量に備えるよ」

長谷川穂積氏

「まあ前半でしょうね。一発ええのが当たって、ロドリゲスがビビるか、これはいけると思うかでまったく変わるでしょうね。井上君はめちゃくちゃパンチがあると思う。それはロドリゲスが経験したことがないと思う。ビビっちゃうとどうしようもないですから」

「分からないですけど、アゴが弱そうだし、ボディも弱そう。気も弱いんじゃないかなあ。最初からいけると思ってガンガンいったらすぐに終わる。慎重にいけば後半でしょうけど、早い段階で決着は着くと思いますよ」

「海外の試合だから安心感はないと思いますよ。いつもと違いますから。これが日本だと『また日本か、しんどいな』となるかもしれない。マンネリ化してしまうんです。今回は海外だからそれはないと思う。それで次に日本でやるときは『久々の日本だからまたやったろか』という気持ちになる。いいパターンだと思いますね」

「ロドリゲスはええ雰囲気出してました。IBFチャンピオンですからプライドありますよ。ただ、リングに上がったときにどうなるか。もしビビらずに開き直れたらいい勝負になると思う。でもビビったら、僕らプロは顔見たら分かるんですよ。ビビりモード入ったなって。ロドリゲスはまずそうならないと思います。IBFの当日計量の精神的なものはあるでしょうけど、井上君は大丈夫でしょう」

山中慎介氏

「総合力では井上選手が勝るが、ロドリゲスも強い選手なので一瞬も目が離せない。事実上の決勝戦ともいわれている注目のカード。スピードやパンチ力などすべての項目が10点満点。特に、どのパンチをどこに当てるか。距離感の把握が早い。瞬時に距離や当てるポイントをつかむ能力はずば抜けている。(ロドリゲスは)パンチが固そうな印象で、パワーもありそう。瞬間的にいろんなパンチを出せる井上選手が相手なので、ロドリゲスは警戒しながらスタートすると思う。ロドリゲスは右ストレートや左アッパーなどが強く、腕をたたんで近距離で打つのもうまいけど、その距離になる前に井上選手のパンチが入るような気がする。とにかく井上選手のパフォーマンスに注目です』

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前日計量(2019.05.17@スコットランド・グラスゴー SEC ロモンド・オーディトリアム)

WBA世界バンタム級レギュラーチャンピオン
井上尚弥(大橋/17戦全勝15KO)
体重:53.4kg

IBF世界バンタム級チャンピオン
エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ/19戦全勝12KO)
体重:53.4kg

コメント

井上尚弥選手

「やっぱり向こうも良い具合で仕上げてきている印象です。過去最強の相手だと言って過言ではない相手なので、しっかり精進して試合に臨みたいと思います」

エマヌエル・ロドリゲス選手

「この試合に向けて50ラウンドから60ラウンドのスパーリングで調整してきた。明日はしっかり勝ってIBFチャンピオンのまま帰国する」

大橋秀行会長

「フェイスオフの時にロドリゲスの目が泳いでいたね。作戦かもしれないけどね。ベルトのことはどうでもいい。チャンピオン同士の戦い、それで十分。ボクシング発祥の地で無敗の王者同士が戦うわけで、自分としてはあっという間に勝ってくれたら楽だけど、ロドリゲスが相手なら尚弥の新しい部分を引き出してくれると思う。歴史に残る技術戦になってほしいね。ボクシングの素晴らしさを伝えるような試合をしてほしい。それが尚弥の役目だから」

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当日計量(2019.5.18@スコットランド・グラスゴー クラウンプラザホテル)

WBA世界バンタム級レギュラーチャンピオン
井上尚弥(大橋/17戦全勝15KO)
体重:57.5kg(ボクサーパンツ)

IBF世界バンタム級チャンピオン
エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ/19戦全勝12KO)
体重:57.8kg(着衣)

コメント

井上尚弥選手

「もっと負担になると思っていたけど、ストレスはなかった。朝の散歩がてらという感じですね。コンディションはヤバいっすね。多分、いつも以上のパワーです。今は程良い緊張感。これが試合が近づくにつれて、ピリピリして緊張も高まっていくと思う。そこも含めて楽しみたい。日本でやっている時のパフォーマンスをできるようにしたい。勝ち方はどうであれ、絶対に勝利をつかみます」

日本時間19日午前4時30分放送開始!5時15分ゴング!

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試合結果

ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝が18日、英グラスゴーのSSEハイドロで行われ、WBA同級正規王者の井上尚弥(大橋)がIBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に2回1分19秒TKOの勝利を収め、IBFタイトルを獲得した。

IBF王座を獲得した井上はWBSS決勝(日時場所未定)でWBAスーパー王者ノニト・ドネアと対戦することが決まった。

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試合動画

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コメント

試合後の両選手のコメント

勝者:井上尚弥選手

Coming Soon…

敗者:エマヌエル・ロドリゲス選手

母国プエルトリコ紙「プリメイラ・オラ」の取材に対して
「我が同胞へ、勝利をもたらすことはできなかった。言い訳の余地はない。これまでにないトレーニングを積んできたのだから。準備は最高だった。我が陣営は自分たちの仕事をしてくれた。自分の仕事をするまでだった。素晴らしい雰囲気に感謝したい。敗北は誰にとっても痛いものだ。しかし、我々は止まらない。これが終わりでないのだから」

WBSS試合後記者会見

井上尚弥選手

「準決勝でロドリゲス相手にこの勝ち方を手にできたことをうれしく思いますし、ホッとしています」

──今回は2ラウンドかかりました。どうしてでしょうか?
「やっぱりそういう見方になっちゃいますかね(苦笑)。1ラウンド目はスコットランド、グラスゴーのなれない環境での力みも多少あって、2ラウンド目から力みに修正をかけて、それがうまくいって自分の思うように戦えたと思います」

──ロドリゲスは実際に手を合わせてどうでした?
「右のカウンターだったり、返しのアッパーだったり、予測できる範囲ではありましたけど、実力のある(選手ならではの)角度から打ってきたりとか、けっこう危ないタイミングもありました」

──1ラウンド目はプレッシャーをかけられましたか?それともあえて受けたのですか?
「プレシャーをかけてくるとは思っていたので、ああいう展開で自分は引きながら迎え撃つ感じで。気持ちの余裕はありましたけど、硬さですよね」

──2ラウンドは重心を落とした?
「プレッシャーをかけてきたので、勢いづかせないためですよね。1ラウンドよりも重心を落として(相手を)おさえるように。そこは自分の感覚でできた」

──試合前は「技術戦になる」と話していたけど、またしても短い時間で終わりました。
「でも面白かったんじゃないですか。自分もやっていてパンチが当たらないという感覚もありましたし、少しですけどパンチももらいましたし、楽しかったですよ。
長引けばお互いに緊張感が解けて、お互いの良さがたぶん出てきて、もっとボクシングとして面白い展開になるんじゃないかと。1ラウンドが終わった時にそう思っていたので。まあ、1ラウンド目で感触的に負けはしないだろうな、という気持ちの余裕はありました」

──早いKOが続いて、また次も「もっと早く」というプレッシャーがあるのでは?
「次はドネアですよ(笑)。重圧?もうここまできたら開き直るしかないですよ」

──相当なプレシャーのかかった一戦を乗り越えた意味は大きいのでは?
「ちょっと吹っ切れた感はありますよね。きょうの喜びもプレッシャーから解放されたような、ちょっと重圧が砕けたようなシーンだったので喜びも爆発しましたけど。期待にこたえられたというか。みなさんプレッシャーをかけますから(笑)」

──プロ18戦で5本のベルト(今回IBFとリング誌ベルトを獲得)ですが?
「今回は統一戦にならなかったですけど、そこにそんなにこだわりはない。だれとやるかが重要だと思っているし、次の試合もベルトがかからなくても、このトーナメントの優勝とドネアとやることに意味があると思います」

──ドネアのWBSSの2試合を見て?
「一発だけはもらわないように心がけていかないといけないですね」

井上真吾トレーナー

「1ラウンドは動きが硬かったので『2ラウンド目はリラックスしていこうよ』とアドバイスしました」

「すごいことだと思いますし、そこを目指してやっているので必ず獲ります」

大橋秀行会長

「もともと尚弥には誇りを持っていますが、もっと持てるようになりました。正直、1ラウンド目のロドリゲスの動きは良かったですが。帰ってきた尚弥が『パンチは大丈夫』と言ったので、安心はしました。このボクシング発祥の地イギリスでまた一つ歴史を作ってくれたこと、これから決勝に向けて積み上げられることをうれしく思いますね」

「1ラウンドはロドリゲスが思った通り強くて、尚弥がプレッシャーをかけられたのは初めて見た。凄いタイミングでカウンターも打ってきた。自分が言う痺れる展開だなと。ロドリゲスは予想以上に素晴らしい。パンチも多彩でスピードもあるし、自信満々に攻めてきた。一瞬嫌な展開でしたね」

「硬さがなくなりましたね。あっぱれです。負けることはないなと思ったけど、でもあそこで2ラウンドとはね…しかもボディーで倒してね。相手が首振ってるから。無敗のチャンピオンを首振らすってなかなかないですよ。後半ならわかるけど、前半だからね。そのシーンが1番、衝撃的でした」

「パヤノ戦も、マクドネル戦も、今まで凄い試合いっぱいやってるけど、自分の中では今日が一番。相手が違ったからね」

「成長も全然、尚弥はこちらの予想を上回ってましたね」

ノニト・ドネア選手

「ナオヤは素晴らしい結果を残した。グレートな経験と、グレートな頭脳、そしてグレートなパワー。本当に素晴らしいボクサーだ。彼との決勝はベストオブベストの試合ができるだろう。自分も今から戦うことに興奮している」

ボクシング関係者・著名人のコメント

田中恒成選手(畑中/現WBO世界フライ級王者・世界3階級制覇王者)

「あれだけ早く試合が決まったのは、簡単に言ったら、ロドリゲスがしっかり勝ちにきたから。ロドリゲスにとっても、いい立ち上がりだったんじゃないかなとオレは思っていました」

「いきなりお互いのパンチが当たる距離から始まった」

「何かの記事でロドリゲスが、『これまで尚弥さんは下がらされたことがないから、自分が初めて下がらせる』と言っていたのが印象的で。これは自分もよくやることで、どんどん前に来る相手に対しては、どうさばこうか考えるのが一般的だと思いますけれど、逆に下がらせてしまえば、何もなくなるんじゃないかなと。実際、常にプレッシャーをかけてましたし、パンチをもらっても、すぐリターンを返して。相手の良さを消すんじゃなくて、お互いの良さが出た1ラウンドでしたし、いい距離、いいタイミングでお互いに打っていたと思います」

「ロドリゲスの右ガードは高いままなんですけれど、そのガードの内側から入る軌道になるように角度を縦に変えて(縦拳で)、顔の正面をめがけたフックに変えることで、側面のガードが高かろうが関係ないパンチになりましたよね。プラス、ロドリゲスも左フックを打ちにきているので、体が右側を向く。だからこそ、ドンピシャで入りましたし、効いて当然ですよね。あれで完全に決まったと思います」

「あの攻撃力とラッシュ力、あれだけのパンチ。うまくクリンチで逃げることも難しいのではないか」

「やっぱり期待以上の結果を出し続ける選手だな、と思って。すごいですね」

「周りも1ラウンドKOしかイメージが湧かないし、自分自身のなかでもどこかで1ラウンドで決めないといけない、という気持ちが出てくるなかで、ボクシングが崩れたということだったと思います。それでも最終的に心身ともに仕上げてきた印象がインタビューを見てもありましたし、間違いなく難しい精神状態のなかで、結局すべての試合で崩れていないというのが、すごいところですね」

「オレのなかで誰の試合より刺激を受けますね。近づきたい、超えたいと思いながら、どんどん差が広がって。よく言う『強い選手と戦い続けたい、ランキング下位じゃなくて、上位とやりたい』とか。尚弥さんは、そういう次元をさっさと卒業して、最先端をぶっちぎりで行っているので。オレも『こんなところを目指してちゃいけない』といつも思い知らされますし、目指す場所をいつも引き上げてくれる人ですね」(船橋真二郎「井上尚弥、さらなる高みへ」より)

 

浜田剛史氏(元WBC世界スーパーライト級王者)

「1回はロドリゲスにとられた。井上は空振りもあり、若干焦りもあったのでは」

「2回も打ち合いの勝負に来たが、井上は切り替えて対応した。実力は紙一重でも、井上の瞬間の判断に数段の違いがあった。短い時間も技術戦の中で、パンチ力は何よりの武器。さすが」

「現状伸びている井上と、現状維持しているドネア。新旧交代かな」

私は1回の採点をロドリゲスの10―9とつけた。前へ出て先に手を出すロドリゲスに対し、井上は返しのパンチを出したところへ、さらに返されて焦りが感じられた。距離の測定もしないまま強く打とうとしていたため、バランスも崩していた。ロドリゲスとしては狙っていた通りのスタートだったと思う。

だが、井上は2回に距離を詰め、相手と同時に打つようにして流れを変えてしまった。打ち合いには危険がつきものだが、1回の攻防で自分のパンチの方が速く、打ち合って勝てると確信したのだろう。パンチ力の差は歴然としており、2回でなくてもいずれはKOしていたはずだ。それでも時間をかけずに自分の距離、ペースに変えた早めの判断と対応力が、2回での決着につながった。

ロドリゲスも高い技術を持っていたが、今の井上はパワーとうまさを兼ね備え、相手はどちらかで明らかに上回らないと勝つのは難しい。特に井上のパンチ力は160キロの速球を投げられる投手と同様、天性のものを感じる。筋力をつけ、打ち方を工夫することでパンチ力はある程度のレベルまでいくが、通常はパワーがつけばスピードは落ちるもの。しかし、井上は元々の武器であるパンチのスピードを落とさず、階級アップに従ってパワーもつけてきた。分かりやすく言えば、短距離を走る筋肉と、長距離用の筋肉を両方持っているような状態だ。

決勝はドネアとの対戦だが、上り調子の選手と一生懸命現役を続けている選手との違いが明らかに出るのではないか。ドネアには試合をひっくり返す一発があるが、井上にはパンチ力に加えて試合をつくれる力もある。(「浜田剛史の目」より)

川島郭志氏(元WBC世界スーパーフライ級王者「アンタッチャブル」)

井上の左フック一発でもう勝負はついた。パワーもスピードも差は歴然。ボクシングは拳だけで戦う。その拳にパワーという武器があるのは大きい。いつも通りに文句のつけようがない。プエルトリコ人に海外で勝つなんて考えられなかった。またびっくりだ。

ロドリゲスはプレッシャーをかけてきた。今までの相手は下がり、これでは井上に勝てない。時間の問題。勝つにはこれしかない作戦だが、出てきたことでタイミングはあっていた。空振りもあったが、距離が詰まれば決まると思った。

2回にはすぐにパンチが当たり出した。ロドリゲスも返してきたが、パンチを出すと右ガードがオープン気味になって真ん中が開く。そこへいい角度で左が入った。あとはボディーで決めたが、タイソンのようなコンビネーションもすごかった。

ドネアも勝つにはプレッシャーをかけ、パンチを当てるしかない。同じ左フックはパワーがあって、そこだけは気をつけたいが、全盛時に比べれば鈍っている。問題なく井上が勝ち、その後に相手がいるのか心配。もう階級を上げざるを得なくなるかもしれない。間違いなく階級を超えた最強のパウンド・フォー・パウンドになる。

竹原慎二氏(元WBA世界ミドル級王者「広島の粗大ゴミ」)

「ドンピシャ」

井上尚弥

2ラウンドKOと

予想していた

誰にも言ってないのが残念

さて出かけよう

じゃあの。

(「竹原慎二はブタっ鼻」より)

西岡利晃氏(元WBC世界スーパーバンタム級王者「スピードキング」「モンスターレフト」)

「ロドリゲスがプレッシャーをかけるとは思わなかった」

「2回は前に出させるとまずいと、井上が強めに出た。ロドリゲスの左ガードは高いが、一瞬の隙をついた。左フック一発ですべてが変わった。一発でひっくり返し、すばらしい」

「(ボディーでの連続ダウンには)当たって押し込んでいる。フォロースルーがすごい」

長谷川穂積氏(元世界3階級制覇王者「日本のエース」)

2つのベルトを手にした井上選手だが、ベルトの数より倒しっぷりのすごさで強い印象を残した。力はもう“世界の井上”だ。

2人ともテクニックに優れた似たタイプだったが、井上選手のパンチ力が圧倒的に勝った。彼はスピード、テクニック、防御技術のすべてが10点満点で、パンチ力は満点の5倍の50点くらい。4階級上のライト級並みのパンチ力を持っていると言えばわかりやすいだろうか。同じバンタムの僕からすると「そんなのずるい」と言いたくなる。

現地で見た今回の井上選手は珍しく緊張していた。1回はかなり硬かったが、そこで相手の出方を見てリラックスできたのだろう。2回にKOした左フックは、普通なら相手をぐらつかせる効果的なパンチとなる程度。しかし、あれで倒してしまえるのは100%の全力で打てるからだ。

パンチを全力で打つのは実は難しい。防御面やバランスを考えると8、9割の力で打つことはできても、10割の力で打つことには怖さを伴う。しかし、井上選手は当てたら倒せるという自信があり、ちゅうちょなく打てる。相手に技術があっても、その戦闘スタイルを封じることは困難だ。

加えて、スピードや防御など一つでもスキがあれば相手はそこから活路を開けるが、すべてに穴がなく末恐ろしい限り。今後階級を上げていきパンチ力が通じなくなった時に、初めて苦しい試合を経験するのかもしれない。

次戦の決勝の相手、ドネア選手は豊富なキャリアを持っており、しっかりとした対策が必要だろう。ただ、彼はフライからフェザーまで5階級を制覇しながら、フェザーではパンチ力の壁に阻まれている。ライト級のパンチを持つ井上選手が有利だと見ている。(「長谷川穂積の拳心論」より)

山中慎介氏(元WBC世界バンタム級王者・RING誌認定王者「神の左」)

「最初のダウンは相打ちかと思ったが、瞬間の判断の速さ、パンチの威力が違う。パワーが違った。ロドリゲスは2度目のボディーでのダウンで心が折れた」

「これだけ注目されていて、3試合で結果を出している。あきれる強さ。汗もかいていない」

井上尚は過去最高のパフォーマンスだ。バンタム級3試合を1回、1回、2回とKOで決着をつけてきた。とても下の階級から上げてきた選手とは思えない。パンチの“火薬”の量が他の選手と段違いと例えればいいだろうか。その破壊力を生かすのはハートの強さと見ている。

ロドリゲスは意外にも様子見をせず、積極的に攻めてきた。相手パンチをかわし、素早くカウンターを放つ動作などは、さすが王者という技術で対策を十分練ってきた様子がうかがえた。

井上尚は後退し、距離感を測りかねて左フックを数度空振りした。自分で力みを悟り、2回から重心を落として相手の圧力に対抗する手段を編み出した。パンチが走り始め、スムーズに連打が出始めると、すぐに先制ダウンを呼び込んだ。修正の早さは技術だけでなく、焦らない。すなわち、気持ちが強くないとできないものだ。

2度目のダウンを奪った左ボディーアッパーも“怪物”的だった。攻勢をかけて距離が詰まっていながら半ば強引に左を打って倒した。普通なら近すぎて強振できない位置だが、並外れたパワーがあるからこそできる芸当だ。

決勝のドネア戦だが、気負わず普段通りで臨めばいい。それぐらい今は隙がない。むしろドネアが序盤に勝負を懸けるぐらいの気概がないと、勝機を見いだすのは難しいかもしれない。ただ、得意の左フックは今でも脅威だ。スリリングな展開になるだろう。(「山中慎介ジャッジ」より)

内山高志氏(元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者「ノックアウト・ダイナマイト」)

井上尚弥

もはや笑うしかない😲

圧倒的スピード、圧倒的パワー

1ラウンド見て、ロドリゲスは強いよ。

実力者と感じたが、尚弥には全く関係なかったね(笑)

1ラウンド、ロドリゲスもスピードがあり、ジャブが少し当たり、尚弥のパンチにカウンター狙ったりと、今までの相手とやはり一味違うなと思った。

しかし接近戦での打ち合いになると
スピード、コンパクト、威力、全てにおいて尚弥が圧倒的過ぎた。

たった2ラウンドだったが、非常に濃い2ラウンドでした。

どこまで強くなるんだ^_^

ドネアとの試合が楽しみ‼️

(Instagramより)

那須川天心選手(キックボクサー/TARGET/Cygames/現RISE世界フェザー級王者)

「しびれました。とにかく全てにおいてしびれましたね。少し悔しい部分もあります。僕もああいう素晴らしい勝ち方がしたいです」

布袋寅泰(ギタリスト)

清木場俊介(シンガーソングライター)

井上尚弥…強過ぎた。
モンスター尚弥おめでとう!!

(Instagramより)

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KJインプレッション(2019.05.19)

井上尚弥選手の試合を語ることは難しい。というのも、いつもアッと言う間に終わってしまうため、その凄さは語るより観る方が明らかに早いし、伝わるものも圧倒的に大きいからだ。

しかし、今回の試合は少しだけ語ることに価値を見出せそうである。あくまでも、素人意見なのだが(苦笑)

空を切った左フック

この試合の立ち上がりは、ここ数戦の尚弥選手とは違った。まずは意外にもゴングと共に距離を詰めてきたエマヌエル・ロドリゲス選手に驚いたが、これを迎え討つ尚弥選手が左フックを強振したのである。これには驚いた。さすがに空を切ったのだが、この一発には尚弥選手の力みが現れているように感じられた。そして直後、左ジャブの差し合いで顔に一発貰ってしまった。動きに硬さを感じる。

「やはり、1ラウンドKOを心の何処かで意識しているのだな…これはあまり良い兆候ではないな…」

ロドリゲス選手は重圧を強めて、前進し続けている。ジャブ、ショートフック、ショートアッパーのコンビネーションで試合を組み立てようとする動きは、かなり調子が良いように見える。

一方の尚弥選手は最初の被弾で平常心を取り戻したか、いつものように出入りや左右の動きを繰り返し、時にジャブを刺しながら、ロドリゲス選手の動きやパンチを見極めようとしている。いつもと異なるのは”被弾しながら”という点だろう。カウンターを狙われているのだ。

「さすがはロドリゲス選手。無敗王者同士の戦いともなると、互角の勝負になるのか…」

尚弥選手のバランスやコンディションが悪いわけでは決してない。ただ、下半身の動きにやや硬さが感じられ、それによって上半身の可動領域が狭まってしまい、自身のパンチは手打ち気味となって威力が半減し、逆にロドリゲス選手のパンチは避けきれずに被弾してしまう機会が増える。もちろん、しっかり反応はしているので被弾しても浅く、ダメージはほとんど無い。

けれども、見栄えや印象は決して良くない。まだ記憶に新しい”1ラウンドKOの井上尚弥”の強烈なイメージとのギャップによって、ロドリゲス選手は過剰に良く見え、尚弥選手は殊更悪く感じてしまう。目の前で繰り広げられている緊迫した技術戦は、井上ファンが待ち望んでいたものであり、実際に見応えもたっぷりなのだが、いつもと異なるこの状況に心の何処かから「井上尚弥、危うし」と警報が鳴り響く。過剰反応である。

リング上のヒリヒリするような空気を感じながら、緊張感に包まれて終わった1ラウンド。長期戦はもちろん、尚弥選手が辛酸を舐める結末さえ想像した。

恐るべき修正能力

ところが2ラウンドが始まると、そこにはいつもの尚弥選手がいた。1ラウンドにはあまり見られなかった上下動が加わり、身体から硬さが消えてバネのようなしなやかさが戻っていた。リズミカルに前後左右上下の動きを繰り返しながら、パンチを織り交ぜる尚弥選手。それを見ただけで確信した。

「あっ、このラウンドで決着するな」

その刹那、リング中央付近でのフックの応酬。ロドリゲス選手のパンチを屈んで交わし、そのまま重心を落として膝のバネをしっかり効かせてから、跳ね上がるような形でよく体重の乗った右のボディフックと左フックのコンビネーションが見事に炸裂。ロドリゲス選手、撃沈。

あとはもう、トドメを刺すだけだ。

獰猛な尚弥選手のボディアッパーで2度目のダウンを喫したロドリゲス選手は戦意喪失。自陣営に対して、

「これもうムリやて…ホンマあかんて…」

と首を振り、苦悶の表情でサインを送るも聞き入れられず。最後は勢いよく突進してきた尚弥選手が繰り出したワンツーで万事休す。3度目のダウンを喫し、立ち上がるも試合終了。

井上尚弥選手が、過去最強の相手に見事な勝利を収めた。

明確な課題

スコットランド・グラスゴーで行われた試合で、井上尚弥選手の今後に向けた明確な課題が浮き彫りになったことは、収穫だったと思う。

明確な課題…それは海外でのキャリアと英語力だ。

まず、海外でのキャリアに関しては1ラウンドで垣間見せた力みが全てを物語っている。欧米ならではの物静かな観戦スタイルが生み出す雰囲気もそうだし、それでいてメディアは遠慮無しに四六時中「早期KO」を話題にしてくる。そうした大小全ての事柄が海外キャリアであり、普段通りの実力を発揮する為に1ラウンド多く費やしたと言っても過言では無い。

決勝で戦うことになったノニト・ドネア選手はこの辺り、百戦錬磨である。今回のロドリゲス選手の戦いを参考に、試合開始から波状攻撃を仕掛けてくるかもしれない。その時、果たして尚弥選手は対応しきれるのか?蟻の一穴が致命的になりかねない。尚弥選手は、練習を含めて海外でのキャリアを積み重ねた方が良いだろう。

もう一つの課題である”英語力”はそのままの意味である。これから本格的にパウンドフォーパウンドの頂点に手をかけようとしているのだから、多少なりとも英語でメディアやファンとのコミニュケーションを取って、味方を増やさなければならない。もちろんボクシングの持つスポーツの側面は「リング上が全て」だと思うし、今の評価はまさにそれだ。しかし、ビジネスの側面に焦点を当てると、それだけでは物足りない。

メジャーリーグに挑んだ松井秀喜氏やイチロー氏も公式な場では必ず通訳を立ててメディア対応していた。しかし、非公式な場や監督、コーチ、選手間では英語でコミュニケーションをとっていたことは有名な話だ。つまり、彼らは英語を話せないのではなく、細心の注意を払って話す言葉を使い分けていたのだ。もちろん、川崎宗則氏のように本当に英語をあまり話せなかった選手もいたが、彼は言葉を超越したノリを持っていたので例外だろう。

モータースポーツに顕著だが、英語を話せないと実力を十分に発揮できない場面はこの先必ず訪れる。少しずつでもいいから英語に挑戦していってほしい。プロ野球の助っ人外国人選手が拙い日本語で「ミーナサーン!コンニーチハー!」とやるだけでも親近感はまるで違うのだから。

WBSS決勝

何はともあれ、本当にWBSSの決勝まで辿り着いた井上尚弥選手には改めて敬意を表したい。本当に見事だし、これだけの戦いを見せてくれていることにはイチボクシングファンとして感謝するしか無い。

そして、多くの日本人ボクシングファンが敬愛する真のファイター、ノニト・ドネア選手と真の世界一を決する舞台で戦うというのだから、長年ボクシングを見てきた者にとって、これは隔世の感がある。

冷静に考察すると、次の試合も決して簡単な試合にはならない。

ドネア選手がWBSSを多くの運も味方して勝ち上がってきたことに異論は無い。しかし、勝ち上がることで得た機会を最大限に利用して、確実に自らをバンタム級にフィットさせてきた。そして、準備は整いつつあるように見える。確かに”フィリピーノ・フラッシュ”と呼ばれた頃のような支配的強さは全盛期を過ぎてしまった。しかし、今やドネア選手には失ったものを補うだけのキャリアがある。ボクシングでは”老いは恥ではない”を体現したシーンを幾度となく見てきた。油断は絶対に禁物である。

バンタム級にフィットしたドネア選手がどれだけのレベルに達していて、尚弥選手の潜在能力をどこまで引き出してくれるかは非常に興味がある。ロドリゲス選手との1ラウンドの攻防以上の白熱した技術戦になることは必至だろう。それが数ラウンド続いたならば、尚弥選手は次の次元へとギヤを上げることになる筈だし、それがファンの望みでもある。

ただ、一方ではドネア選手に引導を渡す役割は尚弥選手に担って欲しい。尚弥選手以外には考えられない。

可能であれば1ラウンドのゴングと共に尚弥選手の持てる全ての力を発揮して、圧倒的な攻撃をもってドネア選手を倒してほしいとさえ思う。この試合が終わっても、ドネア選手が現役を続けるという選択肢を奪ってほしい。ドネア選手が引退を納得できるような試合にしてほしい。そう願わずにはいられない。

ウィラポン選手と辰吉選手の試合で、殴ったウィラポン選手が意識を失った辰吉選手を支えに行くシーンを思い出す。殴った尚弥選手が意識を失ったドネア選手を支えに行くシーンは見たくない。リングに沈めて、試合後に熱い抱擁を交わして欲しいのだ。

WBSSが終われば、尚弥選手は世界的なスーパースターへの階段を上がり始めるだろう。だからこそ、ドネア選手との一戦は後世まで語り継がれるような内容の試合にして欲しい。そして、きっとそれは考えてできるものではない。

尚弥選手とドネア選手が最高の準備をして、真っ向勝負してくれることで奇跡的に生まれる伝説だ。

その日が待ち遠しくもあり、少しだけ怖くもある。

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