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辰吉寿以輝 vs. 中村誠康
Juiki Tatsuyoshi vs Masayasu Nakamura
- 2019年12月17日 火曜日
- 第81回ドラマチックボクシング スーパーバンタム級8回戦
- WBO Asia Pacific バンタム級10位/日本バンタム級5位 中村誠康(TEAM10COUNT) vs 日本スーパーバンタム級14位 辰吉寿以輝(大阪帝拳)
- エディオンアリーナ大阪 第2競技場(大阪府)
- 14:00開始
チケット
前売り券(税込)
- リングサイド-10,000円
- 指定席 -6,000円
- 立見 -3,000円
ネット配信:あすリートチャンネル
配信日時
2019年12月17日(火)18:15〜
スーパーフェザー級:岩﨑亮(大阪帝拳)vs後藤義敬(SFマキ)
ライト級:村山豪輝(エディ)vs伊集院嵐
57.1kg契約:ロリ・ガスカ(大阪帝拳)vsジョー・テホネス(フィリピン)
59.5kg契約:脇田将士(ミツキ)vs宮本知彰(アポロ)
スーパーバンタム級:辰吉寿以輝(大阪帝拳)vs中村誠康(TEAM10COUNT)
解説
Coming Soon…
記者会見(2019.9.17@大阪帝拳ジム)
コメント
吉井寛会長
「なかなか上位の選手と試合を組むのが難しかったのですが、日本ランカーとようやく試合ができるようになった。しっかりした立派なボクサーに成長してきている。あとはがむしゃらではなく、試合の流れを作れるようになってほしい」
「節目の試合になる。タラレバですが、この試合の結果次第で来年は日本か、OPBF(東洋太平洋)か、本格的にタイトルに向かっていくことになる」
「(バンタム級で挑戦する可能性は)ゼロではない。チャンスがあれば狙いたい。間口は広げておきたい」
辰吉寿以輝選手
「5位の日本ランカーと試合が決まってうれしい。7勝6KO(3敗1分)の相手ですが、負けないです。僕の方がパンチがあります。必ずぶっ倒して上位に上がります」
「(前の試合については)全部だめでした、足が動かず 左ジャブも少なかった。(3か月間の練習については)左と足を使うことを使えるように練習していきます」
「(藤岡戦の前に痛めた左手中指の腱の治療で打ったヒアルロン酸注射については)すごく痛い注射でした。あと1回治療があるそうなので、それが心配」
「(バンタム級へ転級の可能性は)階級にこだわりは全然」
前日計量(2019.12.16@日本ボクシングコミッション関西事務局)
リミット:55.3kg
第81回ドラマチックボクシング スーパーバンタム級8回戦
WBO Asia Pacific バンタム級10位/日本バンタム級5位 中村誠康(TEAM10COUNT/7勝6KO3敗1分)
体重:55.1kg
日本スーパーバンタム級14位 辰吉寿以輝(大阪帝拳/12勝8KO)
体重:54.9kg
コメント
中村誠康選手
──大阪は初めてって聞きましたけど?
「そうですね。アウェーで試合するのは初めてです」
──今の気分はどうですか?
「相手選手も見てテンション上がってます。『あー早くやりたいな』って気持ちです」
──来られたのは今日ですか?
「今日、さっき来ました」
──コンディションは?
「コンディションはいつも通りバッチリです」
──得意なパンチって?
「得意なパンチは右系のパンチですね。右ストレート、右フックですね」
──結構KOが多いですね?
「そうですね、前に出て打ち合うスタイルなんで自然とそうなってると思います」
──相手が辰吉さんの息子ということで、決まった時はどうでした?
「決まった時、話が来た時すぐに『やりたい』っていう返事で。もう嬉しかったですね。『やりたい!』っていう気持ちですね」
──明日の意気込みを教えてください?
「明日の意気込みは、もうガンガン前に出て自分から仕掛けるボクシングをしていきたいと思います」
辰吉寿以輝選手
──上位ランカーだし、いつもより気合が入るのか?いつも通りなのか?
「いつも通りですね」
──相手の印象は?
「全然。俺の方が強いと思った。我慢比べしてくれたら良いですけど。あんまり早よ終わってもアレなんで」
──この試合の目標は?
「KO勝ちで締めくくる」
──今回の試合に向けては充実した練習ができた?
「できましたね。自信に満ち溢れてるんで」
──前の試合よりも強くなってる実感はある?
「はい。足と左の使い方を再確認した。手応えはむちゃくちゃある」
試合結果(2019.12.17@エディオンアリーナ大阪 第2競技場)
第81回ドラマチックボクシング スーパーバンタム級8回戦
WBO Asia Pacific バンタム級10位/日本バンタム級5位 中村誠康(TEAM10COUNT)× 4回2分30秒TKO ◯ 日本スーパーバンタム級14位 辰吉寿以輝(大阪帝拳)
試合動画
1:23:50頃より辰吉戦
試合後コメント
勝者:辰吉寿以輝選手
勝利者インタビュー
──それでは勝利者インタビュー、辰吉寿以輝選手でございます。まずはTKO勝利おめでとうございます!
「ありがとうございます!」
──今日はランカー同士の戦いとなりました。どういう気持ちでリングに上がりましたか?
「そうですね、やっぱり『倒したろ』と思ってリングに上がってたんで。はい」
──試合を振り返っていかがでしたか?
「そうですね、凄い気持ちの強い選手だったんで、今日勝てたことは凄い力になると思います。今後に。はい。ありがとうございます」
──来年はどういう年にしたいですか?
「来年はもちろんやっぱ何らかのタイトルが絡んでくれれば良いですね。もっと練習してGOサインが出るように頑張ります。お願いします」
──目標はやっぱり日本タイトル?まずは日本タイトル?
「いや、もう何でもGOサインが出れば行けるようにしておきたいと思います。はい」
──それでは最後に会場の皆様に熱いメッセージを
「来年もよろしくお願いします!よいお年を〜!」
辰吉父子インタビュー
丈「どんくさいなぁ〜お前はもぉ〜」
寿「しーっ!もう、終わったんやから」
丈「相手おるから何とも言われんけど、左が少ないっ!!」
寿「ちゃう!痛かったんやて」
丈「もう誤魔化してどないするんか」
寿「誤魔化してへんて!痛いって痛がってたやん!!」
丈「あ、痛いの?どこ痛いの?」
寿「ここや言うてんねん!同じとこですわ!!」
丈「ああ。ま、おめでとう」
寿「はい」
丈「ええクリスマスとええ正月が待ってるわ。な!」
寿「うん」
試合後囲み会見
「相手も出てくると思っていたので打ち合った。左フックは手応えはあった。今日はパンチが乗っていた。2回に相手が立て直してきたので『まだ7ラウンドもあるな』と思ったけど、打たれても打たれ強いところを見せておこうと思って。カットで止められるのは嫌やったんで、早く倒そうと思って大振りになってしまった。途中下がったのは練習していた通りで、力まないことをテーマにしていました」
「来年はタイトルに絡みたいですが、今言うのはチャンピオンに失礼ですから。会長からGOサインが出たら行きます」
吉井寛会長
「まあ、キャリアを一つ一つ重ねてしっかり成長しているので、今日の試合も成長できたと思います。贅沢を言えば、もう少し打たれた時の対応も見てみたかったけどね。倒した後、上下に打ち分けていたし、自信を持っている左フックで倒したので80点は十分あげられる。来年はランキングも上位に行くと思うので、マッチメイクも考えていきたいね。勢いの乗っている時が大事。日本・東洋・WBOアジアを問わず狙えるところは行きます。条件とタイミングが合えば、何らかのタイトルに挑戦させたい」
父・辰吉丈一郎選手
「相手が出てきたのはまだパワーが足りないから。寿以輝のパンチをなめているから」
「コンビネーションが出えへんな。全てがワンパンチになってる。ここから強い相手しかおらんし、しっかりコンビネーションを使う練習をして欲しいな」
KJプレビュー(2019.9.17)
2015年4月のプロデビューから実に4年半。
辰吉寿以輝選手が日本ランカー上位の選手に挑むことが決まった。着実に地力を上げてきた寿以輝選手が戦いのステージを上げて、いよいよ”タイトル”を目指すことを意味する。
7月の藤岡戦は、一見すると物足りない内容だった。19戦してKO負けの無い藤岡選手は、課題であるコンビネーションを評価する上で最適な対戦相手だった。”一発”への強度を持つ選手を倒すには、コンビネーションでマットに沈めるしかないからだ。
しかし、試合は判定までもつれ込んでしまった。実は試合前に左手中指の腱を痛めており、序盤から左ジャブを有効に使うことができなかった。また、ランキング奪取を狙う藤岡選手が積極的にインファイトを仕掛けてきたことで、寿以輝選手の経験不足が露呈してしまった側面もあった。
試合前に期待したものは見られなかったが、むしろこのレベルでそうした課題を見つけられたことはポジティブに捉えてもいいだろう。もしも上位ランカーとの試合で徹底したインファイトを初めて経験していたならば、それは敗北に直結しただろう。試合中、セカンドの話をきちんと聞いて、悪いなりによく考えて、終盤までに左ジャブでリズムを作る戦い方に変えられたことは褒められていい。
アマチュア経験の無い寿以輝選手には、こうした全ての経験が糧となる。
そして、いよいよ迎えるのがこの上位ランカーとの試合である。中村誠康選手は3年のブランクを作りながらも復帰早々に日本ランク入りを決めた実力者だ。そんな彼が、階級を上げてまで格下の寿以輝選手との試合を引き受けるメリットとは何か?当然ながら”ネームバリュー”しか考えられない。”辰吉を倒した男”という称号を手にして、更なる高みを目指すチャンスが欲しいのだ。それなりに勝算あってのことだろう。
中村選手は本気で寿以輝選手を倒しに来る。寿以輝選手にとっては、試金石となる試合でもあり、正念場となる試合でもある。
この試合で寿以輝選手に求められることは、勝つことだけである。左ジャブやステップの使い方、コンビネーションブロー、パンチの強弱、インファイトの対応…まだまだ課題は多い。けれども、ここからの戦いはそれらが出来ていないと難しい試合となるだろう。そのことを身をもって知り、生存本能で必要なスキルを身に付け、磨いていくことが求められる。故にまずは勝つことである。
両者とも好戦的なハードパンチャーであり、派手な打ち合いになることは必至だ。パンチ力だけで考えれば適正階級の寿以輝選手に分があると考えられる。しかし、戦い方を知っているのは中村選手の方である。このレベルの試合の中では、間違いなく見応えのある戦いになるだろう。
12月17日。これから3ヶ月という比較的長い準備期間で、寿以輝選手がどれだけこの試合の重みを感じ、どこまで実力を積み増してくるのか、非常に楽しみである。
網膜剥離を乗り越え、WBCバンタム級のベルトを3度獲得した闘いぶりは、ボクシングファンのみならず、ゴールデンタイムのお茶の間を大いに沸かせました。
3度目のベルトを獲得した父に抱きかかえられていた寿以輝は、父の背中を追うようにボクシングを始め、2015年4月デビュー戦から12連勝と順調にキャリアを積み、日本ランキングも徐々に上昇。
迎える第13戦目。対戦相手の中村誠康選手は16年5月からブランクを作っていたものの、今年4月に復帰するといきなり7位の日本ランカー高橋竜也選手を撃破してバンタム級日本ランキング入り。11戦7勝(6KO)3敗1分の右ファイターです。
両者ともに好戦的なハードパンチャーであり、KO決着必至の試合となりそうです。
2020年にタイトルマッチも視野に入れる辰吉選手が日本上位ランカーを相手にどのような戦いを見せるか、注目のマッチアップとなります。