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井上尚弥選手 vs ジョンリエル・カシメロ選手
Naoya Inoue vs John Riel Casinero
日程・会場
- 2020年4月25日 土曜日(日本時間26日 日曜日)
- WBA・IBF・WBO世界バンダム級王座統一戦
- WBA・IBF王者:井上尚弥(大橋) vs WBO王者:ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)
- 米・ラスベガス マンダレイベイ・リゾート&カジノ・イベント・センター
テレビ生中継:WOWOWプライム
2020年4月26日11:00 –
テレビ録画放送:フジテレビ
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WBAスーパー&IBF&WBO世界バンタム級統一戦
コメント
井上尚弥選手
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ジョンリエル・カシメロ選手
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データ
井上尚弥(26歳=大橋)
出身:神奈川県座間市
身長:165cm
アマ戦績:75勝6敗
プロ戦績:19勝16KO
世界3階級制覇王者
WBSSバンタム級初代王者
ジョンリエル・カシメロ(30歳=フィリピン)
出身 フィリピン・オルモックス
身長 163cm
プロ戦績:29勝20KO4敗
世界3階級制覇王者
バンタム級世界王者
WBAスーパー:井上尚弥(大橋=V3)
WBC:ノルディーヌ・ウバーリ(フランス=V2)
IBF:井上尚弥(大橋=V1)
WBO:ジョンリエル・カシメロ(比=V2)
記者会見
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前日計量
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試合結果
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試合動画
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試合後コメント
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一夜明け会見
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ボクシング関係者・著名人のコメント
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KJプレビュー(2020.01.22)
INOUE vs CASIMERO
WBSS決勝の歓喜の瞬間から約2ヶ月半。
いよいよ井上尚弥選手の新たなる戦いが決まろうとしている。モンスター、アメリカ本格上陸。そして主要3団体王座統一戦に向けた日々の幕が上がろうとしている。
それにしても、である。大橋ジム陣営がスーパーフライ級時代にマッチメイクで相当苦労する様を目の当たりにしてきたファンにとって、バンタム級へ昇級してからの対戦希望者の乱立ぶりには驚きを禁じ得ない。特にWOWOWの中継で、ローマン・ゴンザレス選手が王座陥落した際に尚弥選手が見せた悲しい表情が頭から離れないファンにとって、隔世の感を覚えていることだろう。
しかも、ジョンリエル・カシメロ選手はゾラニ・テテ選手の敗戦後に急浮上した対戦候補。尚弥選手が「戦いたい」と指名しただけで、状況がここまで激しく動くとは…にわかに信じ難いくらいだ。
早くから尚弥選手との対戦を希望してきたテテ選手が、目の前の敵であるカシメロ選手を過小評価していた感は拭えない。決して打たれ強くないことを自分でも理解していた筈だが、あまりにも容易にインファイトを許した。その代償としてテンプルを撃ち抜かれ、マットに崩れ落ちた。何とか立ち上がるも、既に戦い続けるだけの余力を奪われたテテ選手は、カシメロ選手の獰猛な攻撃の前に為す術なく敗れた。
尚弥選手はテテ選手に厳しい評価を突きつけると共に、カシメロ選手との対戦に強い興味を示した。そして、世界中のファンがこの対戦カードに歓迎の意を表したことで、全てが動き出した。
尚弥選手はカシメロ選手のどんな要素に興味を持ったのだろうか?おそらく、尚弥選手自身も明確に「これ」という理由は無いのではなかろうか?野生の、いや、怪物の直感とでも言おうか。強いて挙げるとするならば「意外性」と「勢い」だろうか。これまでの対戦相手とは少し異なるキャラクターを持つ選手だ。
同じ3階級制覇王者であり、かつ年上ということもあるのか、やたら上から目線で絡んでくるカシメロ選手と彼の陣営。彼に限らず多くのライバルが、どうもWBSS決勝で「尚弥選手の弱点が露呈した」かのように考えている節がある。「ディフェンスに難有り」だというのだ。
確かに尚弥選手はノニト・ドネア選手を相手に、いつもより多くのクリーンヒットを受けた。それは目の故障に加え、極めてハイレベルな駆け引きで互いにミスを誘発し合ったからこそ生まれた展開である。誰にでもできることでは無い。むしろ、ほぼドネア選手の土俵で戦って勝ったと言え、よりモンスターのモンスターたる所以を見せつけたというのが自然な見方ではないか。
尚弥選手がカシメロ選手と戦う際に警戒すべきは、まさに「意外性」と「勢い」だろう。パワーもスピードもドネア選手には及ばないし、身体の大きさも尚弥選手が上回っている。ただ、カシメロ選手が放つ変則的なビッグパンチを不容易に被弾すると、カシメロ選手をどんどん調子付かせるかもしれない。
基本的にはいつも通り、早い段階で距離感を見極めてカシメロ選手がインサイドへの飛込んでくるのを断ち、尚弥選手自身はスピードに乗って出入りを激しくし、堅実なディフェンスと的確なパンチでカシメロ選手の余力を徐々に削いでいくことだ。おそらく、中盤戦までにKOで決着がつくことだろう。
尚弥選手にとってカシメロ選手は決して相性の悪い相手ではないだろうし、むしろ能力を存分に発揮できる相手だと言えよう。あとはどれだけ実力差を見せつけて圧倒的な勝ち方ができるか、に注目したい。
尚弥選手に不安要素があるとすれば、ドネア選手との激闘の後で肉体的に回復しているか、という点と壮絶な打合いに快感を覚えていないか、という点だけである。そして、テテ選手の二の舞にならぬよう油断は禁物である。決して相手を過小評価しない尚弥選手の勝利は、動かないように思えるが。
少し気が早いことは承知の上で、カシメロ選手との3団体統一戦に勝利した後のシナリオはどのように描かれていくのだろうか?想像を膨らませてみたい。
INOUE vs DONAIRE 2
現在、WBC世界バンタム級のチャンピオンベルトは井上拓真選手との王座統一戦を制したノルディーヌ・ウバーリ選手が保持している。尚弥選手も弟を倒した仇敵ウバーリ選手との主要4団体統一戦となれば、大いに闘志が湧くのではないか。
しかし、WBCはウバーリ選手の挑戦者として、尚弥選手に敗れたばかりのドネア選手を指名しており、まずはこの試合が開催される。そして、この試合の勝者が尚弥選手の2020年第2戦の対戦相手となるだろう。
ドネア選手がWBC王者に返り咲き、WBSS決勝で歴史的な名勝負を演じた2人が、主要4団体王座統一を懸けて再び戦うことになれば、今年のボクシング界で最も注目を集めるカードの1つとなることは間違いない。軽量級史上最高クラスのマネーが動く、メガマッチとなる筈だ。
そして、不動の心で勝利に徹した尚弥選手は今度こそドネア選手に引導を渡す圧倒的な勝利を果たすことだろう。
INOUE vs DASMARINAS
尚弥選手がベルトを保有するIBFは、ランキング1位の選手との指名試合に厳格な団体として知られている。特例で先送りが認められるのは、他団体の対立王者との統一戦の場合のみである。つまり、念願の主要4団体王座統一を果たすと先送りする理由が無くなってしまうのだ。
主要4団体王座統一を果たしてしまえば、より自由なマッチメイクを求めてIBFのベルトを返還すべきという考え方もある。けれども、昇級を見据えて今後もIBFと友好的な関係を維持したいと考えれば、陣営も敢えて敵対するような真似は避ける筈だし、律儀な尚弥選手は防衛戦を1年も待ってくれたIBFに恩義を感じながら前向きな姿勢で防衛戦に応じるだろう。
この試合が本当に行われるとすれば、尚弥選手の”主要4団体王座統一の凱旋試合”と銘打って2020年末に日本で開催されることとなる。1年ぶりの英雄の帰還に、対戦相手が誰であろうと日本国内がKOショーの熱狂の渦に包まれるに違いない。
INOUE vs ROMAN
IBFもまた、尚弥選手との関係をより友好的かつ強固なものとする為、尚弥選手の希望する対戦を優先できるようトップランク社との取引に応じる可能性がある。その条件とは『スーパーバンタム級へ昇級する際はIBF王座への挑戦を最優先する』というものである。
現在、IBF世界スーパーバンタム級王座にはWBAスーパーのベルトも持つ”童顔の暗殺者”ことダニール・ローマン選手が君臨している。
ローマン選手は2017年9月に日本で久保隼選手(真正)から王座を奪取。初防衛戦では尚弥選手と同門かつ同い年の松本亮選手に日本で勝利している。ちなみにプロ4戦目での初黒星も相手は日本人。日本人とも尚弥選手とも因縁浅からぬ相手と言えよう。パワーもスピードも突出したものは持っていないが、オールラウンダーで戦況を見極める能力に長けている。
おそらく世界中のファンが観たいのはフェザー級への昇級も噂されるWBO王者エマヌエル・ナバレッテ選手との対戦だろう。大橋会長も山中慎介氏との対談で、このカードの実現に前向きな姿勢を示している。しかし、IBFとすれば尚弥選手が早期にタイトルホルダーとなることでより多くの商機に恵まれることは確実であり、ローマン選手への挑戦を後押しする可能性は高いのではないか。もちろん、ローマン選手が防衛戦に勝利することが前提となるが。
特にWBC王者レイ・バルガス選手は尚弥選手との対戦を望むとは思えず、しかもこのタイトルにはあの忌まわしき”悪童”ルイス・ネリ選手が絡む可能性もあり、仮にナバレッテ選手との対戦を実現させて、それに勝利してWBOを統一したとしても、WBCの統一には紆余曲折がありそうな状況。IBFとしてはその間に指名試合を挟ませることが出来ると、とても大きな利益となる。
2021年の早い段階でWBAスーパー&IBF世界スーパーバンタム級王座に挑む尚弥選手の姿が見られるかもしれない。
INOUE vs RIGONDEAUX
尚弥選手との対戦を求めて階級を落とす元王者もいる。五輪2連覇の実績を誇る元WBA・WBO世界スーパーバンタム級王者、ギジェルモ・リゴンドー選手である。今年40歳を迎えるリゴンドー選手がWBA世界バンタム級正規王者になった場合、ダスマリナス選手に代わって2020年末の対戦候補になるかもしれない。
リゴンドー選手の技術は未だ錆び付いていないが、その堅実過ぎるファイトスタイルはアメリカで人気があまり無く、トップランク社のボブ・アラム氏からは度々痛烈な批判を浴びてきた。それだけに、このカードが実現する可能性は日本での試合に限られるだろう。そして、そのチャンスは2020年末の試合だけである。
リゴンドー選手は全盛期のノニト・ドネア選手に判定で圧勝したほどの実力者である。
いずれも全盛期を過ぎたとはいえ、オマール・ナルバエス選手、ノニト・ドネア選手、ギジェルモ・リゴンドー選手という軽量級のレジェンド3人を撃破したとなれば、尚弥選手の経歴はより力強い説得力を得る筈だ。
Pound For Pound
おそらく尚弥選手が主要4団体王座統一を果たした場合、2020年末の日本での試合を最後に、世界バンタム級のタイトルを全て返還し、いよいよスーパーバンタム級戦線へ殴り込みをかける準備に入ることだろう。目指すは”日本人男子史上2人目の4階級制覇”のみならず、ボクシング史上初となる”2階級で主要4団体王座統一”の偉業である。
その過程のどこかで、パウンドフォーパウンドのトップに君臨してくれる日が来る筈だ。
海外で「ドラマ・イン・サイタマ」と名付けられた名勝負を終えると同時に米興業大手のトップランク社との契約が発表され、いよいよアメリカ本格上陸が決定。
対戦相手として様々な名前が浮上する中、互いに対戦を望み最有力候補と目されていたWBO世界バンタム級王者、ゾラニ・テテ選手が王座統一戦に臨み、まさかの3RTKO負け。
この試合を視聴した尚弥選手は、即座に反応して勝者との対戦を熱望。それがこの試合で対戦する世界3階級制覇王者、ジョンリエル・カシメロ選手です。
カシメロ選手は世界6階級制覇王者、マニー・パッキャオ選手のMPプロモーションズに所属する秘蔵っ子で、パッキャオ選手やドネア選手に続くフィリピンの新星。インファイトを得意としており、尚弥選手のファイトスタイルと噛み合うことは必至。
この記事では、またしても好勝負が予想される井上尚弥選手の記念すべきラスベガスデビュー戦を追います!