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マックス・フェルスタッペン選手
93戦目で100人目の初ポールポジション!
予選
2019 F1世界選手権 第12戦ハンガリーGP予選は、Red Bull Hondaのマックス・フェルスタッペン選手が1分14秒572を記録し、F1で自身初のポールポジションを獲得した。Honda製パワーユニットを搭載しているマシンとしては、2006 オーストラリアGPのジェンソン・バトン選手以来13年ぶりのポールポジションとなる。
気温は23℃、路面温度は42℃というコースコンディション。雲はあるものの、懸念されていた雨は朝から一度も降らず、予選セッションもドライで行なわれることとなった。
ハンガリーGPの行われるハンガロリンクは小回りのサーキットで、回頭性に優れるRed Bull Hondaのマシンには適したサーキット。スペック3で好調のホンダ製パワーユニットと合わせて、日曜の決勝に向けても期待が高まる。
バルテリ・ボッタス選手(メルセデス)ボッタスは0.018秒差で2番手、ルイス・ハミルトン選手(メルセデス)は0.197秒差で届かず3番手だった。フェルスタッペン選手は日曜の決勝でメルセデスの2台を後ろに従えてのスタートとなる。
4番手には0.471秒差でシャルル・ルクレール選手(フェラーリ)、5番手は0.499秒差でセバスチャン・ベッテル選手(フェラーリ)、チームメイトのピエール・ガスリー選手は0.878秒差の6番手となった。中団トップは7番手ランド・ノリス、8番手カルロス・サインツ選手でマクラーレン勢が占め、9番手ロマン・グロージャン選手(ハース)、10番手キミ・ライコネン選手(アルファロメオ)という予選結果となった。
Red Bull姉妹チーム、Toro Rosso Hondaのアレクサンダー・アルボン選手は12番手、ダニール・クビアト選手は13番手という結果になっている。
Honda製パワーユニットを搭載したマシンが連勝を飾った場合、1992 モナコGP(アイルトン・セナ/マクラーレン・ホンダ)〜カナダGP(ゲルハルト・ベルガー/マクラーレン・ホンダ)以来、実に27年ぶりの連勝となる。
予選動画
予選リザルト
Pos | No. | Driver | Team | Time | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | M.フェルスタッペン | レッドブル・ホンダ | 1’14.572 | 15 |
2 | 77 | V.ボッタス | メルセデス | 1’14.590 | 18 |
3 | 44 | L.ハミルトン | メルセデス | 1’14.769 | 21 |
4 | 16 | C.ルクレール | フェラーリ | 1’15.043 | 17 |
5 | 5 | S.ベッテル | フェラーリ | 1’15.071 | 18 |
6 | 10 | P.ガスリー | レッドブル・ホンダ | 1’15.450 | 19 |
7 | 4 | L.ノリス | マクラーレン | 1’15.800 | 18 |
8 | 55 | C.サインツJr. | マクラーレン | 1’15.852 | 20 |
9 | 8 | R.グロージャン | ハース | 1’16.013 | 21 |
10 | 7 | K.ライコネン | アルファロメオ | 1’16.041 | 20 |
11 | 27 | N.ヒュルケンベルグ | ルノー | 1’16.565 | 12 |
12 | 23 | A.アルボン | トロロッソ・ホンダ | 1’16.687 | 14 |
13 | 26 | D.クビアト | トロロッソ・ホンダ | 1’16.692 | 14 |
14 | 99 | A.ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1’16.804 | 14 |
15 | 20 | K.マグヌッセン | ハース | 1’17.081 | 13 |
16 | 63 | G.ラッセル | ウイリアムズ | 1’17.031 | 9 |
17 | 11 | S.ペレス | レーシングポイント | 1’17.109 | 6 |
18 | 3 | D.リカルド | ルノー | 1’17.257 | 6 |
19 | 18 | L.ストロール | レーシングポイント | 1’17.542 | 9 |
20 | 88 | R.クビサ | ウイリアムズ | 1’18.324 | 9 |
予選コメント
マックス・フェルスタッペン選手:ポールポジション
Aston Martin Red Bull Racing
「予選でマシンがさらに向上し、最高の一日になりました。トップに立つというのはすばらしいことですし、僕にとって初めてのポールポジションはこれからも特別な記憶になるはずです。また、ハンガロリンクのようなすばらしいサーキットで燃料を少なくして予選ラップを走るのはとても楽しいですし、マシンがダウンフォースを発揮してグリップが増すのを感じながら全開で走るのもとても楽しいです」
「僕らとトップチームの差はわずかで、Hondaはすべてを向上させようとハードワークをしてくれています。今日はチームみんなにとって最高の一日になりました。Hondaも含め、速いマシンを用意してくれたチームのみんなに感謝しています。ハードワークが実を結ぶ瞬間を見られるのはすばらしい気分です」
「このレースウイークではロングランができていませんが、ここのところマシンはレースではさらに競争力があるので、あまり心配していません。明日はクリーンなスタートを決めて、自分の仕事をするのみです」
「今日、ハンガリーにこれほど多くのオランダ人ファンが来てくれるとは思っていなかったので、グランドスタンドにいるみんなの姿を見たときには最高の気分でした。明日は接戦になるはずなので、またエキサイティングなレースが見られるでしょう」
ピエール・ガスリー選手:6位
Aston Martin Red Bull Racing
「今日はクリーンラップが取れず、いくつかミスもしてしまったので残念です。それがなければ、フェラーリと4番手か5番手を争えていたと思います。悪くないポジションですが、もっといいラップタイムを出せました。明日はミディアムタイヤでスタートします。全開でプッシュし、戦略を工夫してポジションを上げていきたいと思います」
「マックスのポールポジション獲得には、心から祝福の言葉をかけたいです。すばらしい結果で、チーム全体にとっていいことです」
「ここはオーバーテイクが難しいサーキットで、いい予選ポジションを得られていますし、僕らには力強いマシンがあるので、アドバンテージはあると思います。フリー走行では、誰もドライの状況下でのロングランをしていないので、70周のレースの中でタイヤがどうなるかによっては、おもしろい展開が訪れると思います」
クリスチャン・ホーナー
Aston Martin Red Bull Racing チーム代表
「マックスが最高のパフォーマンスを見せてくれた。彼にとってF1で初のポールポジションであり、オランダ人ドライバーにとって初でもある。そのシーンを見ることができて私も非常にうれしかった」
「ライバルとはほぼ互角だった。そんななかで彼はQ3最初のランで素晴らしいラップを走った。その自己ベストタイムを更新するのは難しいと思われたが、彼は見事にそれをやってのけた」
「最後のふたつのコーナーが決め手になった。(予選2番手となった)バルテリ(・ボッタス)はターン13で少しオーバーステアになったが、マックスは最後のふたつのコーナーで完璧な走りをした。そうして100分の2秒差(0.018秒差)でポールを勝ち取ったのだ」
「マックスはホンダに2006年以来のポールをもたらした。ハンガロリンクはグリッドポジションが非常に重要なサーキットだ。このポジションを生かして、明日は大量にポイントを獲得したい」
「マシンのパフォーマンス改善が進んできたと思う。ミルトン・キーンズとさくらのファクトリーのスタッフは素晴らしい仕事をしてくれている。シーズン前半を通して確実に前進することができた」
「ピエールは、我々の狙いどおりQ2をミディアムタイヤで通過した。だがQ3のアタックラップで残念ながらミスをした。6番グリッドはフェラーリのすぐ後ろだ。決勝でチャンスがあるだろう」
「(formula1.comのインタビューで語り)ターン13まではバルテリの方が少し速かった。だから、マックスは最後のコーナーをうまく決める必要があったのだが、それをしっかりとやってくれた」
「ホンダの功績だ。彼らがいなければ、ここまでできなかった。ファクトリーのエンジン担当者たちが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、ここでポールポジションを獲得することができたのだ」
田辺豊治
Honda F1
テクニカルディレクター
「今日の予選ではAston Martin Red Bull Racingのフェルスタッペン選手がすばらしい走りを見せ、自身のキャリア初となるポールポジションを獲得してくれました。フェルスタッペン選手にはおめでとうと言いたいです」
「また、Red Bull RacingのシャシーとHondaのPUでそれを成し遂げられたことを非常にうれしく思っています。オーバーテイクが非常に難しいハンガロリンクでのポールポジションを、明日のレース結果に結びつけたいと思います」
「その他のマシンも、ガスリー選手が6番手、Red Bull Toro Rosso Hondaの2台が大混戦の中で12番手、13番手と、4台すべてがポイント獲得可能なポジションにつけることができました。明日もチームとともにベストを尽くします」
ジェンソン・バトン選手
元Honda F1ドライバー
「マックス・フェルスタッペン、僕のスタッツを盗るのはもうやめてよ!(笑)Honda F1、素晴らしいラップおめでとう!」
.@Max33Verstappen stop stealing my Stats! 😂 Congrats on an awesome lap 👏🏽@HondaRacingF1 https://t.co/FYXjRyLYtP
— Jenson Button (@JensonButton) August 3, 2019
KJインプレッションズ
待望の初ポールポジション!
待ちに待った瞬間が遂に訪れた!
マックス・フェルスタッペン選手がF1参戦93戦目で通算100人目のポールシッターとなった瞬間である。それも、ドライコンディションで最強のMercedes AMG勢を真っ向勝負で倒したのである。本当に最高の気分だ!
2015年に17歳165日という若さでF1デビューを果たしたフェルスタッペン選手は、前戦ドイツGPまで既に7勝を含む26回の表彰台フィニッシュを果たしており、レース中のファステストラップも6回記録している。けれども、これまでなかなか最速のマシンに恵まれることがなかった為、純粋なスピード勝負となる予選でのポールポジションだけは手が届かなかった。
しかし、Hondaとタッグを組んだ今シーズンはGP毎に着々と改善を積み重ねて、マシンのスピードは確実に増してきていた。Red BullとHonda双方の努力はオーストリアGPでの初勝利とドイツGPでの2勝目として結実しつつある。
レース戦略などのオペレーションを含めたチームとしての総合力では、勝てるところまで来た。あとは純粋にドライバー+マシンというパッケージの速さで、いつトップに立てるか?それが次のミッションだった。
そして今回、そのミッションは達成された!
マックス・フェルスタッペン選手のポールポジション獲得は、何年も前から「時間の問題」と考えられてきた。けれども、マシンの戦闘力に泣いたり、様々なドラマに泣いたり、どうしても獲ることのできないスタッツとなっていた。
それも、今にして思えば「マックスはHondaと共にポールポジションを獲得する運命にあったのではないか?」と感じてしまう。それだけではない。ワールドチャンピオンのタイトルもHondaと共に戴冠する運命にあるとさえ感じてしまう。
それほど、マックス・フェルスタッペン+Red Bull+Hondaの信頼関係が際立っている。
Red Bull Hondaが初の連勝に挑む重要なレースに向けて、課題はただ1つ「スタート」だけである。ここ数戦を見ても、スタートで幾つかのポジションを失うシーンが目立つ。
2番手のバルテリ・ボッタス選手、3番手のルイス・ハミルトン選手と、メルセデスAMGの2台が後方からチームプレイも可能な体勢で虎視眈々と逆転を狙っている。
スタート直後の攻防を上手くかわし、オープニングラップをトップで戻ってくることができれば、あとはレース戦略に長け、ピットストップも迅速なRed Bull Honda初の連勝の可能性は大きく膨らむだろう。勿論、ピエール・ガスリー選手の援護射撃にも期待したいところだ。
Hondaとして過去6勝を挙げているゲンのいいハンガロリンクで、Red Bull Hondaにとって最大の結果=ポール to ウィン&ガスリー選手初表彰台を期待したい!
それにしても、今季は初優勝が「レッドブルリンク」で2勝目が「ホッケンハイムリンク」と名前に「リンク」の付くサーキットと相性が良い。そして今回は「ハンガロリンク」…こりゃもう絶対に勝つでしょ!(笑)勝ってほしい!!
Hondaにとっては2006 オーストラリアGP以来13年ぶりのポールポジションとなりました!
この記事ではマックス・フェルスタッペン選手とRed Bull Hondaの最速伝説の幕開けを記録します!