【試合動画】『村田諒太 vs ロブ・ブラント2』進退を賭けた運命のリマッチでKO勝利!完全版

KJ
五輪金メダリストとして鳴り物入りでプロ入りし、着実に成長しながら連勝街道を邁進。

ところが、不可解判定による世界王座獲得失敗と初黒星。2度目の挑戦で悲願の世界チャンピオンとなり、勝てばゴロフキン選手とのメガマッチが内定する中、V2戦で無名選手にまさかの王座陥落…。

ジェットコースターのように天国と地獄を交互に味わってきた村田選手が、ボクシング人生を賭けてブラント選手との再戦に挑みます。

この記事では、リベンジに燃える村田諒太選手の再戦を追います!

Table of Contents

村田諒太 vs ロブ・ブラント2

Ryota Murata vs Rob Brant

日程・会場

  • 2019年7月12日 金曜日
  • WBA世界ミドル級王座タイトルマッチ
  • 王者:ロブ・ブラント(米国)vs同級3位:村田諒太(帝拳)
  • エディオンアリーナ大阪第1競技場
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チケット:ローチケ

こちら

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テレビ生中継:フジテレビ

放送日時

2019年7月12日 金曜日 20:00〜

応援団長

  • ビートたけし

「ゴールドメダリストって4年に1人だからね。それでなおかつミドルだから。一番選手層の厚い階級でチャンピオンになったんだから」

「今度の世界戦では、ブラント選手も最高の練習をしてきたと思うから、村田選手はそれを打ち破るほどの、しつこい左を見せてほしい。村田選手の左ジャブと右ストレートは折り紙つき。左ジャブを中心に自分が動き回れれば、相手の横にじゃんじゃん付けるようなフットワークがあれば、このリベンジマッチは勝てると思う」

「試合会場には、山根さんの格好して行くかな(笑)。とりあえず、控室にカンロあめを用意しておいて」

ゲスト

  • 井上尚弥選手
  • 八重樫東選手

解説

  • 長谷川穂積
  • 山中慎介

スペシャルゲスト

  • 香川照之

MC

  • 三宅正治(フジテレビアナウンサー)
  • 中村アン

実況

  • 森昭一郎(フジテレビアナウンサー)
  • 竹下陽平(フジテレビアナウンサー)
  • 立本信吾(フジテレビアナウンサー)
  • 木村拓也(フジテレビアナウンサー)
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記者会見(2019.4.25@ホテルグランドパレス)

コメント

挑戦者/前王者:村田諒太選手(帝拳)

ーー今回の再戦が決まった時に最初に何を感じましたか?
「まず最初に、帝拳ジムの本田会長はじめフジテレビの皆様、僕の周りで動いてくれているチーム電通の皆様、デビューした頃から支えてくれているマイナビをはじめとするスポンサーの皆様に感謝したいと思います。その感謝の気持ちを力に変えたいと感じました。」

ーー初戦の結果を踏まえて、どのようにボクシングに向き合ってここまで来ましたか?
「負けた時は『もうこれ以上ボクシングをすることは無いかな』と思っていた時期もありましたが、自分の人生を振り返った時に『あの試合が最後で良いのか』と自分に問いかけたときに、それは無いなと思いました」

「そして試合内容自体も非常に恥ずかしいものでもありましたが、そこをしっかりと見直すことによって自分自身、心身ともに成長できていると思っていますので、このまま試合までしっかり仕上げていきたいと思っています」

ーー”リマッチ””リベンジ”など色々な想いがあると思いますが、今回の試合で村田選手自身の位置づけはどのようなものでしょうか?
「位置づけや意味づけっていうのは周囲が勝手に付けるものなので、ただ一つの試合がここにあるということは現実としてありますが、意味を付けようとするならば『これが僕にとっての最後の試合になるのか?それともこの試合を終えてやっぱり村田をもっと見たいよと言ってもらえるのか?』それがジャッジメントされる試合だと思っています」

「こんなチャンスをもらって結果を残せなかったらそこまで。これが最後かもしれないと思うと1日1日を非常に充実して過ごせている。勝ちたいし、倒したい」

ーー出身地の京都からも近い大阪のリングでどのような姿を見せたいですか?
「ベストを尽くします。そして色んなことをここで言ってもしょうがないと思っているので、リングの上で全てを見せますので期待していてください」

「地元から多くのファン、友達、関係者が来てくれると思います。そういった方々に良い試合を見せたいと思っていますし、18歳から東京に来て15年間、だいぶ東京に染まっていますんで試合までに関西弁にしっかり戻せるように練習しておきたいなと思っています(笑)」

ーーアッサン・エンダム戦と合わせて世界タイトルマッチでは2回目の再戦になりますが心境の違いがあれば教えてください。
「やはり違います。完全に負けた、あの夜僕が負けたことは事実で、内容的にも完全に負けた試合でしたので、それからのリマッチということでエンダム戦の時とはシチュエーションが違いますので、感じ方は少し違います」

ーー初戦と何を変えますか?
「あまり具体的な策は対戦相手の前で言いたくないんですけど(苦笑)ただ自分の試合を見返しているうえで非常に反省する点が多かったですし、そういう反省、自省の念を込めて試合に向かうということです。ですので同じファイトをするつもりは全くありません」

ーー前回と違う自分を作り上げる自信はありますか?
「もちろんあります、あまりにも悪かったというのもありますけど、何を言っても言い訳にしかならないですし、それはカッコ良くないので言いません」

「ただ、悪かった点として全く足が動いていなかったですし、相手がバーッと打つので焦って前に出て、ガードを上げて前に出るだけだとポコポコ打たれて逃げられるだけ。足がついてこないのに上半身だけで打ってバランスが崩れていました。『しっかり下半身を作ったうえで打つ』という基本的なことが出来ていなかったので、まず下半身をしっかり作った上で、踏み込みを鋭くして打ち込む。そういった基本的なことを見直してボクシングをしていくことで、全く違うボクシングが出来ると思いますので、根本的な足の動きを重点的にやっていきたいと思っています」

王者:ロブ・ブラント選手(米国)

ーー日本で村田選手の挑戦を受けることについて。
「日本で再戦が決まりました。村田選手にとってアドバンテージといえるのは日本の皆さんのサポートだと思います。そういった中での試合は、私にとって前回の試合以上に大きなチャレンジだと考えています。しかし、この試合に向けて準備をしていますし、真剣に練習に励み、自分にとってより大きなチャレンジに勝つために頑張ります」

「自分にとってのチャレンジではありますが、すごくワクワクしているだけでなく、こうした状況もしっかりと把握しているつもりです。村田選手にとって大きなサポートがあるということはこのビッグマッチによる大きなプレッシャーにもなるということであり、私にはそのプレッシャーが無いということで少し精神的に楽なところもあります。メディアの皆さんも初戦をご覧になったと思いますが、同じような試合を披露して同じような結果を残せれば良いです」

ーーチャンピオンになって変わったことは?
「私の話に耳を傾けてくれることが多くなり、私の冗談に笑ってくれる人が増えたということですね(笑)。まず、やはりトレーニングの時間も増え、注目が集まることも多くなると同時に自分の中でも意識が大きく変わりました」

ーー『初戦と同じパフォーマンスを披露したい』という言葉ですが、プロの世界で初めて経験する再戦についてどう考えていますか?
「再戦ということで同じ相手と対戦するということですが村田選手も前回の試合から倍以上の力を出してくると思っています。それだけの強さを見せてくると思っています。もしも村田選手が倍以上の力を出してくるのなら、こちらは3倍以上の力を持って戦わなくてはいけません。よって前回以上のハイペースな、集中力の研ぎ澄まされた試合になると思っています」

ーー今回の一戦は重要な意味を持つことになると思いますが、世界中に強豪が集まるミドル級でどのようなアピールをしたいですか?
「その通りです。大切な試合になると思います。世界の頂点で戦うだけのポジションに登りつめたといっても、ただ勝利するだけでは許されなくなっています。世界タイトルマッチでファンの皆さんを楽しませる試合をしたうえで勝利することが出来てこそ真のスーパースター、ファンに愛されるボクサーになれると思っています」

「そうなる為にもエキサイティングな試合をして勝利することを願っていますし、そういったことを含めてハイペースな試合になるだろうと考えています。」

ーー村田選手との再戦の話が来た時にすぐにやりたいと思ったか、それとも考えましたか?
「昨年の10月20日に私が村田選手から勝利してベルトを手にしました。その直後からこういう話が来るのではないかなと考えていました。そして初防衛戦のこともあり、試合後は休養を取ることも無くすぐにジムに戻って練習をこなしていましたが、初防衛戦が終わってこの試合が決定したということで、ずっとトレーニングは続けていました」

「この再戦が決まった時の心境は、迷うことなく決断しました。元々、私のホームで村田選手が挑戦をさせてくれたというのがこの試合の始まりで、同じチャンスを村田選手にあげたいと思いました。ですからチャンピオンとして『私も村田選手のホームである日本で戦う』これは当然のことだと思っていますが、結果が変わることはありません」

ーー初戦以上のハイペースなるとのことですが、かなりの手数が話題となりました。その初戦以上の試合が出来るという自信があるということでしょうか?
「初戦以上の試合が出来る自信ももちろんありますし、自分自身がハイペース、そして村田選手が更にペースを上げてくれば集中力の高い、本当に密度の高い試合になると思っています」

「そういう意味でのハイペースと言わせてもらいましたが、パンチの数で言えば初戦以上の数というと難しいのかもしれません。同等もしくはそれ以上のパンチが出せれば良いと考えていますし、パンチ数というより本当に質の高い濃密な試合をして、ファンが喜んでくれるような内容の試合が出来るのではないかと考えています」

「村田選手もより強くなっているでしょうし、ハイペースというのはパンチの数だけでなく質も見てもらいたいという意味です」

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村田諒太選手公開練習(2019.7.3@帝拳ジム)

コメント

挑戦者/前王者:村田諒太選手(帝拳)

ーータイトルマッチまで10日を切りました。
「緊張感もあり、楽しみもあります。両方入り混じった心境です。何度もビデオを見直しましたが、ダメな自分がそこにはいました。だから、十分に反省して取り組んできたつもりです」

ーー試合までの調整について。
「まだ準備は終わっていませんが、ここまで良い手ごたえはあります。あとはコンディションを崩さないようにしてリングに上がるだけという気持ちです」

ーー今回のリマッチについて。
「今までのキャリアもあるし、こうしてチャンスを貰えたことで背負っているものは当然あります。結果を出したい気持ちは変わらないです。あとは勝つだけ。リベンジしたいというその気持ちだけです」

ーー結果へのこだわりについて。
「前回の悔しい気持ちがあるので、ぶん殴って倒したい、勝ちたいという気持ちです。ベストの僕を見せます。面白い試合をします」

ーーこれから試合までの調整について。
「今日から本格的な減量に入る予定なので、これからは減量を軸とする練習になってくると思います。スパーリングについては明後日で終える予定です」

ーーブラントの手数と足にどう対策を練ってきましたか?
「まず前回の試合は相手の手数に棒立ちの状態でした。そこにワンツースリーと打たれて、顔を跳ね上げられて。印象点を持っていかれました。まずは棒立ちにならないように練習してきました。足腰をしっかりと鍛えてきたつもりです」

ーーそれで止められそうですか?
「前回のような試合にはならないと思っています。そして初めから行くつもりです。自分から出て行ってその流れのなかでKO出来れば良いですが、結果はKOだろうが判定だろうが自分で流れを作っていくことが重要と考えています。前回は様子を見ようとして序盤から流れを持っていかれたことが良くなかった。スパーリングでもスタートからしっかり動くよう心がけて練習してきました」

ーー今回は日本での試合とあって調整もプラス面が多かったのでは?
「はい、例えばリラックスしたいと思っても家族と居ることでかなり楽になりましたし、例えばサウナに行こうと思えばスッと行けるのは良かったです。そして迷いなく練習出来ていることも大きいと思います。スパーリングでもああしよう、こうしようとなる時もありますが、駄目な時の自分を分かっていることで、腹を決めて行けるし、いろいろなところで役立っていると思います。気持ちよく練習出来ています」

ーー練習は主にカルロス・リナレス・トレーナーが担当するようになったとのことですが、どのような変化がありましたか?
「自分のなかでどう変わったかというよりもリング上でどうパフォーマンスとして出せるかが大事なのであって、自分の中で変革とか生まれ変わったとかいうのはちょっと違うと言うか、変わったか、変わらなかったか、すべては7月12日の結果で評価が下される訳で、自分としてはそこに向けて一生懸命にやることが大事だと思います」

「スパーリングも予定通りにこなすことが出来ました、試合間隔が開いたことで早めにスパーリングパートナーを呼んでもらい、色々とやってきましたがやる事はやってきたと思っています。前回の試合は自分のパフォーマンスが不甲斐なかった。自分のボクシングが出来て負けるということはあまりないけれど、自分のものを出せないまま負けたことは大きかったです」

浜田剛史氏(帝拳ジム代表)

「前回は『この試合に勝って、ゲンナディ・ゴロフキンと戦う』と、先のことしか考えていませんでしたから。今回は良い状態が長く続いていました。何か課題が見つかっても、すぐに矯正ができていたと思います。これは今までになかったこと。技術面、精神面で最高の状態に仕上がった。あとは12日の試合を待つだけ」

ネイサン・ピピトーン氏(ブラント陣営アシスタントコーチ)

「前回の試合よりもパワーアップしていると感じたし、ムラタの調子は良さそうだね。今のスパーは見ていてすごく楽しかった。過去の試合映像を見て、ムラタの持っている力をいろいろと見てきた。今日のスパーを見る限りだと、もともとのムラタの良さが1つレベルを上げた感じだ。前回よりパンチは多く打っているようにも見えた。ただ、それはブラントに隙を与えることになる。ブラントのパンチは前回よりも当たるだろう」

「ムラタとの1試合目は(トレーナーの元WBA世界ライトヘビー級王者エディ・)ムスタファ(・ムハマド)と組んで初の試合。今回は3試合目。ブラントもエディとの関係性が向上しているし、ムラタもレベルアップしているからいい試合になるだろう」

「こちらは全て対応する準備ができている。結果は同じになる? Yes!」

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ロブ・ブラント選手公開練習(2019.7.4@帝拳ジム)

コメント

王者:ロブ・ブラント選手(米国)

「今日は私のためにたくさんの記者が集まってくれてありがとう。まずは私のほうからあいさつしましょうか?」

「とても素晴らしいコンディションだよ。雨の多い時期と聞いていた日本の湿度に合わせようと思い早めに日本に入ったのが良かったと思う」

「高地トレーニングでスタミナ強化を図ったし、ムラタの戦法に対応するテクニックも身につけてきた。前回はハイペースな戦いだったが、今回はそれ以上にハイペースな戦いを見せるつもり。ムラタのホームで戦うことになる。最高の出来をさらに上回る出来でないと、勝つことはできないと思っている」

「私を追いかけてくる人がたくさんいる。パーティーに明け暮れているわけにはいかない」

ーー村田選手が「倒したい」と言っているが?
「自分に勝つためには判定ではなくKOしかないと考えてのKO宣言だと思うよ。これまでムラタに敗れた選手は、パンチを恐れて戦ったからだろう。私はムラタに恐れの気持ちは一切ない。ムラタは大きなパンチを狙ってくるだろうけど、それに対するゲームプランは立てている。私にパンチを当てることはできないだろう。ムラタを倒すのみ。フルに戦い抜いても勝つことになるだろう」

「エンダムとの2連戦では初戦の採点を踏まえて、より積極的に出たことで再戦は好結果に繋がったのだろうけど、私はエンダムとは違うからね」

エディ・ムスタファ・ムハマド氏(ブラント陣営トレーナー)

「明日でも戦えるよ!」

浜田剛史氏(帝拳ジム代表)

「予想通り。左で構えたり、器用な選手で、一発強打ではなく、数を打つと言うリズムがある。初防衛戦を見ても自信が出てきた」

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予備検診(2019.7.9@ホテルグランドパレス)

王者:ロブ・ブラント選手(米国)

  • 身長:182.0cm
  • 頸周:39.0cm
  • 胸囲:103.0cm
  • リーチ:192.0cm
  • 血圧:142/90mm/Hg
  • 脈拍:64/min
  • 体温:36.4℃

「最高の気分ですし、体調も順調に調整できている。ありがちな表現になってしまうが、今までで一番よく仕上がっている。ムラタもとても順調に仕上げている印象。最高の状態で来ると予想していた。彼はリベンジを目指してきたが、自分の腕が最終的に挙がることを期待している。トンネルの先にある見える光を見ながら進んでいる。最後は自分が必ず勝つ」

「(公開予備検診は)私にとって新しいことだが、新鮮で楽しんでいる。日本に来て今までになく大きな試合。この一瞬一瞬を楽しんでいる。この試合に向けて覚悟を決めてきた」

挑戦者/前王者:村田諒太選手(帝拳)

  • 身長:183.0cm
  • 頸周:40.0cm
  • 胸囲:99.0cm
  • リーチ:189.0cm
  • 血圧:140/72mm/Hg
  • 脈拍:58/min
  • 体温:36.6℃

「特別な気持ちはない。僕の方が体はしっかりしているし、パワーも僕の方が絶対にあると思うし…測り方でどうにでもなりますから。何年間も通して体も変わることはない。いつも通り。ここまでの練習は最高のものができた。自信はある。ただ、計量もあるし、試合当日まで気を引き締めたい」

「熱くなりすぎないように感情のコントロールをして、試合でやるべきことに集中するだけ」

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調印式(2019.7.10@ホテル日航大阪)

コメント

王者:ロブ・ブラント選手(米国)

「昨日もコメントさせてもらいましたが、とても良いコンディションで自信を持って試合に臨めます。今回は新しい栄養士にも付いてもらい、しっかり三食を摂ってコンディションを崩すことなく体重を落とすこと出来ました。(初戦のパンチ数)記録を破るくらいのつもりで臨みます」

「ムラタはプロの世界でチャンピオン、アマチュアでもオリンピックの金メダリストというなかなか出来ない功績を残した選手だと考えています」

--唯一の黒星もドイツでのアウェー、今回もアウェーですが?
「確かに唯一の黒星はアウェーでのものですがあの敗戦はそういった状況に負けたのではなく、対戦相手に負けたものだと考えています。日本はとても優しく接してくれてオープン。戦う場所はリングの上だし、それは変わるものではありません。今回は世界チャンピオンとしての使命を持ってしっかりと戦いたい」

--リマッチはやりにくいという声もあるが?
「ムラタがエンダムと戦った2試合とも映像で見ています。再戦の方がよりKOを狙っているようにも映ったが、私との再戦でもそういった違いは見せるかもしれない。私がKOされることは無いけれど、しっかり気を締めて臨むつもりです。難しいリターンマッチでがエキサイティングな試合になると思っています」

--勝敗の鍵について
「ムラタも初戦からしっかり対策を練ってくるだろう。あとはリングの上で私がどれだけその異なるスタイルに調整できるかが鍵だと思っています。しかし私にはその対応力があると思っているし、自信もあります」

--東京と大阪の気候の違いについて
「私は日本に来る前にラスベガスで8週間キャンプを積んできました、とても標高が高く、乾燥していましたが日本に来て湿度にもしっかり対応出来ていますし、東京と大阪の違いにも対応出来ている、と思っています」

挑戦者/前王者:村田諒太選手(帝拳)

「ここまですぐでした。この歳で時間の経つ速さを感じてるというのも珍しいと思います(笑)。今回は結果を残さなくてはいけない、敗戦を受けてボクシング面、人生面、良い経験をしたと思っています」

「あとはリングの上で見せるだけ、今までやってきたことを出すだけです。良いトレーニングキャンプもこなしたし、良い練習も積んできました。それを出すだけだと思っています」

--久しぶりの関西圏での試合だが?
「大阪でのリングは関西弁で応援、それに野次が飛びます。タイガースを見ていてもすごいですが、野次られない試合をします(笑)」

「トレーニングしてきたことを出す、それだけです。アウトボクシングしようとするブラントにどうパンチを当てて行くことが出来るかが鍵になると思います」

--具体的に初戦とどこが変わったのか?
「リングの上で見せるとしか言えないです。

--目の前のベルトを見て?
「必ず取り返すという気持ちです」

本田明彦氏(帝拳ジム会長)

「前回よりも、あと“これだけ”(5cm程度)の距離を詰められるか、だね」

浜田剛史氏(帝拳ジム代表)

再戦は相手に知られているやりづらさよりも、相手を知っているやりやすさをいかに出すかだ。初戦でブラントは村田を研究し、オーバーペースとも思える積極的な闘い方で快勝した。いまさら村田を前に出させるようなアウトボクシングをしてくるとは考えづらい。

だからこそ、序盤に村田が初戦とは違う流れをつくれるかが鍵を握る。そのために必要なのは打ち合いだ。前回はガードを固め、距離を詰めてから打とうとして先に打たれていたが、今回は多少強引でも最初から打てばいい。ブラントが打つ距離は村田にとっても当たる距離。相打ちになっても、3発打たれたら2発返すこと。パワーでは村田が上だ。

序盤は手数でポイントを取られても構わない。相手の足を止めるボディーは、無理に狙わなくても打ち合いの距離になればコンビネーションで狙える。もし、ブラントが打ち合わずに下がるようなら得意の追いかける形にも持ち込める。今はどの攻めが最適か、瞬時に判断して出せるかの対応力も重要となる。

前回、村田は風邪をひいて調整に影響し、試合前は「次はゴロフキン」と言われて「次へつなげる勝ち方」にこだわらざるを得なかった。だが、今回は勝ちさえすればいい。初戦とはそこが大きく違う。(スポーツニッポン「浜田剛史かく戦え」より)

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前日計量(2019.7.11@ホテル日航大阪)

リミット

  • 160ポンド=72.5kg

王者:ロブ・ブラント選手(米国)

  • 体重:159.25ポンド=72.2kg
  • 血圧:123/89mm/Hg
  • 脈拍:77/min
  • 体温:36.2℃

「ムラタの体調は良さそうで良い試合ができると思う。それは喜ばしいこと。フェイスオフでムラタの表情を見て準備ができているなと思った。エキサイティングな気持ちになったよ」

挑戦者/前王者:村田諒太選手(帝拳)

  • 体重:159.5ポンド=72.3kg
  • 血圧:148/86mm/Hg
  • 脈拍:56/min
  • 体温:35.8℃

--計量を終えました
「ほっとしてます。相手もパスしてくれたし。プロにきてこんなに自信があるのも初めて。良い感じで仕上がっていると思います」

--抑えていた闘志を爆発させるだけ?
「リングに上がった時ですね。それまではいつもの自分でいようと思いますし、無駄なエネルギーを使わずにリングの上で全て爆発させようと思います」

--20秒近く睨み合いました
「フェイスオフは2回目で、2回目のが楽ですね。1回目は何だこの野郎と思ってしまうところがあるので。そういった意味ではフェイスオフも楽でしたね」

--計量で意識したことは?
「体重を落としすぎないように。結構、早めに落としてしまうので。そんなに落としすぎないように計画的にできたかなと。これから炭水化物中心に食べます。脂質とかタンパク質を取っても消化に負担かけるだけなので。まずはパスタを食べたい」

--前回のブラント戦と違いますか?
「今回の方が落ち着いている気がする。あの時は、どこか浮ついていたかもしれない。前回は計量の時に相手に対してイラついていたんですけど、計量会場で『KOします』と宣言したり、そういうイラ立ちもなく落ち着いている」

--やることがブレない?
「やってきたことをやるだけなので、今更かっこつけることもなく、虚勢を張ることもなく、偽善もすることもなく、何もする必要はないと思っています。今はそういう精神です。いつもそんなに慌てているタイプじゃないですけど、敵地にいる時、米国とか第三の地でやる時にパフォーマンスが悪くなってしまう原因の1つって何かなと考えると、プレッシャーから解放されていることが1つなんですよね。見ている人が日本より少ないし、そう思うと国内でやるプレッシャーは僕にとってはすごく必要なことだと思いますし、今回それを感じています」

--明日の意気込みは?
「絶対勝ちます、それだけです。絶対に勝たなきゃいけない試合なので、絶対に勝ちます」

「彼(ブラント選手)も人間として良い人なんだと思いますし、その辺りをリスペクトしながら、明日は全力を出して頑張ります」

「また明日、(勝利に場合のみ一夜明け会見が行われる)明後日もよろしくお願いします」

食事後

「計量を終えて食事もしっかり摂ることが出来ました。まだ体重は測っていませんが、増え幅はこれまどとほとんど変わらないと思います。いつも通りの量といえる食事でした」

「メニューとしてはやっぱりメインは炭水化物系ですね、しっかりリカバリー出来ると思います。それにしてもお腹いっぱいという感覚は久しぶりなんですけど、食えない時間の食べ物に対する渇望の度合いの割には、いざ食べ始めるとそれほどでもない、というこの現象は”ボクサーあるある”ですよね(笑)」

「昨日も一昨日もしっかりと寝ることが出来ていますが、今日も普通に眠れると思います。お腹もいっぱいだし(笑)。しっかり休んで明日に備えます!」

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勝敗オッズ

ウィリアムヒル(英・オッズメーカー)

王者:ロブ・ブラント選手(米国)

1.28倍(2/7)

挑戦者/前王者:村田諒太選手(帝拳)

3.5倍(5/2)

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試合結果

WBA世界ミドル級タイトルマッチは前王者で同級4位の村田諒太選手が同級王者のロブ・ブラント選手(米国)に2ラウンド2分34秒TKO勝利氏、王座奪回に成功した。村田選手は15勝12KO2敗とし、昨年10月の雪辱を果たした。敗れたブラント選手は25勝17KO2敗となり、同王座2度目の防衛に失敗した。

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試合動画

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コメント

勝者:村田諒太選手

テレビ勝利者インタビュー

 

控室囲み取材(2019.7.12@エディオンアリーナ大阪)

――勝利直後の心境は。
「早く止めろよと思っていた。ホッとした」

――やりたいことができた?
「やりたかったのは相手に起こされないこと。特にワンツー、スリーに対して、前は棒立ちになったので。その足腰の強さは練習でやってきて、それをやりたかった。あの左フックであんなに効かせることはやりたかったことじゃない。試合の結果は良かったけど、やりたかったことは倒した、倒してないじゃなくて、実はもっと地味なことだった」

――ブラントが前に出てきたのは予想外?
「ビックリしました。『こう来るか』と。そこで会長が『前だよ』『前で殺せ』と言ってくれた。それが功を奏した。ボディーが2回くらい当たって、それが効いたかなと」

――2回で決めきりました
「もう一度、ダウンを取らないといけないと思って攻めました」

――左フックは狙いだった
「スパーリングのときから左フックは利かせていた。結局、練習でやってきたことしか出ない。練習は嘘をつかないというけど、練習は嘘をつく時も多いけど、練習でやってきたことしか出ないということをアマチュアで150戦くらいとプロでやってきて実感しました」

――相手の心を折ったと感じた瞬間は?
「一度ダウンを奪った後、顔ばっかりいっても仕方ないと思ってボディーを打ったら、相手が嫌な顔をした。そこで折ったと思った」

――入場はいつも笑顔だが、今日は引き締まっていた。
「この試合が最後になるかもしれないと思う気持ちもあったので、絶対に後悔したくなかった。あとは練習でやってきたことを出すだけ。怒ってはなかったけど、考えないでおこうと思っていた。瞑想みたいに無になって、呼吸だけに集中していった。ゴングの瞬間は冷静でした。スパーリングをやる時のルーティーンをやって、落ち着いていた」

――聞こえた声は?
「『そこ前だよ!』という会長の声はものすごく聞こえました」

――ここまでがむしゃらに手を出したのはプロになって初めて?
「初めてだと思う。相手あってのものなんでね。かみ合ったのだと思います。今日は僕の夜だったし、前回は彼の夜だったし。早いラウンドで決着ついたのは結果論」

――前に出ることに怖さは?
「僕もミドル級ですから。それは自分で言うことじゃない。僕もミドル級だし、ミドル級のボクサーで逃げるのもチキンだし。スパーリングでやったことしか出ない。ここ(控室)を試合前に出る時に、会長に『僕みたいなもんにチャンスをくださってありがとうございます』と言いました。こんな舞台に立てることを感謝して、ヘタレな自分をカバーしている」

――不安はなかったか?
「不安がないわけないでしょ。不安がなかったら、ルーティーンなんてやらないし、こんな哲学的なこと考えないし。不安はあっていいと思う。不安があるから頑張るし、不安があるから成長していると思うし、不安があるから見ていただいて共感していただけると思う。自分はヘタレやし、それでいいと思う」

――引退か迷って再起を決断したことについて、今思うのは?
「そりゃ良かった。この結果が出て。会長が跳ねて喜ぶことなんて見たことなかった。一番、お世話になっているから、そのシーンを作れて良かった。僕は、個人っていうは一つの歯車だと思う。南京都高校が居場所をくれたし、東洋大も居場所をくれたし、帝拳でも一部でいられる。生きていく上で居場所があるって大事なこと。それを歓迎してくれるのは嬉しいですね」

――チーム帝拳に支えられたことは?
「僕らにしかわからないことがある。あの場で一緒に汗を流して、僕らにしかわからないつらさも、嬉しさもある。南京都(高校)と一緒なんですよ。南京都にも魂があるし、東洋大にも魂があるし、帝拳ジムには帝拳ジムの魂がある。そこに宿っている。そこにいることで影響があるし、そこで絆が深まると思う」

――次に見据えるものは?
「あんま言いたくないっすわ(笑)。先のこと。気が大きくなってるから、先のこと言うのはやめときましょ。今までの感覚なら東京ドームの試合とか思っていたが個人のことはあまり言いたくない。僕個人というより、チーム帝拳が居場所をくれたので、バトンをまでやりたいという気持ちはありますが、今はやめておきましょう」

独占手記(スポーツ報知より)

ブラントに雪辱することができた。なによりもホッとした。もうしばらくしたら喜びがわいてくるかもしれない。充実した練習ができていたから、やりきった感じはある。こんな結末だったけど、今日は僕の夜で、前回はブラントの夜だっただけと思う。

復帰戦でいきなり再戦ができたことは、本田会長を始め、チーム帝拳のみんなには感謝の気持ちしかない。エンダムとの再戦も含め、チャンピオンベルトを持たない、丸腰の立場で3度も世界戦に挑めた。五輪の金メダリストでなければ、こんなにチャンスをもらえない。金メダルは何かと重たいが、またプラスに働いた。

昨年12月に現役続行を表明する前、妻には普段の会話の中で思いを伝えた。妻は何も言わなかった。ロンドン五輪の後、アマチュアからプロ転向を初めて相談した時は猛反対されました。それはアマチュアで競技を続けられないとか、後ろ向きな理由だったから。もう一度、思い返し「プロの世界王者でラスベガスのリングに立つ」という昔の夢を伝えたら許してくれました。今回も、妻は僕がやり尽くしているように見えなかったようです。

チャンピオンの頃は雑念が多かった。流されやすくて、ボクシングもいろいろと変化を求めていた。楽をしてしまうんです。基本の繰り返しが大切だけど、周りが言えば「そうかもしれない」と思ったり…。勝つための必殺技みたいなもの、スペシウム光線が常に欲しいと思っていた。地に足がついてなかった。王座を守るためには地道なことをするしかないのに…。そこに気づかなくても倒せていたし、勝てていた。ブラントとの敗戦で気づかされた。

世界王者でなくなった時、喪失感はあまりなかった。むしろ王者だった時に失ったものもあると思う。周りからちやほやされ、自分が自分でなくなるみたいな感覚があった。「チャンピオン!」と呼ばれ、近づいてくる人もたくさんいた。もちろん、世界王者は価値あるものだけど、本来ある村田諒太の価値ではない。王者の時と、そうでない時の自分。人としてどちらがいいのか。年齢を重ね、経験もあり、今の方が内面を成長させられている。

世界チャンピオンであっても「王様」にはなりたくない。メンタルまで横柄になるのは嫌。人間、自分を省みることがないといけない。自分にも嫌な側面を見ることがある。これからはどこまで自省できるか。人生の課題になると思う。

ボクサーは面白いもので、勝ち負けで見える景色が変わってくるんです。エンダムとの再戦の前は重圧が苦しくて「この試合が終わったら勝っても絶対に辞めてやる」と思っていた。でも今は続けている。今夜も違った景色がありました。

先のことは何も考えていない。完全燃焼できたと思えるなら辞めるかもしれない。ここまで来たら「(ミドル級ライバルの)アルバレスやゴロフキンと戦いたい」と思えば続ければいい。すがらないことは大事。僕がボクシングにすがっていて、辞めるべきタイミングでも続けていたら誰かに言ってもらわないといけない。一つ言えるのは、幼い頃から描いていたラスベガスでのビッグマッチの大きな夢へ、8合目まで来ましたかね。

一夜明け会見(2019.7.13@ホテル日航大阪)

――試合が終わって一夜明けた心境は?
「朝起きたら昨日のことが夢かと思ったが、こうやって目が覚めても記者の方が来てくれているから夢じゃなかったんだと。それが嬉しいですね」

――映像は見た?
「見ました。昨日、京都の後援会の祝勝会で映像が流れていたので、記念撮影をしながら傍目にそれを見てた感じですね」

――映像を見た印象は?
「パワーはあったと思いますし、今までの17戦の中で1番いいパフォーマンスだったと思います。全体的な体のパワーということで考えると、あと気持ちの面でもプロキャリアの中で1番いい試合だったと思います」

――会場の雰囲気はどう感じた?
「とても良い雰囲気だったと思います。エンダム2戦目の時にNIKEさんが作ってくれたイベントのTシャツ ” MAKE THIS OURS” にもあるように、世界タイトル戦って自分一人で作るものじゃないし、みんなで作るものだなって、あらためて思いました」

――勝因は?
「やっぱり練習ですね。ハードなトレーニングをしてきたこと、あとは周りのサポート、そして少しの運。それだと思います」

――達成感は?
「どうなんでしょうね。もう少ししたらというか、人生が終わる時に、これがどうだったと意識するかもしれないですけど。現実感というか、これだけの人が集まってくれることが出来たんだなということを今、現実として受け止めている感じですね」

――反響は?
「めちゃくちゃ来ていて3時頃に眠り始めたんですけど、5時くらいに電話が来て起きちゃいまして、そこからお礼の返信をしていたんですけど、さっきまで返信してました。本当に多くのお祝いの連絡を頂戴しました。でも自分自身の心の汚さが出るというか(笑)『ありがとうございます』の一言で終わらせたりする方もいたりで、悪い自分がいることを感じましたね」

――今一番やりたいことは?
「試合に向けての練習期間からコーヒーを飲んでないんですよ。練習の時にテンションをMAXにしたのでカフェインを摂らないようにしていたんです。なので、パンとコーヒーを。パンを食べながらゆっくりコーヒーを飲むということを3、4カ月してなかったので、それをしたいですね。でもああいう嗜好品って許される贅沢ですよね。それをまた味わいたいです。好きなパンと好きなコーヒーを楽しむことが許される贅沢っていうのもありがたいです(笑)」

――因縁の相手に勝ちたいという気持ちが強かった?
「相手もですけど、前回の自分のパフォーマンスに対してっていうのもあるので、“あれが最後でいいのかよ”って自分への問い掛けは常にあったので、それをクリアできたってことは少しは自分をほめてあげてもいいのかなと思います」

――家族からはどんな言葉を?
「息子はすぐに抱きついてきて喜んでくれましたけど、『日曜、野球やれるの?やっぱりパパがキャッチャーみたく座ってくれた方が、オレ調子良いよ』 って言うんです。試合2日後に中腰はつらいな、と思いましたけど、それも良いですね」

――解放された喜びもある?
「そうですね。家族との時間とコーヒー、それが今の僕の渇望しているものです(笑)」

――今後の予定は?
「まあ7月いっぱいはゆっくりしようと思っていますが、2ラウンドで終わっているので、あまり長いのは良くないと思うし、肉体的なダメージも今回は少ないですし、スパーリングで蓄積した疲れはありますけど、長くても7月いっぱい休んで…長くてもです。僕のことなんで1週間も休んで、ちょっとそげた肉に脂肪が付き始めころに気持ち悪いってなって動き始めると思うので、そうなったら徐々にスイッチを入れていけばいいのかなと思います」

――今後の対戦相手については?
「今回すごくモチベーション高く保てたのは負けたっていうのもありますし、相手っていうのもありますし、やはりモチベーションを高く保てる試合が必要だと思います。それを望みたいですね。僕がプロの世界に来る第一条件として帝拳ジム、帝拳プロモーションのサポートというものがありました。そういった事も全て帝拳ジムに任せていますので、これからも決められた相手とやるだけという気持ちです」

――エマヌエーレ・ブランダムラ戦では慣れないフックで倒したことで肘が痛いと話していましたが、今回はどこか痛みなどありますか?
「あまり慣れない連打を出したので腰が痛いですね(笑)。でもこういった連打は練習自体はしてきたつもり。筋肉痛など痛みが出るということはやはり練習自体がまだ試合を想定したレベルではなかったのかもしれません。今回の戦いは1つの自信をくれたと思います、(前に出て好戦的に行く)これが基本的な戦い方だとは感じています。この部分でもっと自分を高めていければと思っています」

――試合の中でブラントの印象については?
「初回からボディも効いていたと思う、顔面にも入った良いパンチがありました。手ごたえは確かにありましたが、具体的にどのパンチがというのはしっかり映像を見直していないので、いつのパンチかというのはわかりません」

――今回のスタイルが原点回帰と言えるのか?
「それは難しい、これが原点か、どれが原点か、アマチュアの時だけでも世界選手権の時や他の大会の時とはそれぞれ違っています、なので今回が原点かと言われると分かりません。ただ言えるのは自分にしっくりときた形でボクシングが出来ていたと思います、それが原点かと言われるとちょっと分かりませんが」

「前回、ブラントはワン・ツー・スリーと出してきて、それで身体を起こされたのが向こうにとっては効果的だったと思います。確かに僕自身、アップライトというか突っ立った状態になると良くないので、スパーリングをやっている中で突っ立たないように、起こさないように注意してきました」

――自分でも爽快感を感じるダウンだったのでは?
「確かにあそこで倒れたから爽快感を感じますけど、倒れなきゃ疲労感だけが残ってましたからね(笑)。でもそういう倒せるようなしっかりとしたパンチを出せたということが大事なんだと思っています。当たっても倒れるか分からないようなパンチではなく、しっかりパンチを振れることが大事なんだと思います」

――あそこでTKOにならず長引いていたら苦戦する展開もあったのでは?
「確かにあったかもしれません、でもアッパーからボディを打っていったり、最悪、倒せなくても致命的なダメージを与えておこうとは思いながら上下に打ち分けたり考えていました、意外と冷静にやれてた部分はあります」

――久しぶりに地元と言える関西圏のリングでしたが?
「今回も後援会の方々と接したり、ものすごい人の数だな、やっぱり地元だな、と感じました。とても大きかったです。今回の勝利も皆さんの応援のおかげだと思っています。これからも皆さんが楽しんでもらえるような試合をしていきたいと思います」

敗者:ロブ・ブラント選手

「最初から行ったのはプラン通りだった。ただ、行き過ぎたかもしれない。スタートは良い流れだったが、やはり彼はパンチがあるので初回の攻防で効いてしまい、リカバーできなかった。ムラタはやるべき宿題をしてきたという印象。初戦はそれを私ができたのだが…」

「距離感を誤ったのは自分のミス。あれだけの大歓声だったので私も戦いを見せたかった。自分から動いて追わせる狙いもあった。彼は前に対戦した時とは、少し違っていた。右手の角度を変えてきたり、野球のバットを振るスイングのようなものもあった。その中で自分のガードを掻い潜ってパンチを当てられてしまった」

「(日本のファンは)情熱的な応援を送ってくれた」

「(再々戦をしたいか問われて)イエス。レフェリーの正しい判断で、幸いにも体は痛んでいない。4カ月ほど期間を置いてナンバー3″があってもいいと思う」

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関係者コメント

ボブ・アラム氏 プロモーター/米・トップランク社CEO

「ムラタは前回負けた時、自分を恥じる気持ちがあったと思う。必死になって、今夜は本当のチャンピオンらしい試合をした。ブラントに真剣に立ち向かい、自分のパンチ力を証明した」

「いずれサウル・カネロ・アルバレスと戦わせたい。ムラタの才能はカネロに勝てる可能性を秘めている」

本田明彦氏 帝拳ジム会長

「去年の12月に決めてからここまで長かった。良い状態が試合まで持つのかどうかと。本人はもっと長く感じたのではないか」

「今回は練習でいいパートナーに恵まれて厳しくやってきた。右アッパー、右ボディーが”決め手”になるんじゃないかと思うくらい良かった」

「前回と別人だった。徹底的に対策を考えて、その通りやってきた。でも、一番は気持ちですよ。何しろ半歩前。避けるのも半歩前、攻めるのも全部半歩前。その勇気があるかないかで今日の試合は決まり。その勇気はさすがです。何しろ手を出せと。倒さないと勝てない試合に倒しにいった。まさか2ラウンドとは思わなかったが、ワンサイドで技術的に完全に負けた後に、なかなかこういう試合はできない。村田は持っています」

「前回はハングリーじゃなかったけど、ここまでやれたのはあいつの凄さ。リングでやったことは全然違う」

「ブラントに勝てなきゃ仕方ない。トップランクのおかげです。トップランクが試合を決めてくれて、助けてくれた。非常に感謝しています」

「実力を出せば負けないと思っていたけど、ちゃんと出せるのはやっぱり持ってますよ。前回、あんなに跳ね上げられたのに、こんなのは中々ない。(長いプロモーター生活で最も感動した試合の一つ?)そりゃそうですよ」

「こんなボクシング、なんでもっと早くできないの?って思う(笑)。でも、負けたからやったんです。オリンピックまで獲った人だから、自分のボクシングに自信を持っている。変えようと思っても…。やっぱり、ああいう負け方をしたから変えたんです。聞く耳をもって変えたのは凄い。器用だからね。それをまたリングでやったというのがね」

「本当の超一流がいる。本人はそれとやりたくてしょうがないんだから、(対戦相手に)選んでくれることを祈ります。ただの防衛戦なんてしないだろうし、今回は何も動いていないが、今回の試合がどう評価されるか。選んでくれたら最高ですよね。カネロにしろ、ゴロフキンにしろ。また大変になるね」

浜田剛史氏 帝拳プロモーション代表

村田は想定通り、練習通りの闘いをした。前回は相手のパンチをブロックしてから距離を詰めて打とうとしていたが、ブラントが打ってくる距離は村田のパンチも当たる距離。今回は最初から相手に合わせて打つ練習をしてきており、闘い方は1カ月以上前には完成してリングに上がれる状態だった。

普通、試合まで1カ月の間には調子の波が来るものだが、今回の村田は調子が悪くなることがほとんどなく、スパーリングがやや悪いときも一日休めば元に戻っていた。手数が多いブラントに3回までポイントを全て取られるのも覚悟で打ち合い、流れをつくれればと思っていたが、完勝して自信をつけた相手が前回より前に出てきてくれたのが逆によかった。同じように当たるのなら村田の方がパンチは強い。打ち合う距離で打ったから、前回に比べてボディーも決まっていた。

早いラウンドで決着させるつもりはなかった。1回でも10回でも倒せば同じという意識だった。ただ、相手がぐらついているところで、このラウンドで終わらせようとラッシュした村田の判断が完璧だったのではないか。再戦が決まってから積み上げてきたものが、結果的に6分間に凝縮されたと思う。スパーリング開始直後に風邪をひいて調整に影響があり、海外での試合だった上に、対戦を目指していたゴロフキンが敗れるなど、前回は普通に戦える状況ではなかった。今回は日本での開催で練習通りの内容と、村田の実力がそのまま出た試合と思っている。(「浜田剛史の目」より)

大橋秀行氏 元WBA・WBC世界ミニマム級王者/大橋ボクシングジム会長

感動した。すごいものを見せてもらった。やっぱり村田は持っている。ミドル級で大差負けからの再戦に大方はブラント有利の予想。それに勝つだけでなく、2回で倒しきった。歴史に残る試合だ。

最初のゴングでブラントは走って出てきた。初防衛もして、より強くなり、自信も持って攻めてきた。これに対して、村田は腹をくくって前に出た。心意気、ハートが違った。

パンチをもらっても前に出た。前戦では、パンチをもらうと前に出られず後手に回った。しかし、この日は負けずに迎え撃ち、前に出てプレッシャーをかけた。打たれても距離をつぶし、追い足もあり、ボディーもよく、重戦車のよう。1回で勝てると思った。

この勝利でボクシング界は“半端ない”盛り上がりとなるはず。村田もまだまだいける。アルバレスやゴロフキン戦も、夢でなく現実的になった。

以前は世界戦といえば悲壮感があった。井上尚弥と村田の2人はそんなそぶりもなく、リングで集中して結果を出す。他競技で活躍する選手もそう。これからの日本を支え、変えていく存在といえる。ボクシングの魅力、すごみを存分に見せてくれ、お礼を言いたい。

井上尚弥選手 3階級制覇王者/WBA・IBF世界バンタム級王者

「感動し過ぎて、人のボクシングを見て、初めてうるっときた。村田さんは頭が良いので、前の試合から戦い方を変えた」

伊藤雅雪選手 前WBO世界スーパーフェザー級王者

「すごいの一言です。感動しました。勝つならこの展開だと思ったが、それを実行できるの難しいのだが、村田さんは持っているなと思いました。日本のチーム力を感じたし、村田さんがすごかった。悔しいので僕もまた世界王座に戻れるように頑張りたいなと余計に思いました」

長谷川穂積氏 元世界3階級制覇王者

負けることは悪いことじゃない。失敗のおかげで一番強い村田諒太が完成した。失敗が一番の糧になり、負けから何を学ぶかが一番大事だということを村田選手は証明した。そして、リングからそのメッセージをすべてのスポーツ選手へ届けてくれた。

3週間前に僕が練習を見せてもらった作戦どおりの展開だった。よく動くブラントには頭や上半身に当たらないのでボディーを狙う。ワンツーで終わらず手数を出し、しかも的を絞って一発一発力を込めて打つ。相手が右に回れば右ボディー、左に回れば左ボディーと動く方向と逆のボディーを打つことで相手の動きを止められる。

ただ、練習でできても試合でできるかはまた別の話。しかも、再戦で相手には勝った自信があり、こちらには負けたトラウマがある。この試合への重圧はすごいものがあったはずだ。しかし、その中で練習してきたことをすべて実行できた精神力にも感服する。

心から「おめでとうございます」と伝えたい。そして、早く次の試合が見てみたいし、もっと強い相手との試合が見てみたい。(「長谷川穂積の拳心論」より)

山中慎介氏 元WBC世界バンタム級王者

「前の敗戦を全部生かして倒した。大した男だとしか言いようがない」

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